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株式会社千趣会様−事例紹介

株式会社千趣会 商品管理本部 執行役員 本部長 兼 物流企画部 部長 岡田正幸様
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通販事業の老舗「ベルメゾン」を運営・展開する株式会社千趣会は、膨張した物流コストを削減するため海外10拠点を釜山に集約する大胆な物流変革を実施しました。釜山倉庫を戦略的に活用する同社の取り組み内容と、得られた効果についてお話を伺いました。

自社開発オリジナル商品の充実 〜千趣会の通販事業戦略

― 御社の通販事業の特徴はどこにあるのでしょうか

弊社は自社開発のオリジナル商品を作り、商品の特性や品質といった商品自体で他社との差別化を図る方針を明確にしています。我々が扱っている商品は衣料品、家具、雑貨、ファッショングッズなど、あらゆるジャンルに渡っており、その点数はこの秋のピークでは16万点にも上りますが、そのうち30%は海外生産のオリジナル商品です。

また、EC・カタログ・店舗の各販売チャネルの特性を最大限に活用しながらベルメゾン独自のオムニチャネルを展開しています。実は通販カタログの発行部数自体は、以前から変わっていません。我々は「出会いを求めてカタログを開く、ネットで検索して物を探す」と言っているのですが、うまく両方の媒体を使い分けているお客様が非常に多く、カタログはお客様の購買機会を創出するための重要なツールです。カタログ制作には多大なコストを必要としますが、従来どおりのイメージ感・テイストで作りつつ、新たな販売チャネルを充実させているというのが最近の傾向です。

ベルメゾンネット。デジタルカタログからの商品購入も可能。

物流戦略の抜本的見直し 〜EC主流となった影響

― インターネット環境の普及は通販事業にどのような影響を与えましたか

販売チャネルの変化は非常に顕著であり、以前であれば注文の70%が電話によるもの、残りがFAXやハガキによるものでしたが、現在では70%超がインターネット経由となっており、特にここ1年ではスマートフォンからの注文が急増しています。注文がEC主体へと逆転したのは5年ほど前になりますが、ECからの注文割合の増加は物流面に大きな影響を与えました。

弊社では海外10拠点で生産した商品を各国の保税倉庫で保管し、必要なタイミングで予想数量を日本に持ち込む調達オペレーションを行っていました。昔ながらの通販事業は、商品の売れ行きが良く、入荷が1ヶ月後になるといった場合でも、待っていただけるお客様がたくさんいらっしゃる”お待ちいただける事業”といえました。

ECが主流となってからはその時点で在庫がなければ買っていただく機会を失ってしまうことになります。海外からの調達には、かなりのリードタイムを必要とするため、欠品を防ぐには予想数量以上の商品を事前に日本に持ち込み、国内で在庫しておくことが不可欠となりました。その結果、国内保有量の増加に比例し、物流コストも大幅に膨らむこととなり、対策が必要でした。

商品管理本部 執行役員 本部長
兼 物流企画部 部長 岡田 正幸様

また、中国やASEAN諸国における、保税機能の発展性に期待が持てなくなったという側面もあります。例えば中国では、以前であれば1年間の在庫が可能でしたが、今は半年程度で出荷を求められるようになりました。加えて、保税在庫を廃棄することは禁止されており、デッドストック(不良在庫)やダメージ品(不良品)であっても、わざわざコストを掛けて日本まで運んでから廃棄しなければならない、といったジレンマがありました。

在庫の保有形態という観点も含め、物流戦略の抜本的な見直し「物流変革」が我々には必要でした。

海外10拠点の釜山集約 〜物流変革への挑戦

― 御社は課題解決のため韓国・釜山への拠点集約を決断されました

釜山新港は韓国の国家戦略的なフリートレードゾーンと位置づけられており、物流に関わるあらゆる取り組みに対して柔軟な姿勢がありました。例えば、保管期間がフリーであるだけでなく、商品の償却や加工も認められていました。地理的にも日本に非常に近く、九州なら10時間、敦賀でも17時間というショートリードタイムで物を運んで来られる利点があります。そこで、将来的な発展性も鑑み、海外10拠点の在庫を全て釜山1箇所に統合する方針を決定しました。

この場合、各地から発送された商品は一旦釜山で降ろして保管し、日本に運ぶ際は再度、船積みすることになるため、輸送にかかるコストは当然ながら増加します。ただ、日本国内の在庫圧縮による倉庫費用の低減や、倉庫間の商品移動に伴うコスト減を考えると、トータルでは十分に効果が得られると判断し、2012年9月に委託業者の選定に着手しました。

海外10拠点の在庫を全て釜山に集約。
日本に近い場所で在庫することにより、調達に要するリードタイムを短縮、国内保有量を削減する。

― 日本通運を選択した理由を教えてください

日本通運は倉庫を所有しており、すぐに利用可能であった点が1つ目の理由です。
構想を提示した段階で、全ての海外拠点を集約したいという我々の"想い"は固まっていたため、倉庫のキャパシティに加え、スピード感が重要でした。例えば、「2年いただければ倉庫を作ります」という提案では、我々にとって"ノーアイデア"と同じことです。1日でも早く稼働させたいという強い思いがありました。

次に、倉庫運営だけでなく、フォワーディング業務も一貫して行えるという点です。倉庫だけ、フォワーディングだけという物流業者は多数ありますが、運用管理に掛かる手間や作業効率面を考えるとやはり一貫で実施できるという点は非常に魅力的でした。

