
INTERVIEW
数百トンもの巨大なエネルギー設備を輸送・建設。
プロジェクトの成功は、私の力に懸かっている。
- KAZUYA MIURA
- 三浦 和也
- 関東重機建設支店
重機課 - 2016年入社/工学部卒
『運べないものは、ない』が日本通運のモットーですが、私はその言葉を最前線で体現する部署でキャリアを重ねています。私が入社以来手掛けているのは、重量品輸送の計画と実行。中でも、発電所や変電所に設置される巨大な機器の輸送をメインで担当しています。
重量品輸送の仕事はお客様からの依頼を受けると、出発地から目的地までのルートを検討することから始まります。重量品は、全長が数十メートルにも及ぶ特殊なトレーラーに積載して輸送しますが、問題なく道路を走行できるかどうか、事前に綿密なシミュレーションをすることが必要です。もし、電信柱や縁石など障害となるものがあれば、行政と折衝して一時的に撤去します。入念に準備した上で輸送当日を迎え、夜中の時間帯に細心の注意を払いながら運行し、納入先での据付工事の施工管理まで担います。この一連のプロジェクトの責任者を務め、安全確実に遂行することが私のミッション。実は私が日本通運を志望したのは、この重量品輸送と重機建設の仕事に惹かれたから。大学時代に専攻していた工学系の知識を活かしつつ、スケールの大きな仕事に挑戦できることに魅力を感じてこの仕事を選びました。
※重機建設・重量品輸送とは:発変電所や工場の設備、鉄道車両等、重量品の輸送・設置・組立の事で、特殊な技術やノウハウが要求される。
この重量品輸送は、搬入時の仮設部材の強度計算などを行う力学の知識だけでなく、輸送時に関わる法律の知識、そして現場で設置するための重機建設の知識、何十人という技能職の方々をマネジメントする力などが求められます。多様な能力が必要とされますが、それだけに感じるやりがいは大きいです。入社してからいろいろな経験をする中で、若手にもチャンスが与えられる環境があることを感じ、そのこともモチベーションにつながっています。
入社2年目の終わりには、電力会社のお客様からの依頼で、200tもの巨大な変圧器を首都圏の変電所に輸送するプロジェクトを任されることになりました。既に輸送ルートは決まっていましたが、詳細部分の打ち合わせをお客様と重ね、半年掛けて計画を行いました。当日は変電所から10km離れた貨物ターミナルで変圧器を下ろし、多くの技能職の方々と共にトレーラーに積み込んで出発。私は責任者として先頭を歩き、時速5kmほどでゆっくりと走行するトレーラーに目的地まで立ち会いました。途中、線路を横断する際、鉄道架線とトレーラー上の変圧器の隙間が10cmに満たない箇所があり、数十分かけて慎重に通過。緊張の連続でしたが、自分が立てた計画通りに輸送が完了した時は、本当に大きな達成感を味わうことができました。
このプロジェクトで変圧器を納入した変電所は、首都圏の約半分の電力を供給しており、もし輸送搬入に失敗してしまうと人々の生活に多大な影響を及ぼしてしまいます。社会に不可欠なエネルギーインフラに大きく関わっていることを実感し、改めて自分の仕事の意義を強く感じました。ちなみにこの巨大変圧器の輸送プロジェクトは、テレビ局の密着取材を受け、私のコメントが報道番組内のVTRで紹介されました。こうして世の中に注目される仕事に携われることも、日本通運ならではの醍醐味だと思います。
以降、私は重量品輸送の分野でさまざまなプロジェクトを手掛け、経験値を高めてきました。しかし、まだまだ扱ったことのないものもたくさんあります。今後は変電設備のみならず、工場の産業設備なども手掛けて、さらにキャリアアップしていきたい。そしてゆくゆくは、国内で培った知見をもとに、グローバルでも活躍してみたい。部署の先輩の中には、途上国に赴いて現地でインフラ関連の重機建設・重量品輸送プロジェクトを担っている人もいます。私もぜひ重機建設・重量品輸送のプロフェッショナルとして、世界規模で『運べないものは、ない』を実践していきたいと考えています。