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明祥株式会社様-事例紹介

明祥株式会社 代表取締役社長執行役員 折本健次様(左) 物流部部長 津田昌己様(右)
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北陸の地で高いシェアを誇る医薬品卸業、明祥株式会社は高品質な医薬品物流を担保するため日本通運を活用している。医薬品物流の特徴と同社の取り組みについて、代表取締役 折本健次様、物流部部長 津田昌己様にお伺いしました。

目次

明祥株式会社のご紹介~北陸で高いシェアを誇る医薬品卸

― 明祥株式会社についてご紹介をお願いします

明祥株式会社は、アルフレッサホールディングスのグループ企業として、北陸3県(石川・富山・福井)を商圏として展開している医薬品卸業です。本社を金沢市に置き、8支店3事業所で506名が働いています。
1963年、創業から現在344年続く石黒薬局を中心に2件の合弁により明希株式会社を設立。その後、主として2度の合併を経て続く、現在の明祥株式会社になりました。明祥イズムとして掲げている、「仕事の喜びと人生の幸福との一致」は創業時から変わらない経営信条です。

明祥株式会社本社および本社物流センター

― 複数回の合併には理由がありますか

医薬品業界は競争が激しい業界です。合併再編も繰り返されてきましたが、規制緩和以降、外資系メーカーが多数独立してきたことや、全国に1000社近くあった医薬品卸のすべてとは取引せずに選別をしたことなどもひとつの要因となり、自社で取り扱っていないメーカーを持つ卸同士が合併するようになりました。その結果、現在では90社ほどに集約され、4大卸企業グループで医薬品の95%が流通しています。ほぼすべての薬を扱えることから「フルラインメーカー卸」と呼ばれています。

「商物分離」で流通し、かつ物流に厳しい品質管理基準が課される医薬品

― 医薬品卸業の特殊性についてもう少し教えてください

広義の医薬品の中で弊社が取り扱っているのは保険薬価のある医療用医薬品です。納入先は大きな病院から個人医院、調剤薬局ですが、医薬分業制度導入以後、現在では売上高の60%以上は調剤薬局となりました。

医薬品卸には事業を行う上で、「商流(営業)」と「物流」というの2つの重要な柱があります。 情報をお届けする営業職を医薬品卸業界では「MS(マーケティングスペシャリスト)」と呼んでいます。毎月たくさんの新製品や包装内容の変更等がありますので、それらの情報をタイムリーに医師・薬剤師・コメディカルの方々にお伝えする役割を担っています。また副作用などの問題が起きた場合の緊急連絡なども行います。メーカーにも「MR」と呼ばれる情報提供を行う営業職がおり、MSとMRは頻繁に情報を共有しています。

一方、「モノ」としての医薬品は品数が多く、我々が扱っているのはアイテム数で約20000点、製品では約15000点にのぼります。
医薬品は品質管理基準が厳しく、業界でJGSPという品質管理基準を策定しており、「温度管理(在庫時・配送時)」「期限の管理」「トレサビリティ(ロット管理)」があります。中でも、トレサビリティは、副作用の発生や異物の混入などが起こったときに至急回収するための重要な情報源になります。

20000アイテムからピッキング中の明祥本社センター

在庫管理では、医薬品にはいつも潤沢にあるものと季節性のあるインフルエンザワクチンなどがあり、その性格に合わせて在庫の管理を行わなければなりません。また、逆に余剰となり期限が迫れば廃棄しなければなりません。弊社でも年間1500万円くらいの廃棄があります。一方、欠品は医薬品卸にとっては致命傷になりますので、適正在庫の管理は重要な業務と位置づけています。

少子高齢化による医療費高騰で抑制策の1つとしてジェネリック医薬品(後発品)があります。ジェネリックは売上に締める割合は現在7%ほどですが、在庫に締める割合はアイテム数で40%以上と非常に大きく、同じ成分のジェネリックが20メーカーほどある品目もあり、オーダーが入れば在庫しなければなりません。

このように、「品質管理」「在庫管理」「配送管理」が物流面では大きなウエイトを占めることになりますが、MSがお客様への配送も行っていると営業行為ができません。お客様との信頼関係を深めるためにも「商物分離」と言いまして、商流と物流を分けて考える必要があります。

物流が要 ~「在庫があること」「速く届くこと」が生命線の医薬品卸業

― 欠品が致命傷ということですが、もう少し詳しく教えてください

代表取締役 折本健次様

現在はほとんどがフルライン卸ですから、独占的な扱いによる差別化がなくなり、価格競争、物流競争になっています。顧客の半数を締める調剤薬局も「どの薬でも必ず取り寄せます」というのが生命線です。弊社に在庫がなかったり、配送が遅くなれば調剤薬局は他社に注文を入れます。同じ商品を2つの卸に同時注文し競争させるところもあるほどです。

入札制度を経て契約を結ぶ病院とは違い、薬局とは随時のやりとりになります。店舗での在庫保管スペースは極力省きたい、品数は豊富にしておきたい、という薬局が卸を選ぶ規準に「注文したときに在庫があるか」「速く届くか」ということがあります。

つまり、卸の在庫管理品質、緊急品を含むお届けまでのリードタイム品質が生命線となります。シェアを高く保つには、そういった積み重ね、信頼関係が大切です。私どもが価格、物流、営業等でミスをすれば、翌日から他の卸に発注がいってしまいます。商品や品揃えでの差別化が難しい環境になっていますので、物流にも自ずと神経を使うようになります。

日本通運との物流プロジェクトで実現したこと ~「スルー配送」「P検」とは

― そのような環境の中で、日本通運をどのように活用していますか?

