日通野球部 最新情報

粒ぞろいの投手陣に粘りの打線で、狙い通りに準決勝進出も、1点に涙を飲む

第66回JABA静岡大会
2019年4月3日(木)~7日(日)

2019年4月3日(水)清水庵原球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
永和商事ウイング 0 0 0 0 1 1 0 0 0 2
日本通運 0 0 0 0 4 0 2 1 × 7

2019年4月4日(木)清水庵原球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本通運 1 0 0 3 1 3 0 0 0 8
JR東海 2 0 1 1 0 0 0 0 0 4

2019年4月5日(金)清水庵原球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
日本通運 0 0 0 0 0 1 1 0 1 1 4
日本生命 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 3

(大会規定により延長10回からタイブレーク)

準決勝
2019年4月7日(日)浜松球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本通運 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
王子 0 0 0 0 1 0 0 0 × 1

スコアボード詳細

マッチリポート

今季最初の公式戦となる静岡大会に臨んだ日通。予選Cブロックの初戦は、永和商事ウイングとの対戦となった。日通の先発は、17年の都市対抗野球でノーヒットノーランの快投を演じた、今年5年目の阿部。4回までは両軍1安打ずつという静かな展開で進むが、5回表に先制点を許した途端、日通の強烈な反撃が始まった。その裏2死満塁から2番・手銭の渋い内野安打と3番・関本の2塁打で一挙4点を奪い逆転。7、8回にも4安打、4四球を絡めて3得点。9回に登板した髙山が3人とも外野フライの三者凡退に抑え、終わってみれば7-2で初戦をものにした。

2戦目はJR東海戦。先発は、JR東海がサイドスローの川本投手、日通はアンダースローの和田の投げ合いになった。先攻の日通は、初回先頭・稲垣の四球、盗塁、4番北川の安打で、幸先よく1点を先取する。ところが、これで試合は落ち着かない流れになる。その裏、日通は3つのエラーを犯し、2失点。3回に3四球を献上してさらに1失点。4回表に3塁打と2本の2塁打で3点を奪い4-3と逆転するのだが、その裏には追いつかれてしまう。そんな勝利の女神がどちらに微笑もうか迷っている状況のなか、3回途中からマウンドに登っていた庄司を4対4の4回裏2死で救援した池田が、試合を落ち着かせる。この回の打者1人を討ち取ると、5回から8回までの4イニングを1安打1四球に抑えきる。この間に日通は、5回に決勝点をもぎ取り、6回にダメ押しの3点を加えて8対4。9回は初登板の期待のルーキー釘宮が2つの三振を奪い、しっかりと試合を終わらせた。

3戦目は2勝同士の日本生命との戦い。日通の先発は、早く投げたいと、はやる気持ちを隠さない相馬。そのせいか、初回裏にいきなり2連打を食らい、2回裏にも走者を出す。このピンチをいずれもダブルプレーで切り抜けるが、不安定なまま3回につかまり3失点。しかし4回以後立ち直り、7回まで無失点に抑えた。日通は6回、7回に押し出しで1点ずつ返し、じわじわ追い上げる。だが悔しいことに、両回とも1、2回のお返しのようなダブルプレーで追加点が入らず、ベンチに暗雲が漂い始める。とにかく同点にと意気込んだ9回も、簡単に連続三振に倒れ、2死無走者。最後の最後に登場したのが、代打・藤嶋だった。初戦も代打でヒットを打っているだけに期待の高まる中、1ボールからの2球目を強振。行ったーとベンチもスタンドも湧いた大飛球がライトスタンドに向かう。ホームランにこそならなかったが、これが2塁打となり、今大会ここまで5安打5四球と好調の関本に繋がった。そして粘って7球目を捉えレフトへタイムリー。日通はついに3点差を追いついてみせた。10回からは、無死走者1、2塁の状態で始まるタイブレークに突入。日通は犠牲バントとスクイズで1点を確保し、8回から登板していた釘宮が、3イニング目も落ち着いて3つのアウトを取り、準決勝進出を決めた。

