日本通運

MATCH REPORT

試合結果詳細

第88回都市対抗野球大会
南関東二次予選2017.06.01~04

ゼットエーボールパーク・ZOZOマリンスタジアム

南関東第一代表決定戦で4ホーマー!都市対抗42回目の出場を果たす

VS.柏市・YBC柏

2017年6月1日(木)ゼットエーボールパーク

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
さいたま市・日本通運 1 1 0 0 0 0 2 2 1 7
柏市・YBC柏Y 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1

投手

日本通運
池田-井口
YBC柏
花ケ崎-田山-直塚

VS.千葉市・JFE東日本

2017年6月2日(金)ZOZOマリンスタジアム

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
千葉市・JFE東日本 1 0 0 0 0 0 1 0 0 2
さいたま市・日本通運 0 0 0 0 2 0 1 0 × 3

投手

JFE東日本
中林-幸松
日本通運
髙山-庄司

VS.春日部市・オールフロンティア

2017年6月4日(日)ZOZOマリンスタジアム

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
春日部市・オールフロンティア 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2
さいたま市・日本通運 0 0 3 0 3 1 0 0 × 7

投手

日本通運
阿部-庄司-和田-池田-髙山
オールフロンティア
西岡-佐伯-稲葉

本塁打

日本通運
関本(2ラン)、藤嶋(ソロ)、北川(ソロ)、木南(2ラン)

マッチリポート

さいたま市・日通の初戦の相手はYBC柏。日通は5年目の右腕、池田をマウンドに送る。初回、2番・浦部のヒットと4番・北川のタイムリーで1点先制したものの、池田はその裏、3本のヒットから1点を失う。しかし2回、7番・高橋の2塁打からチャンスを作り、9番・手銭の犠牲フライで再び1点リード。池田は5回まで毎回先頭バッターにヒットを与えるが、バックの堅い守備に守られ追加点を許さない。試合は2-1のまま膠着するが、終盤の7回、北川を1塁に置き、5番・関本がレフト線に痛烈な当たり。北川が一気にホームを踏み、関本も3塁を狙うと、キャッチャーの3塁への悪送球で関本がホームを駆け抜け4-1と勝ち越し。8回にも浦部、3番・大槻の連続タイムリー、9回は代打・佐藤にもタイムリーが飛び出し7-2とすると、最終回は井口が3人でピシャリ。17安打の猛攻と堅い守備で幸先のいいスタートを切った。
翌日は準決勝、千葉市・JFE東日本との対戦。強風のZOZOマリンスタジアムのマウンドには、安定感抜群のエース髙山。しかし髙山は初回、先頭打者に2塁打を打たれ、次打者の送りバントを3塁に悪送球、自ら1点を献上した。すぐに反撃したい日通だったが、JFE東日本の中林投手の緩急を使ったピッチングに的を絞れず、4回までノーヒットに抑えられる。5回裏、ストレートに的を絞った日通打線は8番・木南から5本のヒット。海風に内野フライが流されるラッキーも重なり、2点を奪い逆転。7回に同点に追いつかれるが、その裏、頼れるキャプテン浦部は、自らの守りのエラーと走塁ミスを帳消しにするタイムリーを放ち、再び1点リード。9回2死まで力投した髙山は最後のバッターに四球を与えると、藪監督は新人の左腕・庄司をマウンドに送る。庄司は期待通りセカンドフライに打ち取りゲームセット。第一代表決定戦に駒を進めた。
その相手は創部2年目の春日部市代表・オールフロンティア。新日鐵住金かずさマジック、ホンダという南関東の強豪チームに勝って第一代表決定戦に臨んできた。日通先発は満を持して阿部。しかし制球の定まらない阿部は立ち上がりから球数が多くなり、3回2死から3連打を浴びて2点を失った。オールフロンティアの勢いを止めたい日通は4回、先頭の2番・浦部が初ヒットで出塁したが、続く大槻がセカンドゴロでダブルプレー。一度はチャンスをつぶしたが、4番・北川が粘って四球で出塁すると、5番・関本は3球目を左中間に特大の2点アーチ。同点に追いつき勢いづく日通は、続く5番・藤嶋が初球を叩くとバックスクリーン直撃の勝ち越しホームラン。一気に試合をひっくり返した。追加点がほしい日通は6回、先頭の北川がフルカウントから左翼席へホームラン。続く好調・関本が右中間を痛烈なライナーで破って出塁すると、8番・木南が左中間スタンドへ2ランホームラン。6-2とリードを広げた。7回にも北川のタイムリーで加点した日通は7回、先発・阿部から庄司、和田の新人リレー、池田へとつなぎ、8回からエース・髙山が締めて7-2の快勝。南関東第一代表として3年連続・通算42回目の本大会出場を果たした。

