日通野球部 最新情報

5試合中3試合をコールド勝ちで大会制覇 秋の日本選手権の出場権も獲得

第72回JABAベーブルース杯争奪全国社会人野球大会
2019年5月2日(木)~7日(火)

2019年5月2日(木)大垣北公園野球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本通運 0 0 1 0 1 0 0 1 1 4
三菱自動車岡崎 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1

2019年5月4日(土)大垣北公園野球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
信越硬式野球クラブ 0 0 0 2 0 0 0     2
日本通運 0 3 3 3 0 1 ×     10

(大会規定により7回コールド)

2019年5月5日(日)長良川球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
Honda鈴鹿 0 0 0 0 0 0 0     0
日本通運 0 0 0 5 6 0 ×     11

(大会規定により7回コールド)

【準決勝】
2019年5月6日(月)長良川球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
西濃運輸 0 1 0 1 0 0 0 1 0 0 0 3
日本通運 0 0 1 1 0 1 0 0 0 0 4

(決勝トーナメントは10回終了時で同点の場合、11回からタイブレーク)

【決勝】
2019年5月7日(火)長良川球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
ヤマハ 0 0 0 0 0 1 0     1
日本通運 7 0 1 5 0 0 ×     13

(大会規定により7回コールド)

スコアボード詳細

マッチリポート

元号が令和となった直後の5月2日から岐阜で開催されたベーブルース杯争奪大会で、日本通運が優勝した。予選リーグ3試合、決勝トーナメント2試合の計5試合のうち、決勝戦を含む3試合でコールド勝ちという強さを見せた。4月、静岡、長野と続いたJABA地方大会はいずれも準決勝で敗退していただけに、その悔しさの大きさを感じさせるほどの勝利だった。この結果、昨年出場を逃した秋に開催される社会人野球日本選手権(京セラドーム)への出場権も獲得した。

予選グループDブロック初戦は、大垣北公園野球場での三菱自動車岡崎戦。先攻の日通は、死球と四球で無死1、2塁とするも、後続の3者が凡退。日通側観戦者の脳裏に、4月の悪夢が微妙に頭をもたげる。その思いのままに迎えた初回裏。三菱自動車岡崎の先頭打者がいきなりの振り逃げ。2番が右前安打、3番が送ったあとの2死2、3塁で、5番が中前へタイムリー。あっさりと先制を許した。悪夢がさらに大きくなった2回表、先頭が死球、次打者が左前安打でまたもや無死1、2塁。ところが、ファウルフライと併殺で、ここも無得点に終わる。しかしここから藪監督の教えである守りの野球の真髄が発揮され、先発・釘宮が6回まで粘りのピッチングを展開。続く池田、庄司、相馬の継投で残りの3回を0に抑え込んだ。この間、3回にヘッドスライディングでセカンド内野安打を奪い取った手銭を、2死から6番の諸見里が内野安打で返して1-1の同点。5回に北川が犠牲フライを打ち上げノーヒットで逆転。8、9回にも2死から1点ずつを奪い、4対1で悪夢を振り払った。

1日空いての5月4日は、やはり大垣での信越硬式野球クラブ戦。電電信越時代からの長野県の古豪で、昨年の都市対抗にも2年ぶりに出場したが、優勝した大阪ガスと初戦で当たる不運に散っている。日通先発の和田が初回表、2安打されるも併殺で凌ぎ、2回裏の日通の攻撃へとつなぐ。ここで2死から四球、左前安打と粘り、8番・浦部の3ランがレフトスタンドに飛び込んだ。さらに3回には、6、7番の適時打と8番の犠牲フライで3点追加。4回表に信越の5番・泉澤選手の2ランで詰め寄られるが、その裏、2本のツーベースを含む4安打と盗塁などを絡め、3イニング連続でスコアボードに3の数字を並べる。これで9対2の7点差。コールドゲームとなる7回まであと3イニングとなり、必死の意気込みを見せる信越球団も5回、6回とチャンスを作るが無得点。その中で6回裏、日通は4番の北川がバックスクリーンに豪快に放り込む一発で10対2。これがとどめとなった。

