
「現場実務」の性格を色濃く持つ倉庫営業。
東日本大震災の支援物資輸送では
「関わる人の想い」も痛感。
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入社以来、私はキャリアの大半を国内倉庫領域で重ねてきました。最初の配属は東京の江東区にある倉庫業を主体とする支店。そこで既存業務の営業を担当する他、各種スポット業務を担当しました。倉庫の営業は「現場実務」の側面を強く持っています。たとえば小売業のお客様がバーゲンセールを行う場合、取扱品の品目数や物量を確認し、保管に必要なスペースや入出庫体制を想定、営業担当として見積りを作成しお客様への提案を行います。その後は「現場実務のスキル」が試されます。倉庫現場を立ち上げ、必要人財を募集し、オペレーション体制を組み立て、多くの人と関わりながら実行していきます。計画の全体像を把握しながら、幅広いタスクを着実に実行していく、このプロセスに倉庫営業の醍醐味があると感じながら日々の業務に取り組んでいました。他にも、年次開催される日本最大級のイベント関連物流など、数千坪の倉庫エリアを運用する大型スポット案件が複数存在しており、その時々の提案可能拠点を活用しながらスポット業務の経験を重ねました。ここで学んだ段取りの重要性や内部関係者との連携・意思疎通の大切さ、効率的な運営ノウハウは、私のロジスティクス担当者としての基礎になっています。
これまでの経験の中でも特に印象に残っているのが、東北から関東にかけて甚大な被害をもたらした2011年の東日本大震災に物流の側面から関わったことです。震災直後に支援物資の集約拠点の一員として関わることになり、最初は毛布や食品などの緊急性の高い生活物資、後半は仮設住宅資材などの計画的な輸送が続き、その一部始終を目の当たりにしました。何とか被災地へ、そしてそこにいる人びとに物資を届けたい。そう願いつつ、日々のオペレーションに取り組みました。この経験を通じて、それまでどこか無機質に感じることもあった現場実務への向き合い方が変わり、関わる人の想いを意識し、物流の重要性と責務を考えるようになりました。