国内の港からここ蒲郡港に鋼材を輸送する内航船の代理店やフォアマン業務に主に携わっています。船舶の代理店とは、船会社の代理として入出港する際の手続きや手配を行う業務。船会社や輸送船の船長と密に連絡を取り、運航状況や天候などを検討して入港のスケジュールを組み、作業の手配を行います。そして、船からクレーンで鋼材を降ろしトラックに積み込む荷役作業を管理するのがフォアマン。現場の総指揮者です。私も当社のユニフォームを着てヘルメットをかぶり、作業員のみんなと現場に立っています。
実はフォアマンは、入社時に自分から志望した職種なのです。当社は総合物流企業としてさまざまな事業を展開していますが、それを最前線で支えているのは現場の作業員の人たち。その現場に一番近いポジションで一緒に仕事をしてみたいと思ったのです。そもそも私は、オフィスでパソコンに向き合っているよりも現場にいる方が好きなタイプ。日焼けがちょっと悩みの種ですが、今はとても充実した日々を過ごしていると実感しています。
内航船ばかりでなく、自動車を海外へと運ぶ外航船のフォアマンを担当することもあります。いつも携わっている内航船が鋼材を降ろす作業なのに対し、この外航船は自動車を積み込むために作業も複雑で、スケールもはるかに大きいのです。
入社1年目、初めて外航船のフォアマンを任された時のことは一生忘れないと思います。作業の開始前、数十人の作業員を前に、フォアマンとしてミーティングを仕切った時は緊張感でいっぱい。作業では現場の責任者に相談することばかりでしたが、それでも経験不足の新人をみんながやさしくサポートしてくれました。最後の1台が積み込まれて無事に荷役が完了した瞬間、緊張から解き放たれて達成感で泣きそうでした。
そんな経験を経て、最近では自分なりに業務をこなせることも多くなり、みんなからの信頼も高まっているように感じます。無事に荷役を終えて岸壁を離れる船を見送る時、そしてお客様に荷役完了の報告をした際に「ありがとうございました」と言われた時の達成感は、フォアマンならではの喜び。最近、「菅生さんに任せれば安心」とお客様に声をかけていただき、とても嬉しかったですね。
現在は、ばら積み貨物（※）に携わっているので、次はコンテナ輸送船のフォアマンに挑戦してみたい。まだしばらくは現場にこだわってキャリアを積んでいこうと思っています。現場に出ると、机に向かっているだけでは得ることができない、プラスアルファの情報をたくさん知ることができます。20トンもある鋼材がクレーンで吊り上げられる様子を間近で見ると、安全に対する意識もさらに高まるのです。
大きな海を目前にして仕事をしているうちに、海上輸送の分野にさらに深く携わっていきたいという気持ちが強くなってきました。海上輸送の魅力は、なんといってもスケールの大きさ。フォアマンの他にもチャレンジしてみたいと思っている職種がいくつもあります。もちろん、日本を代表する総合物流企業に入社したのですから、海外勤務も、航空分野の業務にも関心があります。この先どんなキャリアステップを歩んでいくにしても、今現場で培っている経験が私ならではの大きな財産となると信じています。
※ばら積み貨物：梱包されていない状態で運ぶ貨物のこと。