5月5日、長良川球場へと場所を変えた3戦目のHonda鈴鹿戦は、決勝トーナメント進出をかけた一番となった。3戦全勝でなければ準決勝に進めない日通の先発は阿部。持ち前の粘りのピッチングで4回表まで被安打3、与四球2に抑え込む。だが相手の瀧中投手はそれ以上に快調で、3回を終えて5三振のパーフェクトピッチング。だが大きな舞台転換は4回裏にやって来た。先頭・大谷の右前安打から始まった日通の攻撃は、5安打2四球で打者一巡し、一挙5点のビッグイニングをつくった。続く5回も2番・手銭の3塁打に始まり、1四球を挟んだ5連打。その5本目は藤嶋の満塁本塁打という派手さで6点を奪取。計11対0。7回の1死1、2塁で上位打線を迎えるピンチを庄司が抑え切り、2試合連続のコールドゲームとなった。

決勝トーナメントに入っての準決勝は5月6日の第2試合で、地元東海地区の強豪・西濃運輸との対戦となった。崩れそうで崩れない先発・釘宮が、2回、4回を1失点ずつで凌ぐ粘投。日通はその都度追いつくが勝ち越せないじりじりした展開で迎えた6回裏。浦部の今大会2本目の本塁打でついに1点をリード。流れとしてはこのまま3対2で終わる雰囲気だったが、「共創」を今季のスローガンに掲げ、あきらめない野球の西濃運輸は8回に粘り腰を見せ、2死無走者から3、4番の2人で1点をもぎ取る。そのまま3対3で試合は延長に入り、11回から無死1、2塁から始まるタイブレーク方式に突入。日通のマウンドは、8回表の2死からの左腕・相馬。西濃運輸に対し、バントで1死2、3塁とされるが、次打者のバットをへし折りセカンドフライ。3アウト目はショートゴロでしめる。その裏、日通は1死2、3塁から連続の四球を選び、サヨナラ勝ちで、ついに決勝に進出した。

準決勝終了直後からの雷雨で5月7日に順延された決勝戦の相手は、ここまで4試合でわずか3失点、準決勝はコールド勝ちという超難敵ヤマハ。誰もがハラハラドキドキ、時にはイライラ、そんなロースコアの接戦を予想していたはずだ。先発は日通が28歳の池田望、ヤマハがブラジル出身で30歳となるフェリペ・ナテル。その池田は、1回表を内野ゴロと2三振で三者凡退に打ち取った。予想通りの静かな試合になると思われた1回裏に、予想もしない展開が訪れた。1番・大谷、2番・手銭の連続安打。3番・関本が初球からキッチリと送り、藪監督が「この試合の流れが決まる大きなポイントでした」と試合後に述懐した4番・北川の打席を迎えた。その左前安打で大谷が生還し、先制点が入る。この後2死からの4連打と木南の3ランで、いきなりの7点。3回に藤嶋が今大会2本目となる右中間へのソロ本塁打。4回には浦部が今大会3本目で最高殊勲選手賞を決定づけるレフトスタンドへの満塁本塁打を放つなどで5点、4回終了時点で合計13点。6回に1点を失うが、池田が一人で7回を投げ抜いて、決勝でコールドゲームの勝利。日通が本大会初優勝の栄光をつかみ取った。

