日通柔道部 最新情報

強豪チームの壁を越えられず二部ベスト8、三部ベスト16

第68回全日本実業柔道団体対抗大会
2018年6月9日~10日 福岡県久留米市総合スポーツセンター

マッチリポート

6月9日(土)の大会初日、開会式の後に男子三部団体戦が行われた。出場は36チーム。了徳寺学園などは強化指定選手が2人参加するなど、三部とはいえレベルをあなどることはできない。この大会後に控えるワールドカップ柔道の日本代表選手14人のうち、11人が実業団から選出されるなど、日本の柔道界の根底を支えるのが実業団。各チームには五輪メダリストが居並び、その姿が確認されると、観客席の空気が張り詰めるのが伝わる。

そんな緊張感のなか、日通の三部チームは、先鋒に新人の園田、次鋒・日當、中堅・矢野、副将・鈴木、大将・小坂という布陣で初戦に臨んだ。
1回戦の東京海上日動火災戦は、園田が引き分けたものの、日當は試合終了間際に背負い投げで一本勝ち。続く矢野も、払い巻き込みで一本勝ち。副将の鈴木は、袖釣り込み腰で相手を崩してからの抑え込みで一本勝ちを収め、3-1で2回戦進出を決めた。その相手はひらた整骨院クラブ。日當が技あり、矢野が一本負けで0-2とされ、万事休すかと思われたが、鈴木がまたしても袖釣り込み腰で一本勝ち。小坂も内股で一本勝ち。2-2ながら内容勝ちで、3回戦に駒を進めた。しかし、ここまで圧倒的な強さで勝ち上がってきたJR九州との対戦では、園田が引き分け、日當が指導3回で反則負け、矢野も試合開始直後、一本背負いで一本負けすると、小坂に代わって出場した大将・木村も引き分けて0-2。ベスト8に進むことはできなかった。

翌日行われた二部は、宮崎がけがのため戦列を離れたため先鋒は高橋。次鋒・手塚、中堅・石塚、副将・加藤、大将・林という布陣。初戦の相手は岐阜刑務所。初戦から手ごわい相手となったが、宮崎に代わって重責を担う高橋は腕返しで一本勝ち。流れを作って次鋒につなぎ、手塚は櫓投げで一本勝ち。波に乗った日通は、石塚、加藤、林が全員一本勝ちで仕上がりの良さを感じさせた。しかし、準々決勝の相手は、昨年まで一部にいた京葉ガス。学生チャンピオンクラスが並ぶ京葉ガス選手は、前に出る圧で日通の選手を圧倒。受けに回った髙橋、手塚は次々に指導を取られ、指導3回で反則負け。0-2とした京葉ガスは体力の温存をはかり積極的には出てこないが、日通が強引に攻めに出たら返し技を狙う柔道で、付け入るスキを見せない。大将・林も開始直後に大内刈りで敗れ、0-3の完敗となった。

コメント

山脇悟監督

三部チームは3回戦敗退となってしまいましたが、欲を言えばベスト8まで勝ち進んで、京葉ガスと対戦してほしかったです。3回戦で対戦したJR九州は、1回戦、2回戦を5-0、4-1と勝ち上がってきたように、いいメンバーを揃えた実力のあるチームでした。でも、やはりその壁を乗り越えてベスト8まで勝ち進むことを目標にやってきたので、非常に残念です。先鋒の園田選手は、負けはしなかったけれども、勝てるチャンスがあったことを、彼だけでなく、チーム全員で共有してほしいです。みな、負けたくない気持ちが前面に出て、守りの柔道になっていました。チームの課題はそこにあるのですが、そのなかで、鈴木選手は去年の悔しさをバネに、積極的な柔道を貫いてくれたことは評価したいと思います。
二部チームは、各選手ともにしっかりコンディションを仕上げて初戦に臨んでくれました。岐阜刑務所は簡単に勝てる相手ではありませんでしたが、全員がきっちり一本勝ちできたことは評価したいと思います。2回戦のあと、すぐに準々決勝を戦うことになるから、気持ちを切らさないよう準備しなさいと、前夜ミーティングで伝えました。前に出て技をかけて負けることは良しとするのがウチの柔道ですが、技を出せないように圧をかけられたとき、うまく対応できなかったことが敗因でした。相手に指導が1回、ウチに指導が2回というときに、試合の流れ・組立が今後の課題だと思いました。組んで攻める柔道に取り組んできたことは間違っていませんが、相手の実力が一枚上手だったというのが正直な気持ちです。

園田亮輔選手(三部チーム・先鋒)

