日通野球部 最新情報

阿部、都市対抗史上5人目となるノーヒットノーラン! 11年ぶりの準々決勝へ

第88回都市対抗野球大会2回戦
2017年7月21日 東京ドーム

2017年7月21日(金) 東京ドーム

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
門真市・パナソニック 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
さいたま市・日本通運 0 1 0 0 0 1 0 0 × 2

スコアボード詳細

マッチリポート

2回戦の相手は、近畿第4代表のパナソニック。その先発は、初戦の三菱自動車岡崎戦で14奪三振で完投勝利を挙げたエース・吉川。中5日と休養も十分の立ち上がりで、日通は2番・浦部、3番・大槻が連続三振を喫した。しかし日通の先発・阿部も、ボールを低めに集め、テンポのいいピッチングでスキを見せない。2回裏、日通は1死から5番・関本が吉川投手の甘いストレートを捉え、打った瞬間、右手を天に突き上げる。ライナー性の打球はレフトスタンド中段に飛び込み、貴重な先制点を挙げた。5回、阿部は先頭打者に四球を与え初めてのランナーを出し、1死から死球で1、2塁にランナーを背負うと、藪監督はすかさずマウンドへ。監督の檄を受け、阿部は連続三振でピンチを切り抜けた。すると6回裏、ここまで2安打に抑えられていた日通は、9番・手銭のツーベース、1番・大谷の死球で1、2塁のチャンスを作ると、頼れるキャプテン浦部が三遊間を真っ二つ。レフト前に転がる打球に、3塁コーチの今村が大きく手を回すと、手銭は快足を飛ばしヘッドスライディング。タイミングは微妙だったが、捕球を焦ったキャッチャーが落球し、吉川から2点目をもぎ取った。2点目をもらって楽になった阿部は7回以降、パナソニック打線を三者凡退に切って取り、最後のバッターを見逃し三振、122球でノーヒットノーランを達成した。阿部は、都市対抗野球88回の歴史の中で、完全試合を含め5人目となる偉業に名を連ねた。

コメント

藪宏明監督

初回、吉川投手のピッチングを見て、これは打てないな…と率直に感じました。さあ、どうやって攻めようかとまず考えましたが、一方の阿部のピッチングを見て、相当調子がいいし、阿部も打たれないんじゃないかと手応えを感じました。終盤までもつれそうだと思った矢先、関本が1球で仕留めてくれて、うちがリードしたまま試合中盤まで主導権を握れたことが大きかったですね。阿部が5回に1、2塁にランナーを背負ったとき、間を取る意味で、マウンドへ気合を入れに行きました。直後に2三振で切り抜けて、結果、ノーヒットノーランで投げきってくれました。今日は阿部のピッチングに尽きます。都市対抗の準々決勝を戦うのは、監督になって初めてです。相手がどこになるかはわかりませんが、準々決勝という舞台で、2014年の日本選手権で0-1で敗れた西濃さんにリベンジを果たせたらと思いますね。

黒沢淳一コーチのコメント

いやあ、阿部はよく投げてくれました。今年の春の九州大会でも(九州三菱自動車戦で)2安打完封。その前の日立市長杯でも(JX-ENEOS戦で)8回まで無失点。阿部本来のピッチングができれば、打たれないピッチャーなんです。ただ、性格が優しく、気持ちが弱くなるときがありましたが、今日は攻め続けたと思います。うちの投手の公式戦でのノーヒットノーラン、初めて見ました(笑)。

阿部良亮投手のコメント(ノーヒットノーラン達成)

本当に出来すぎだと思いますが、後に控えているピッチャーがいいので、最初から飛ばして投げました。相手の打線の特徴はつかんでいましたが、コースよりも高さを意識して、ボールを徹底的に低めに集めました。フライで取ったアウトは4つだけで、あとは全部ゴロに打ち取ることができたのも、狙い通りでした。5回にランナーを背負ったときに監督がマウンドに来て、「試合の中には抑えなきゃいけないシーンが必ずある、それが今だ」と言われ、絶対に抑えようと思いました。あのピンチを抑えて、ノーヒットノーランを意識しました(笑)。でも、記録よりも、試合に勝ててベスト8に進めたことのほうが嬉しいです。

木南了捕手のコメント(阿部をリードし大記録を支える)

ウイニングボールを受けることができたのはキャッチャー冥利に尽きるというか、最後の最後まで、阿部が丁寧に投げてくれたことが、大記録につながったと思います。インコースは厳しく攻めようと話し合っていましたが、とにかくひざ元の高さで勝負しようというプラン通り、変化球も、ストレートもほとんどギリギリの高さで勝負できました。浮いたボールは2球ぐらいしかなかったと思いますが、ボールを受けていて自分も気持ちよかったです。

関本憲太郎選手のコメント(2回裏、先制のソロホームラン)

吉川投手はストレートが武器だとわかっていましたが、前のバッター(北川)に投げてるボールを見て、ストレートに合わせていくしかないと思いました。「いち、にの、さん」でバットを振りました(笑)。キャッチャーは外寄りに構えたと思いますが、ボールは真ん中に入ってきました。たぶん失投だと思いますが、芯で捉えて1球で仕留めることができました。でも今日は、自分よりも阿部がヒーローだと思います。

浦部剛史主将のコメント(6回裏、2点目のタイムリーヒット)

まだまだ自分たちはふたつ勝っただけです。阿部はプレッシャーのかかるマウンドで、素晴らしいピッチングを見せてくれましたが、チームは浮かれることなく、一戦必勝で優勝を目指します。1-0でリードしたまま中盤にさしかかり、次の1点をどっちが取るかで、試合の流れはまったくわからない状況でした。先発の吉川投手はストレートがいいだけでなく、低めのシンカーでもカウントが取れていたので、狙いが絞り切れませんでした。6回のタイムリーは、真ん中寄りのストレートでした。先発投手を引きずり降ろせてよかったと思います。ここから先は自分たちが見たことのない世界ですが、自分たちの野球を信じて、日本一を目指して戦いたいと思います。

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