INTERVIEW 総合職

目的達成のために手段を検討し実行する。
そのビジネス哲学を胸に、
半導体関連産業のグローバル市場に挑戦中。

営業企画・開発/倉庫

TAKAHIRO YAMAGUCHI
グローバル事業本部営業戦略部
半導体チーム
2009年新卒採用 / 商学部卒

「現場実務」の性格を色濃く持つ倉庫営業。
東日本大震災の支援物資輸送では
「関わる人の想い」も痛感。

#1

入社以来、私はキャリアの大半を国内倉庫領域で重ねてきました。最初の配属は東京の江東区にある倉庫業を主体とする支店。そこで既存業務の営業を担当する他、各種スポット業務を担当しました。倉庫の営業は「現場実務」の側面を強く持っています。たとえば小売業のお客様がバーゲンセールを行う場合、取扱品の品目数や物量を確認し、保管に必要なスペースや入出庫体制を想定、営業担当として見積りを作成しお客様への提案を行います。その後は「現場実務のスキル」が試されます。倉庫現場を立ち上げ、必要人財を募集し、オペレーション体制を組み立て、多くの人と関わりながら実行していきます。計画の全体像を把握しながら、幅広いタスクを着実に実行していく、このプロセスに倉庫営業の醍醐味があると感じながら日々の業務に取り組んでいました。他にも、年次開催される日本最大級のイベント関連物流など、数千坪の倉庫エリアを運用する大型スポット案件が複数存在しており、その時々の提案可能拠点を活用しながらスポット業務の経験を重ねました。ここで学んだ段取りの重要性や内部関係者との連携・意思疎通の大切さ、効率的な運営ノウハウは、私のロジスティクス担当者としての基礎になっています。

これまでの経験の中でも特に印象に残っているのが、東北から関東にかけて甚大な被害をもたらした2011年の東日本大震災に物流の側面から関わったことです。震災直後に支援物資の集約拠点の一員として関わることになり、最初は毛布や食品などの緊急性の高い生活物資、後半は仮設住宅資材などの計画的な輸送が続き、その一部始終を目の当たりにしました。何とか被災地へ、そしてそこにいる人びとに物資を届けたい。そう願いつつ、日々のオペレーションに取り組みました。この経験を通じて、それまでどこか無機質に感じることもあった現場実務への向き合い方が変わり、関わる人の想いを意識し、物流の重要性と責務を考えるようになりました。

目的を実現するために手段を検討し実行する。
ビジネスに必要な3つの要素を貫く基本姿勢。

#2

2017年には当時日本通運最大の物流拠点「Tokyo C-NEX」の立ち上げに携わりました。建物の基本設計や意匠設計に関する初期段階から関わり、効率的なロジスティクス事業を展開できる倉庫拠点にするために、倉庫営業・実務の立場から提案を行いました。並行して新規開拓営業にも力を入れ、大型拠点ならではのダイナミックな交渉の面白さと、約45,000坪もの拠点運営の難しさを味わうことができました。その後、当時の東京ベイエリア支店大井事業所に赴任し、携帯電話などの電気通信機器を取り扱うお客様の現場責任者になりました。当時の同業界の変化は目まぐるしく、取り扱う端末機器の入れ替えサイクルに対応しつつ、ユーザー向けの新たな利用プランが登場する度に倉庫オペレーションを都度見直す必要がありました。現場で日々生じる課題に対応するだけでなく、数カ月先まで見据えた現場マネジメントには多くの苦労がありましたが、お客様や関わるメンバーと密接な情報共有を行い、さまざまな変化にチーム全体で適応していく経験は貴重だったと感じています。その対応過程では、変化を可視化し、リアルタイムに現場の生産性と収支を把握する「日々決算」を徹底し、現場全体の意識改革にも取り組みました。諦めなければ、そして全員でベクトルをあわせて取り組めば、何事もなせることを実感する機会となりました。

こうした倉庫領域での経験を通して、私なりのビジネスの姿勢、哲学を得たと感じています。ビジネスに大切な3つの要素です。一つはチームの大切さ。どんなことも一人では達成できない。メンバーの力を結集し、同じベクトルで取り組むことが成功への必須条件です。もう一つが想定力。倉庫業務では社会情勢やお客様の意向、各種トラブルなどで予定外の事態が生じます。これに対処するには事前にリスクシナリオを想定し、複数の次善策を用意しておくことが必要です。そして最後にコミュニケーション。これは言うまでもありませんね。そしてこの3つの“重要要素”を意識し、実際に実行していくうえで最も大切な基本姿勢は「目的と手段をしっかり分ける」という考え方です。現場実務では「日々決算」のようにリアルタイムで生産性と収支を計算する必要がありました。しかしエクセルに数字を打ち込むことが目的になってしまっては意味がありません。目的は、指標をもって安定的な現場稼働をすることであり、そのために生産性や収支にも向き合う意識改革を手段としました。常に目的を見失うことなく、最適な手段を選択し確実に実行する。たとえ大きなプロジェクトであっても、どんな困難なチャレンジであっても、基本姿勢として忘れてはいけないマインドだと私は感じています。