学生柔道は階級別の個人戦ですから、団体戦は社会人柔道ならではだと思っています。学生柔道の延長で試合をする感覚はリセットして、団体戦での戦いかたをイメージすることを大事にしようと、この大会に臨みました。先鋒の試合はチームに流れを引き寄せるためにとても重要なので、最低でも引き分けで後ろに繋ごうと思っていました。相手チームの身体の大きなポイントゲッターに技を取られなかったのは及第点だったかなと思います。でも、もっと足を飛ばして、動きで相手を崩して引っ掛ける払い腰が得意なので、その精度を上げていきたいと思います。

鈴木孝洋選手(三部チーム・副将)

去年は、この大会で何もできなかった記憶しかありません。職場の上司や、職場の剣道部先輩から「死ぬ気で行ってこい!」とあたたかい檄を飛ばされ、大会前の強化月間は、道場に通える環境を作っていただきました。大きな目標は立てず、出場するからにはチームのためになりたいと思っていたところ、得意技がなかった私に、大熊コーチから身体の小ささを生かして袖釣り込み腰を練習するようにアドバイスを受け、東京実業柔道の大会後に、この技を練習しました。練習ではあまり上手く決まらなかったんですが、今日は二本とも袖釣りを決めることができましたし、ポイントも失わず、練習の成果を出せて良かったです。

手塚海選手(二部チーム・次鋒)

岐阜刑務所との1回戦は全員が一本勝ちして、気持ちも乗っていました。間を空けずに次の京葉ガスとの試合になる準備もできていたんですが、去年まで一部にいたチームで、経験も実績もある選手が揃っているので、組んでから自分の柔道をしたいことを見透かされていたのか、全然組ませてもらえませんでした。その上、相手が前に出る圧が強くて、受けに回って指導を3回取られて反則負け。何もやらせてもらえなかった悔しさだけが残りました。もっと体重を増やしてこの大会に臨みたかったんですが、間に合わなかったことが悔やまれます。

加藤貴也選手(二部チーム・副将)

大会前からチームの雰囲気は良くて、ゴールデンウィークの強化合宿以降、いい準備ができた選手は多かったと思います。2回戦の京葉ガスにどれだけ自分たちの柔道が通じるかが課題でしたが、相手の選手は自分と同学年で学生チャンピオンだったこともあり、お互いに手の内を知っているし、ポイントが0-2だったこともあって、相手に柔道をコントロールされているように感じて、攻めに行けませんでした。前に出たら相手が返し技を狙っているのが伝わってきて、そこを跳ね返せるという自信が持てず、躊躇してしまいました。

成績

二部

2回戦 ※1回戦シード

  日本通運 5 - 0 岐阜刑務所
先鋒 高橋 祐太 腕返し     桐山 達也
次鋒 手塚 海 櫓投げ     岩田 幸典
中堅 石塚 康太郎 内股     村椿 隆広
副将 加藤 貴也 大内刈り     佐藤 光
大将 林 宇宙 大外刈り     今川 吉輝
(代表戦)          
補欠 宮崎 廉        

準々決勝

  日本通運 0 - 3 京葉ガス
先鋒 高橋 祐太     反則勝ち 岩尾 敬太
次鋒 手塚 海     反則勝ち 野々内 悠真
中堅 石塚 康太郎   引き分け   神谷 快
副将 加藤 貴也   引き分け   寺島 克興
大将 林 宇宙     大内刈り 飯田 健伍
(代表戦)          
補欠 宮崎 廉        

三部

1回戦

  日本通運 3 - 1 東京海上日動火災
先鋒 園田 亮輔   引き分け   中上 駿
次鋒 日當 将人 背負い投げ     石井 雄也
中堅 矢野 裕一朗 払い巻き込み     成田 翼
副将 鈴木 孝洋 抑え込み     梅田 貴志
大将 小坂 篤史     反則勝ち 進藤 嘉樹
(代表戦)          
補欠 木村 旭克        
補欠 丸峯 龍勝        

2回戦

  日本通運 2 - 2 ひらた整骨院クラブ
先鋒 園田 亮輔   引き分け   八木 智崇
次鋒 日當 将人     技あり 上薗 義明
中堅 矢野 裕一朗     支え釣り込み 平田 和義
副将 鈴木 孝洋 袖釣り込み腰     佐無田 亮
大将 小坂 篤史 内股     堀 和雄
(代表戦)          
補欠 木村 旭克        
補欠 丸峯 龍勝        

3回戦

  日本通運 0 - 2 JR九州
先鋒 園田 亮輔   引き分け   南川 真輝
次鋒 日當 将人     反則勝ち 進藤 一馬
中堅 矢野 裕一朗     一本背負い 古園井
副将 鈴木 孝洋   引き分け   植山 恵介
大将 木村 旭克   引き分け   植田 祐太
(代表戦)          
補欠 木村 旭克        
補欠 丸峯 龍勝        

ギャラリー

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