コメント

藪宏明監督のコメント

初戦の先発投手は直前まで悩みましたが、失点しないことを重視して池田にマウンドを託しました。5回まで毎回先頭打者を出しましたが、四球ではなく、アンラッキーな当たりが続いたので、5回の無死3塁の場面でも「スクイズで1点取られても同点になるだけだから気にするな」と声をかけました。スクイズを見破って無失点で戻ってきてくれて、期待に応えてくれました。2-1のまま6回を終了した時点では、終盤に阿部の登板も考えましたが、7回に関本がタイムリーを打ってくれたところで勝負ありでした。7-1という結果だけ見ると打ち勝ったように見えますが、うちの守り勝ちの試合でした。
準決勝の相手、JFE東日本は先発の中林投手が素晴らしいピッチングで、ノーヒットノーランも覚悟しました。5回裏に1死1、3塁のチャンスを作って、バッターは手銭。さあ、どう攻めようかと思っていたら、いきなり内野フライを打ち上げてしまいました。それが風の影響でフェアグラウンドに落ちるヒットで、うちにも運が巡ってきたと思いました。球威が少し落ちてきた真っすぐを狙っていこうとベンチで決めて、5連打で逆転してくれました。スコアボードにはうちのエラーが3つ付いてしまいましたが、初回に送球ミスした髙山はきっちりゲームを作ってくれましたし、6回にエラーした浦部も2本のタイムリーを打ちました。ミスはしないに越したことはありませんが、起きてしまったミスは全員で取り返すことをチームの課題にしてきましたから、それができた勝利は、とても意味が大きかったです。
第一代表決定戦は、新日鐵住金かずさマジックを5-1、ホンダを3-1で破って勝ち上がってきたオールフロンティア。昨年、登録された企業チームですが、この勢いがどこまで続くか、正直不安でした。いつものホンダさんとやるのとは勝手が違う試合になって、案の定の序盤にリードを許しましたが、バタバタしないように気持ちを落ち着けました。4回に浦部が初ヒットで出た後、大槻の打席で送りバントか、ヒットエンドランを仕掛けようかと思いましたが、結局そのまま打たせてダブルプレー。しまったと悔やみましたが、北川がよく四球を選んで、関本の同点ツーランと、藤嶋のホームランで逆転してくれた。僕の判断が中途半端なところを選手に助けてもらい、本当にうれしかったです。特に関本ですね、あの一本は貴重でした。投手は阿部のあと、庄司、和田、池田の順番は決めていました。リードしていたら最後に髙山ということも頭にありました。
思い返せば、2年前のこの南関東大会で1年目の大谷、藤嶋、手銭たちを思い切って使い、その選手たちが今年主力になって活躍してくれました。その間に北川なども入って若い選手が育ってきた一方で、大槻、浦部といったベテラン、中堅も好調を維持しています。そういう歯車が噛み合ってきた実感はあります。しかし、チーム力はついてきたものの、野球は何が起こるかわかりませんし、相手のあることです。目標は優勝ですが、5試合続けて勝ちきる経験がまだないこのチームで、常に最善の準備を心掛けたいと思います。

池田望投手のコメント(YBC柏戦、先発8安打1失点、勝利投手)

相手は序盤からストレートに合わせてどんどん振ってきたので、予想以上にヒットを打たれてしまいました。5回まで毎回先頭打者にヒットを打たれたのは修正しなければいけませんが、余計な四球がなかったので最少失点で粘れました。中盤から腕を振ることを意識して、ストレートでファールを打たせて、追い込んでから変化球勝負という、イメージ通りのピッチングができました。

高橋俊選手のコメント(YBC柏戦、3打数2安打)

大学時代はずっとセンターを守ってました。自分のストロングポイントは機動力と守備力だと思いますが、守備でもバッティングでも、臨機応変に頭を使ってプレーするところが一番の持ち味です。九州大会からライトを任されていますが、同じポジションには北川さんもいますし、スタメンで出ているとはいえ毎試合必死です。

佐藤将選手のコメント(YBC柏戦、9回代打でダメ押しタイムリー)

同期の高橋と同じライトのポジションですが、自分は長打力が持ち味なのでバッティングでアピールしてチームに貢献したいと思っています。まだ新人なので、先輩方の緊張感に比べて温度差はあると思いますが、肩の力を抜いて打席に立って、自分のスイングができました。

関本憲太郎選手のコメント(YBC柏戦、4打数3安打2打点)