更なる物流機能の強化のために物流のプロである日本通運には、現在以下の業務を委託しています。

  1. 本社物流センター内における医薬品等の在庫管理・入出庫業務
  2. 本社-支店間の拠点間物流
  3. 病院や薬局への店舗配送
  4. 本社物流センターのバッファ倉庫業務とその配送業務、等

また、物流業務のアウトソーシングだけではなく、物流コンサルティングもお願いしています。社内の物流プロジェクトに参画してもらって定期的な反省や検討を行っていく中で、いくつもの成果を出しています。

― 具体的にはどのようなものでしょうか?

現在、在庫管理、品質管理、配送管理での無理・無駄の削減を目的に2つの改革を進めています。

1つは「スルー配送」です。これは従来まで、「本社→支店→お客様」という流れでお届けしていた定時配送を、本社を核とした集中管理により物流を効率化するものです。商品ごとの出荷履歴など、緻密なデータ分析を行った上で段階的にスルー配送に切り替えており、物流の全体最適が進んでいます。

もう1つは、得意先での納入時検品作業の削減です。
パッケージ検品、略してP検と呼んでいます。従来は納入先の店頭で お客様と一緒に納入時検品を行っていましたが、忙しい時間帯ではお客様にとっても煩わしい作業となります。そこで、「もし納品物に誤りがあれば責任を持ちます」というお約束で、納入時の検品をなくしました。
その分出荷前の検品作業を1回増やしているので、手間は増えているのですが、全体的なハンドリングコストの削減と検品時間の簡素化が実現し、1人・1日あたりの配送件数を増やすことにも寄与しています。

P検風景 コードを読み取って検品

製品名カナ順にパッケージにして出荷準備

また、後発品(ジェネリック医薬品)が増えたことでアイテム数も増え、倉庫が手狭になってきました。そこで2014年5月からは医薬品以外の栄養食品や食品系の経腸栄養食品、とろみ剤など、定時配送で対応できる商品は日本通運の倉庫へ移動しました。保管・配送も日本通運で行っています。
高齢化に伴い今後も増えていく分野で、優れた商品(寝たきりでも体重を増やさない、食べやすさ向上等)も出てきているため、今後も在庫が増える分野です。
その他、日本通運とのプロジェクトで遡上にあがり、採用が決まったものに「クールロールボックス(ポナコン)」というものもあります。最近は氷点下15度で保管しなければならない脳腫瘍の薬など、温度管理規準の厳しい薬品も出てきており、医薬品メーカーが冷凍保管機能を有した卸を指定し扱いを認める薬品があります。

広い保管スペースを要する栄養食品等は、
日通倉庫をバッファ倉庫として利用

また、ワクチンも温度管理や品質管理が悪いと効果が落ちるため品質管理の厳しさが増し、支店に輸送する間もきちんとした温度管理ができるように、日本通運のトラックにも車載バッテリーを付けてもらいました。

― 日本通運を交えた物流プロジェクトの効果についてお聞かせください

これまで説明したようなことは、双方の担当者を出向させてノウハウを共有するなど、実務レベルでも様々なパートナーシップを築きながらプロジェクトとして進めています。
このプロジェクトはお客様へのサービス強化に直結する重要なプロジェクトですが、合理化を目指し社内だけで調整していると、甘さが出たり社内間での利害が衝突してしまうことがあります。その点、物流のプロである日本通運が第三者視点で提案してくれることで受け入れやすくなり、改革・改善がスムーズに進められるというメリットもあります。

物流部部長 津田昌己様

今後の期待

― 最後に今後考えていらっしゃることがあればお聞かせください

北陸という市場の中で医薬品卸にまつわる業務を充実させていきたいと思っています。我々医薬品卸業は「いかなるときも」「どんなものでも」「速く届ける」という使命感を持っており、災害時など交通や道路網が寸断した場合に備え、各拠点に配送用50ccバイクを配備しました。東北大震災の時にも富山のメーカーが製造しているヨードを緊急車両で送り出しました。

医薬品卸業も1000社から90社へと激しい変遷はありましたが、今後規制緩和が拡大していくともっと厳しい環境になることも予想されます。ビジネスモデルそのものが変わることも念頭におきながら、「顧客満足とはなにか?」を改めて議論しなければならない時期に来ているのかもしれません。

物流についても事業の根幹となりますので、日本通運とタッグを組み、今後もお客様満足という視点に立った改革を一緒に考えていってもらいたいと思っています。

緊急対応用の50CCバイク(上)電気自動車(下)


※ 2014年5月取材

会社名 明祥株式会社
本社 石川県金沢市無量寺町ハ1番地
設立 1963年12月
事業内容 医療用医薬品販売,医療機器・診断・試薬の販売,医療コンサルティング,化成品販売
代表取締役 折本 健次
資本の額 3億9,500万円
主要株主 アルフレッサホールディングス株式会社
従業員数 484名 (2013年5月1日 現在)
URL http://www.mshhs.com/

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