最後に「品質」です。実際に現場の様子も拝見させていただいた上で、我々の商品を"日本と同じ品質"で扱ってもらえるという期待を持てたことが最大の決め手となりました。

2013年1月に日本通運への委託を決定し、わずか3ヵ月後の2013年3月に初期倉庫を稼働、7月からは本倉庫の稼働も開始しました。物流コンサル力と、作業遂行力の双方を兼ね備えていなければ、”3ヶ月”というスピード感での実現は不可能だったと断言できます。

釜山倉庫の外観(左)と内部の様子(右) 24000m3の広大なキャパシティで商品を保管

釜山倉庫の戦略的活用 〜得られた効果

― 釜山倉庫の稼働により、どのような効果が得られましたか

釜山倉庫の稼働後、まず行ったのは国内在庫の削減です。それまで、インドネシア等の遠方で生産した商品は7週間分、中国地区でも4週間分程度の商品を一度に国内に持ち込んで在庫していましたが、一挙に1.5週間分まで減らしました。それによって国内の倉庫費用、輸配送費用が大幅削減され、初年度では1億5千万円程度のコスト削減効果が得られました。
当初の予定を前倒しして海外拠点の集約を行った結果、一時的に釜山倉庫のキャパシティをオーバーするという不測の事態もありましたが、よく要求に応えていただけたと思っています。
ただ、量的な移行はまだ100%完了したわけではないため、目標とする2億円削減の実現に向け、今後もしっかりと取り組んでいく必要があります。

”日本品質”による効果もありました。生産地から直接日本に輸送していた当時は、商品へのダメージも発生するため、良品の数量が保証できないケースがありました。今では釜山に良品がいくつあるかが正確に分かるようになり、日本品質で輸送されるようになったため、数量保証が可能となりました。在庫品質に対する不安要素がなくなったことから、ECサイト上では本年9月より釜山倉庫の在庫も、国内在庫と同様に「在庫あり」というステータスでお客様に開示することにしました。これは非常に大きな効果です。

また、釜山からの通関手続きに関わる業務は全て日本通運に委託しており、両社システム間のデータ連携により、日本通運のシステム内で船積み完了というステータスになると、当社のシステム内で、通関依頼とインボイス・パッキングリストが自動生成されるようになっています。そのデータを元に例えば敦賀港であれば貨物到着後、同日中に自動通関され、その日の午後には配送できる体制が構築されています。事務処理に掛かるコストも当然ながら利益に直結する内容となりますから、通関手続き等が確実且つスムーズに運営されていることには非常に満足しています。

同じく9月からは、釜山の保税倉庫の特性を生かし、箱詰めする必要のない商品、例えば家具類などは、保税倉庫内での送り状貼付を開始しました。日本に到着した商品は、国内倉庫を経由することなくそのまま宅配業者へと引き渡すことができるため、韓国から直接お客様に商品を届けるBtoCの形態に限りなく近い輸送が可能となりました。国内倉庫をスキップすることができるため、コスト的にも時間的にも大幅な削減効果が期待できます。このオペレーションを実現するにあたっては、個人情報保護にも万全の対策を施しており、両社システムを専用回線で結ぶだけでなく、日本通運側のシステムではラベル印刷だけを可能とし、データダウンロードは一切できないように独自のカスタマイズを行ってもらいました。

釜山倉庫内の作業の様子

今後の展開・日本通運へ期待すること

― 今後に向けて考えていることがあれば教えてください

「商品の適正価格よりいかに安く作るか」という時代はもう終わりにきているのではないかと思います。品質を保つという観点からいけば限界にきている。そうなると、物流変動費であったり、業務変動費を削減し、しっかりと収益を確保していく必要がある、今はそういう時代だと思っています。

そういった意味からも、継続して釜山を戦略的に活用していくことがポイントであり、例えば生産地の違う商品を組み合わせて一つの商品に仕上げるといったことにも取り組んでいきたいと考えています。コタツであれば、天板は家具が得意なインドネシア、櫓は中国で作り、釜山で組み合わせて一つのコタツという商品にするといった「商品開発に寄与する物流」という発想を夢として持っています。

もちろん、法律や政令等の様々な条件をクリアした上での話となりますが、日本通運とも相談しながらやりたいこと、やれることは先行的にどんどんトライアルしていきたいと考えています。

― 最後に日本通運の感想・期待されることを教えてください

私たちは投げっぱなしというのが好きではなく、一緒に現場に入って作り込んでいくという姿勢のため、おかしいと感じたことはおかしいとはっきり言いますし、変えて欲しいことも遠慮なく言わせてもらいます。そういう我々の姿勢・考え方もしっかりと受け入れてもらっており、非常に良好な協業関係でスタートが切れたと思っています。
特に感謝しているのは、今までやったことの無い発想の仕事を、あれだけの大規模、且つ、あの短期間でやっていただいたことです。そのスピード感には本当に感謝しています。
今後もお互いのノウハウを出し合い、次の課題、次の課題へと、発展的な協業体制で取り組んで行きたいと思っています。

※ 2014年9月取材

会社名 株式会社千趣会
所在地 大阪市北区同心1-8-9
設立 1955年11月
事業内容 カタログ事業/頒布会事業/ブライダル事業/法人事業/その他事業
代表取締役 田邉 道夫
資本金 20,359百万円
URL http://www.senshukai.co.jp/

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