2016年度社会人野球表彰の最多打点賞(21試合17打点)を取ったことが自信にもつながり、今シーズンは監督やチームの期待に応えたい気持ちがより大きくなりました。マークは厳しくなりましたが、相手に伝わっている自分のデータを逆に利用して、攻めてくるポイントにヤマを張りながら打席に立てるようになりました。余裕を持ってボールを待てるところが、一番成長した点だと思います。

髙山亮太投手のコメント(JFE東日本戦、先発6安打2失点、勝利投手)

初回の無死2塁、送りバントの処理で「サード!」という声が聞こえたので、三塁に送球したらボールが引っかかってしまい先制点を許しました。自分のミスでこの試合を落とすわけにはいかないので、1死1、3塁の場面では絶対に点を許さないと、全力で投げました。7回には、1死1塁で送りバントだと思ってストライクを取りに行ったら、また生多選手にガツンと長打を許してしまいました。同点に追いつかれてすぐにまた点を取ってくれたので、今日は本当に打線に感謝です。

庄司拓哉投手のコメント(JFE東日本戦、9回のワンポイントをセーブ)

最終回、1点のリードを守ることだけを考えてマウンドに上がりました。髙山さんのあとに投げて同点にされるわけにはいかないという緊張感はありましたが、腕を振って自分のピッチングをすれば抑えられると信じて投げました。自分の持ち味はそこしかないのですが、内野フライに打ち取った時は、正直ほっとしました。

北川利生選手のコメント(オールフロンティア戦、3打数2安打、ソロホームランとダメ押しタイムリーで2打点)

5月の九州大会から状態は悪くなかったのですが、チャンスに一本が出なくていろいろ悩んでいました。バットが外から回るようなスイングでショートゴロが多くなっていたのですが、監督・コーチと相談しながら修正してきました。ホームランはうれしいですが、4回の逆転につながる四球を選べたことも大きかったです。つなぐことの重要性を再認識しました。今日はチームが乗っている中で結果が出ましたが、チームが苦しいときこそ打てるようにすることが東京ドームの課題です。

木南了捕手のコメント(オールフロンティア戦、2ランホームラン)

ホームランはまっすぐが甘く入ってきたので、タイミングが遅れないように意識して振りました。2アウト3塁だったので、なんとかランナーを返して点差を広げたかったですし、カウントが進めば次の打者につなぐことを考えていました。打撃よりも守備面の反省が多いです。先発の阿部は丁寧に行こうとしてカウントが崩れてしまいましたが、出来は悪くなかったです。2番手・庄司、3番手・和田の2人の新人も、緊張はしていると思いますけど、よく投げました。この南関の3戦とも相手に先制されているのが守備の課題です。今回は打線が打ち返せたからよかったものの、苦しい展開にならないように、先に点を取るまで守備が粘ることが必要だと思います。

藤嶋宏俊選手のコメント(オールフロンティア戦、ソロホームラン)

関本さんの一発で同点に追いついてくれたので、その直後の初球で長打を狙っていました。球種はストレートでした。西岡投手はストレートもチェンジアップも同じようなスピードで、低めにコントロールされていましたが、4回に浦部さんの初ヒットが出てからボールが高めに浮いてきたので、そこをうまく打てました。日頃から一振りで仕留める意識を持って練習しています。最近はボールを待つ間がよくなって、呼び込んで打てている感覚です。レフト方向に強い打球を打ちたいので、そのイメージを持ち続けて練習に取り組んでいきたいと思います。日本一が目標なので、いつもどおりの努力を続け、奢らず、向上心を持ってやっていきます。

浦部剛主将のコメント(JFE東日本戦・4打数2安打2打点、オールフロンティア戦・チーム初ヒットを含む3度の出塁)

JFE東日本戦では自分の走塁と守備でミスしてしまいましたが、誰かのミスをチームで帳消しにできる強さがうちにはあります。やるべきことをやってきたので、第一代表決定戦はその意地を見せた試合になりました。キャプテンを任せていただいて3年目、チーム全員で戦う意識が根付いてきたものの、これをさらに続けていかなければいけないと思います。例えば試合に出ていない選手の声や動きは、数字に表れない、あるいは目に見えないことですが、とても重要です。若い選手は打率などの目に見える数字を気にします。しかし僕らはアマチュアで、一発勝負に勝たなくてはならないので、数字などに表れない全員の力をどう発揮するかがとても大事なんです。それをチームにずっと言ってきました。今日の結果は、それが間違っていなかった証明だと思います。新人はこの大会の厳しさを肌で感じながら、責任を感じることなくフレッシュにプレーしてくれればいいと思っています。また若いチームなので、大槻さんをはじめベテランの存在は大きいです。東京ドームでの最終目標は5つ勝つこと。その経験はまだしていないので、ひとつひとつ足元を見つめて戦っていきます。

ギャラリー

フォトギャラリーを見る 戻る