
INTERVIEW
日通にしか運べないものを運ぶ。
私たちにしかできないこと。
- DAISUKE HARADA
- 原田 大資
- 関東重機建設支店(重機)
- 2009年入社 / 法学部卒
「運べないものは、ない」。私は業務を通じてそう感じています。私が担当しているのは、電力施設で利用される変電機器。一般の公道を使って輸送する最大級のもので、重さ約240t。それを載せるトレーラーは全長約50m。これを深夜の公道で時速約4㎞という、人が歩くのと同じくらいのペースで慎重に輸送していきます。まさにダイナミックな輸送です。
私が所属する重機建設事業部は、巨大なインフラ設備やプラントの輸送・据付を手がける部門。実は、学生時代は日通にこのような仕事があることを知りませんでした。説明会でビデオを見て初めて知り、ぜひチャレンジしてみたいと思ったのです。私が惹かれたのは、スケールの大きさもさることながら、準備段階での緻密さでした。
入社して2年ほどは先輩の下で仕事の仕方を学びました。一人で仕事を任されるようになったのは入社3年目のこと。現在は、輸送から現地での据付まで、プロジェクトの取りまとめを任されています。
プロジェクトは、輸送の2~3年前から動き始めます。最初に取り組むのは輸送ルートの検討。このような重量物を公道で輸送するためには、道路を管轄する官公庁の許可が必要で、実はこの許可の取得は容易ではありません。コーナーを曲がりきれるか? 重さに耐えられるか? 公道のデータを取り込んだPCの画面上でmm単位の精度でシミュレーションをしていきます。中でも難しいのが橋梁です。輸送ルート上にある橋を安全に渡りきれるかを専門のコンサルタント会社にも協力してもらって検討します。もちろん、これらの作業はデータ上ですべて完結するわけではありません。長年培ってきた経験や勘も大切。トレーラーを運転する熟練の技術者の意見も交えて慎重に計画を立てていきます。このプロセスでの緻密さが、プロジェクト成功の鍵を握っているのです。
実際の輸送は、交通量の少ない夜間に行います。難関と想定していたコーナーに立ち、自分が計算していたとおりの軌跡でトレーラーが通過する瞬間を見届けるのはまさに快感です。そして緊張続きのプロジェクトが完了した時、まず最初にやってくるのは肩の力が抜けるような安堵感。それから大きな達成感が湧き上がってくるのです。
入社6年目の時、1年ほど台湾に長期出張し、発電所建設プロジェクトに輸送業務のスーパーバイザーとして携わりました。初めての海外での仕事で戸惑うことも数多くありましたが、現地スタッフと一緒に成し遂げた輸送はとても貴重な経験です。その後、出張でまた現地を訪れた際、発電所が稼働している姿を見た時には、自分の仕事が社会につながっているという手応えを感じました。
今後は、変電機器ばかりでなく、プラント建設や発電所建設など、さまざまな重量品輸送・建設の分野で経験を積んでみたいと思っています。そしてチャンスがあれば、また海外でのプロジェクトにも参加してみたい。世界の各地で日通にしか成し得ないようなものを運び、その地域の社会に貢献していくこと。それが私の夢です。