準決勝の相手は、Bブロックをわずか1失点で勝ち抜いた王子。日通は初戦で好投した阿部が2度目の先発マウンドに立ち、4回を四球ひとつという快投を見せる。だが、先攻の日通も5回まで王子先発の中内投手にわずか1安打に抑えられ、あっという間に5回裏の王子の攻撃を迎えた。ここで2安打を打たれるが、2死1、2塁までこぎつけ、迎えたのが9番打者。気を抜いたわけではないだろうが、なんと痛恨のセンター前へのタイムリーを許し1失点。日通は、8回に連打するなどして必死の反撃を試みるが及ばず、そのまま0対1でゲームセット。相手を4安打に抑え前回以上の出来で気をはいた阿部の好投は報われなかった。

コメント

藪宏明監督

オープン戦を戦いつつ調整し、いい状態でこの大会に臨みました。ですが今年最初の公式戦ということで、永和商事ウイング戦の前半は、さすがに選手の動きが硬かったですね。4回までお互い1安打でしたか。いいピッチャーだと打てないこともありますし、それは想定内の展開でした。要は、ピッチャーを中心にしてしっかり守って、できるだけ失点を少なくして勝つこと。11対10で勝つより、1対0で勝つ方がいい、これが私の考えです。この試合、阿部はあれだけよかっただけに、6回は物足りないものがありますね。変化球のタイミングで待っているのがわかって、途中からストレート中心に切り替えたのはいい選択でした。でも追い込んだところでまた変化球を投げて打たれた。ここはストレートで押さなくてはいけません。これからの課題ですね。

ミスがあるのが野球ですが、2戦目は最初にそのミスが出て、こういう試合になりました。ただ、そのミスをカバーできたことがこの試合の収穫です。とにかく監督というものは、いつも最悪な状況を考えているんです。常に「ここは打たれるな」と思って見ているんですね。いい状況を考えていると、最悪な状況で対処が遅れてしまいますから。今日先発した和田は、ここに来るまではずっと良かったので、2戦目に決めました。緊張があったのか、そのうえでエラーが出て自分のピッチングができなかったんでしょう。でも、期待しているんです。先発の柱の一人になってほしいです。池田が良く投げて試合を落ち着かせてくれましたが、欲を言えば、もうちょっとボール球を減らしてほしいです。悪い流れを止めるピッチャーがいるかどうかがチームにとって重要なことなので、今日の池田はちゃんとそれをやってくれた。明日はうちが勝つと思いますんで、また投げる機会はあります。

日本生命との戦いでは、先に3点取られてしまいました。これはきついなと思いましたが、5点、6点ではないですからね。とにかく1点1点どうやって取っていくか。それを、選手も私も考えて戦いました。相馬が立ち直ったのが大きかったし、相手投手のボールがいいので、後半勝負だぞ、1球でも多く粘れと指示を出しました。その結果5回で90球を投げさせることができ、6回にマウンドから降ろすことができた。タイブレークは、もちろん想定内でした。ノーアウト1、2塁の状況では、先攻はとにかく点を取らなきゃいけない。相手のピッチャーがいいので、バントとスクイズで行くぞと選手には言っていました。そこで1点が取れた。あとは釘宮に任せる。試合前からそう考えていました。

準決勝の王子戦。負けちゃいましたから、腹の中では怒っています。でも0対1ですから、ピッチャーはよく踏ん張ったと思います。この試合のようなこともある。これが打線なんですね。相手が4安打、うちが5安打。打てない時はこんなものです。ここで優勝して長野大会へという形にしたかったのですが、投打とも状態はいいので、もう一度気持ちを切り替えて長野に向かいます。

手銭竜汰選手(永和商事ウイング戦、5回に逆転打)

試合が淡々と進む中で5回に1点を取られました。ちょっと流れが悪いなと思っていたところで、ツーアウト満塁の状況で打席が回ってきました。三振では何も起こらない。自分は足があるんで、とにかく前に飛ばそうと考えていました。かなり詰まった打球になっちゃいましたけど、ファーストの上を越えてくれという気持ちで走りました。去年からスイッチヒッターをやめて左打ち一本にしたんですけど、自分としてはそれが良かったと思います。逆転打は打ちましたが、今日の内容にはまったく納得していません。試合はこのあとも続くので、気持ちを入れなおして、チームの勝利に貢献したいです。