コメント

藪宏明監督

優勝できました、ありがとうございます。決勝の結果は13対1でしたが、勝敗は紙一重の差だったと思います。今日の試合のポイントは初回、北川に先制打が出た、あそこですね。もし打てなかったら、次打者の稲垣にものすごい重圧がかかります。そこで打てば、結局はこんな展開になったかもしれませんが、打てなかったとしたら今度はヤマハさんが勢いをもって攻撃してくるわけで、こんな点差にはならなかったでしょう。うちの勢いをヤマハさんのピッチャーが止められなかったわけですが、展開が少し違ったら、うちのピッチャーがヤマハさんの勢いを止められなかったかもしれない。あちらもそういう打線なんです。大差で優勝ってことを喜ぶのではなく、なぜこの点差になったか、そこを考えないと次に生きないと思います。ただ、初回に7点が入ったことで気を抜くようなことはありませんが、早く7回にならないかと考えたのは事実です。コールドまで長かったですね。選手も野球の怖さを分かっていますから、こんな点差になっても、「しっかり守っていけ」という言葉がベンチからずっと出ていたので、その点では安心していました。そこに浦部の満塁ホームランが出て13対0。あれでやっと少しほっとできた気がします。先発の池田は、前日に決めた通りで、試合が順延になっても代える気はありませんでした。彼で行けるところまでと思っていましたが、結局その必要もなかった。よくやってくれました。
初戦の三菱自動車岡崎さんには、初回に先制されましたが結果的にその1点ですんだ。全体的にうちはよく守ったと思います。逆に相手は守れなかった、そういう試合でした。試合前に「とにかく守りからいけ」と懇々と話したので、こういう試合ができてよかったと思います。流れを変える意味で先発を試してみた釘宮は、少しずつ怖さがわかって来たんじゃないでしょうか。
第2戦は、関本が2塁打を1本打って、北川が3安打1本塁打。やはり3、4番があれだけ打ってくれれば、監督は楽ですね。先発の和田は、もっともっとやってほしいです。やれると思うんですが、ちょっとピリッとしません。かなりの期待を持っているんですが。
3戦目、相手の瀧中投手には以前、勝ちはしましたがタイブレークまでもつれたことがあります。今回、打線のひと回り目がパーフェクトに抑えられて、まずいなと思いました。4回に先頭の大谷がヒットを打ったことで、流れがこちらに来ました。あの回、木南の5点目も効きましたが、それより大きいのは、無死1、2塁での関本のバントが併殺にならずランナーが残ったことです。そこで北川が四球を選び、稲垣が追い込まれながら2塁打を打ってくれました。
準決勝は3-2で終わりそうでしたが、終盤の8回に追いつかれました。本当のシーソーゲームで、流れが行ったり来たりしたので、しんどかったですね。手銭のバックホームが高くいって同点になりましたが、9回は北川がバックホームで刺してくれた。勝負所でアウトが取れて守りきれました。追いつかれたところで相馬が相手の勢いを止めてくれた。あのピッチングもよかったです。
優勝できたことで秋の日本選手権の出場も決まり、安堵しています。しかし私の頭の中は、6月の都市対抗予選に切り替わっています。さらに難しい、厳しい試合になりますから、今この瞬間は優勝した直後で笑っていますが、次にお会いするときは、笑顔などないと思います。

浦部剛史選手(今大会3本塁打で最優秀選手賞)

決勝では、もちろん絶対に勝つ気持ちで臨みました。相手のヤマハさんの打線もすごくいいんです。ひとつ間違えれば逆の展開になっていたことだって考えられますから。力の差は全然ないです。初回になんとかつないでいけたことが、こういう展開になったと思います。決勝での満塁本塁打、最高殊勲選手賞なんて、最高の結果になってくれましたけど、なんとか勝ててよかったという気持ちのほうが強いです。静岡、長野大会での準決勝敗退がすごく悔しかった。これで少しはうっぷんをはらせたかなと。選手だけじゃなくて、トレーナーやアナライザーや、たくさんの人たちが選手のためを思い、日々頑張ってくれているので、みんなに「ありがとうございました!」と言いたいです。

諸見里匠選手(大会通算打率4割7分1厘で首位打者)

なんでこんなに打てたのかわからないです。大学(國學院大)時代は、守備はともかく、バッティングはそんなに得意じゃなかったんです。社会人1年目の昨年から、いろんな方々からしっかりと教えていただいているためでしょうか、この地方大会(静岡、長野、ベーブルース杯)では、いい感じできていました。ただ、長野大会でけがをしてしまってチームに迷惑をかけました。2大会連続の準決勝敗退は悔しかったです。だから今大会で活躍して、優勝にも貢献できて、うれしい気持ちでいっぱいです。

池田望投手(決勝戦で先発、7回を3安打1失点)

ほかのピッチャーはみんな今大会で投げていたので、前日に先発を言われたときから、この決勝は最後まで投げ切るつもりでした。準決勝は長い試合で天気も悪かったので、順延になったのはラッキーでした。この好投はそのおかげかもしれません。今日はスライダーが良かったですね。ストライクは取れたし空振りは取れたしで、けっこう自由に操れました。まさかこんな展開になるとは思いませんでしたが、逆に1点ずつ返されたらいやだなという感じもあったので、とにかく先頭打者を出すまいと心がけていました。自分で崩れなければそれなりに投げられる自信はあります。正直、優勝が決まってよかったな、くらいの思いしかないですね。こんなに楽に投げられたのは野手のおかげなので、野手のみんなにありがとうございますと言いたいです。

木南了選手(決勝、初回に3ランホームラン)