グローバル市場への展開を見据えて
半導体専門人財の育成に注力。

#3

現在、私はグローバル事業本部の半導体チームで、NXグループの重点取組産業の一つである半導体関連産業のグローバル営業戦略立案と実行に携わっています。これまで日本国内の倉庫領域でキャリアを重ねてきた私にとって、半導体関連産業のグローバル戦略はまったく未知のフィールドへの挑戦でした。半導体チームの一員として、特に私が力を注いできたのが“専門性を備えた半導体ロジスティクスの営業人財”を育成することです。赴任当時、COVID-19を契機とした世界的な半導体不足と、そのサプライチェーンの強靭化が国際諸国の大きな課題となっていました。しかしこの絶好の機会を前にしながら、日本通運内で半導体関連産業の知見を持つ営業人財は50名にも満たない状態でした。そこで、グローバル戦略の立案と併行して、NXグループ内に暗黙知として蓄積されていた知見と、半導体関連産業に関わる先行事例からノウハウを抽出し、組織全体の形式知とすることに取り組みました。ナレッジシェアを図ると同時に、専門人財育成のためのプログラムづくりも進めました。2022年にはグループ内の営業研修として「半導体ロジスティクス研修-基礎編-」、「半導体ロジスティクス研修-応用編-」をカリキュラムとして正規化し、2024年からは、グローバルスタッフ向けのカリキュラム「NX Semiconductor Logistics Training for Global Leaders」として体系化し、対象をグローバル全リージョン向けに拡大させました。

やはり、ここでも心がけていたのは「目的を見失わないこと」です。目的があって、それを達成するために最適な手段を選択し実行していく、これはビジネスの基本ですが、手段が目的化してしまう事例は少なくないのです。専門人財の育成は、半導体のグローバル市場に組織全体でスピード感をもって取り組むための「手段」です。目的は常にNXのロジスティクスをグローバルに拡大させ、半導体関連産業のグローバル市場に貢献できる存在になることです。専門人財の育成と体制構築は、NXの営業戦略を実行していくために必要なステップであり、次のステージへ進むために取るべき手段として捉えていました。現在はNXグループ内でのナレッジシェアも進み、専門人財による体制強化も進んできました。この基盤を活かし、現在はインドとドイツの新たな半導体サプライチェーンをターゲットにした営業戦略を推進中です。インドは国を挙げて半導体事業に力を注ぎ、巨大な投資を行っていますが、高品質な物流で新たな半導体サプライチェーンを支えるためには、インフラの整備状況にも注視する必要があります。このような市場形成の初期段階にこそ、幅広い視野を持つNXが貢献できると考えています。そしてドイツを筆頭とする欧州マーケットに視線を向けると、先行する競合企業を意識した差別化も必要になります。これまでNXグループが進化させてきた半導体関連産業向けのグローバルネットワーク、そして適応性の高いロジスティクスに大きな手応えを感じています。いずれもチャレンジングな取り組みですが、世界中の半導体関連産業にNXが関わり、そして貢献する未来を実現したいと思っています。その実現に向けて、NXグループのグローバルメンバーで連携し、常に最適な手段を議論し実行しながら、グループ全体の挑戦を活発化させていきます。

YAMAGUCHI’S CAREER LADDER

山口 貴大のこれまで
2009
新砂支店
営業として担当顧客のビジネスを支える傍ら、各種スポット業務を担当。ロジスティクス業務の運用ノウハウとビジネスの基本を学ぶ。Tokyo C-NEX の拠点立ち上げと新規営業にも携わる。
2017
東京ベイエリア支店
電子通信機器を取り扱う倉庫の現場責任者を担当。倉庫内オペレーションの設計を見直し、作業効率の改善を進めると共に、現場意識を改革する「日々決算」の仕組みを定着させた。
2019
品川支店
大井新5号倉庫拡販営業に取り組む。事業所運営計画を立案すると同時に営業活動を実施。同一事業所内の複数拠点業務を有機的に結び付けていくことで、常に最大限の結果を狙うマインドを醸成。
2021
グローバル事業本部営業戦略部
半導体チームの一員として、NXグループの重点取組産業である半導体関連産業のグローバルシェア拡大に挑戦中。その実現に向けた手段の一つとして、半導体専門人財の育成にも取り組んでいる。
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