阿部良亮投手(永和商事ウイング戦、先発で6回2失点の勝利投手)

前半はよかったです。特に右バッターへの外のストレートが一番良かったと思います。でも、後半ですね。それまではストレートで勝負できていたんですけど、回を重ねるうちに、勝負球にした変化球が相手バッターが合わせられてきたんです。そのあたりが課題として残りました。6回100球はいってるかと思うんですけど(投球数107球)、ヒット6本で、9三振ですか。これだけ三振を獲れたのはよかったです。自分としてはもう少し球数も回数も投げたかったですけど、監督にはつかまったと見られたんでしょう。次に投げる試合では、もうちょっと行きたいと思います。(準決勝の王子戦で好投も1失点で惜敗)

池田望投手(JR東海戦、3番手で4回3分の1を無安打)

ちょっと荒れていて同点にされてというような試合のときは、集中して先頭バッターを取るのが大事だと考えています。ピンチの場面に出ることが多いですから、緊張しないようにしています。もう29歳ですから、緊張して自分の力が出せないのではもったいないですからね。どうしても困ったときは、それでファウルを取れるような強い真っ直ぐを投げれらるようにということを、元日本ハムの武田さんに教わりました。球速も上がりました。150キロは出ませんが、去年149キロが出ました。今日は144~146キロでしょうか。速いボールを投げようとして力むと、150キロでも打たれます。平常心で投げれば、140キロでも打ち取れます。そんな気持ちを持って野球を楽しんでいます。

北川利生選手(JR東海戦、2安打3打点)

6回はツーアウト1、3塁の場面でセンターオーバーの2塁打でしたが、僕の場合、場面に関係なくフルスイングなんです。4番という打順は、自分の結果が勝負を左右することが多いですよね。自分が打てば、勝つ確率が上がるわけです。それに、自分が変に当てに行くような腰が引けたバッティングを見せたらチームの士気が下がりますから。目指す野球はホームランを打つこと。大事にしている言葉は、ホームランを狙ったスイングを試合でいつもすること。これです。これからも変わりません。

釘宮光希投手(日本生命戦、タイ・ブレークで勝利投手)

早く投げたいなと思っていたら、4日のJR東海戦の9回に投げさせてもらいました。そしてこの日本生命戦。自分ではまた投げるんじゃないかと思っていました。タイブレークとは考えないで、通常のノーアウト1、2塁の気持ちでいきました。自分のピッチングは、ランナーを出してから粘って点をやらないのが持ち味です。あの10回は、ど真ん中まっすぐで、あまり細かいことは考えないようにしていました。タイブレークの状況はいやだなんて思いません。メチャ楽しかったですよ。

相馬和磨投手(日本生命戦、先発で7回3失点)

序盤はちょっとボールが高かったのもあるんですけど、ストレートを投げるときに癖が出ているんじゃないかと指摘があったんです。それで3回までに7安打3失点。でも4回からはそれを消したんです。そうしたら、7回まで被安打ゼロでした。癖が直接関係あったのかはわかりませんけれど。去年までリリーフで投げさせてもらっていたんですが、今年からは先発にまわりました。リリーフは完璧にゼロじゃないといけませんが、先発は、ゼロでなくても最少失点に抑えていれば、やがて味方の援護がある。だから、ゲームを作ることを意識して投げるようにしています。左バッターにはシュート。右バッターにはスクリューボールが決め球です。

関本憲太郎選手(王子戦、2安打、4試合で8安打5四球4打点)

確かに打ってはいますけど、もう少し長打が欲しいのと、いい場面で打たないとだめです。フォアボールも多いけど、足がないんで出塁してもかきまわせないんです。去年がダメで、今年も春先、全然よくないんです。それでも監督が使ってくれていることで、何かつかんだような気がしています。それが今大会の成績に繋がってるのかもしれません。しかし0-1負けは悔しいです。王子が3試合で1失点のチームだと言っても、勝てると思って戦っていましたから。長野大会、もっと調子を上げて、がんばります。

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