長野大会で2ランを打った時のようないい風が吹いていましたし、決勝でもあるし、何かを起こそうと思っていました。そこで初回の3ラン。最高の結果になってよかったです。しかし、8点差になった次の打席で送りバントをしましたけど、あれが僕の本来の仕事だと思っています。ほかのバッターの調子がいいので、そこさえしっかりやっておけば、みんなが何とかしてくれますから。次の1点がすごく大事ですからね。相手はヤマハさん、打ち始めたらどうなるかわからないチームです。自分たちがやるべき、守りから入る野球ができたことが優勝につながったと思います。でも、気持ちはすでに都市対抗予選に向かっています。そこでも今回のような野球ができるように、しっかり準備しようと思います。

藤嶋宏俊選手(大会2本塁打、決勝でも貴重な1本)

打席での自分の意識としては、常に反対方向の左中間なんです。Honda鈴鹿戦と決勝のヤマハ戦で打った2本のホームランは、いずれも引っ張って右のフェンスを越えましたが、無理やり引っ張り出すと打てなくなるとわかっているので、あのときも意識はちゃんと左にありました。それはそれで納得しています。決勝のホームランは狙っていました。やっぱり7-0より8-0ですね。たまたまいいところで、いいところに打てました。優勝できてうれしいですし、自分でも結果が出せたので、なおさらです。去年は日本選手権出場を逃していますから、あの予選の苦しさを考えたら、ここで優勝できて出場権が取れて、最高です。それに、諸見里のような若い選手が首位打者を取ってくれたのもうれしいですね。都市対抗も出場できるように、逆方向を忘れずにがんばります。

北川利生選手(信越硬式野球クラブ戦でとどめの本塁打)

今日はシングルに2塁打にホームランと3本打ちましたが、まだ信用しちゃダメです。ちょっとだけ、タイミングの取り方をつかみかけただけですから。長打になるようなタイミングで打ちにいけたかなとは思います。まだ迷いながらなので、完成形ではないです。今日の6回に出た10点目になるホームランも偽物みたいなものです。本物は次の試合かもしれません。(Honda鈴鹿戦では4回に貴重な四球を選び、決勝戦では試合の流れを手繰り寄せる先制タイムリーを放った)

手銭竜汰選手(三菱自動車岡崎戦、2内野安打で出塁、同点と決勝の生還)

2本の内野安打と2四球で出塁しましたけど、自分としては、4打席目の三振が気に入りません。もっと広く構えてカットできないと。三振はダメです。相手の秋山投手はストレートがいいので、それに負けないでいこうというのがチームの方針でした。自分としては、追い込まれてゴロを打って内野安打を奪うのがスタイルですから、そういう意味では今日は2本取れたのがよかったです。4出塁、2得点、1打点ですか。僕の仕事はできたけど、まだまだ上があります。期待してください。

釘宮光希投手(三菱自動車岡崎戦、6回1失点で勝利投手)

静岡大会で任された抑えの役も面白かったんですけど、自分としては、変化球でカウントを取っていけるし、真っ直ぐでファウルを打たせるというスタイルなんで、先発向きじゃないかと思ってます。今日先発させてもらい、チームが勝って勝利投手にもなれましたが、6回で6本もヒットを打たれたので、内容は気持ちよくないです。特に1、2回はヒットは打たれる四球は出すで、1失点ということで、ちょっと苦労しました。キャッチャーの木南さんに、多少ストライクが入らなくてもカーブを使っていこうと言われて、何球か試してみました。あまりストライクに取ってもらえませんでしたが…。6回で88球、今日は野手の方たちに助けられました。チームは完璧、個人としては満足していない。そういう試合でした。

和田悠祐投手(信越硬式野球クラブ戦、先発で勝利投手)

コールドになる点数をもらっているのですから、連戦ですし一人でも投手を温存しておきたいところなので、7回まで投げ切るのが自分の責任でした。自分としては、体調も含めてあまり調子が良くないなかで、がんばろうとしていたんですけど、4回の5番・泉澤選手へのあの1球です。もっと丁寧に投げて、ホームランはもちろん、長打にならないボールを投げなければいけない場面でした。それをとらえられて2ランになってしまった。3回まで3安打は打たれましたが奪三振5個で抑えていて、自分の感覚では集中できていました。5回でコーチから交代を言われました。納得はしていませんが、自分が悪いというのはわかっています。だからもっともっと上げていきます。頑張ります。

受賞

日本通運 JABAベーブルース杯争奪全国社会人野球大会 初優勝
最優秀選手賞 浦部剛史内野手
首位打者賞 諸見里匠内野手 20打席17打数8安打 打率4割7分1厘

ギャラリー

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