日本通運

MATCH REPORT

試合結果詳細

第45回
社会人野球日本選手権大会 準々決勝2019.11.02

京セラドーム大阪

5人の継投で3失点に抑えるも打線が及ばず、延長13回に力尽きる

準々決勝 VS.三菱自動車岡崎

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
三菱自動車岡崎 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 2 3
日本通運 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1

マッチリポート

1回戦・七十七銀行に11-2、2回戦・NTT東日本に9-0といずれも快勝しベスト8に進出した日通は、準々決勝で東海地区代表の三菱自動車岡崎と対戦した。相手は1回戦、2回戦にいずれも完封勝ちしており、投手陣の好調が目立っていた。日通も守り勝つ野球をモットーとしており、いわば堅守同士の4強入りをかけた対戦となった。

日通・先発は1回戦に続いて新人の釘宮光希で、この日も140キロを超えるストレートを中心に、変化球をコントロールよく投げ分け、初回から安定したピッチングを披露した。下位打線からはじまった3回表にセンター前ヒット、盗塁、内野安打でノーアウト1、3塁となるピンチがあったが、相手を追い込んでからの渾身のストレートで三振を取り、まずは1アウト。次打者のときに盗塁されて2、3塁になるも集中力を切らさず、147キロのストレートで三振を奪い、2アウトとした。好打者の3番・中野選手もレフトフライに打ち取り、序盤の危機を脱した。

釘宮は6回表にも内野安打2本と盗塁で1アウト1、3塁のピンチを迎えたが、ここでも後続を2者連続三振に抑え、失点を許さなかった。この日は7回2アウトまで投げ、6安打を喫するも7奪三振で無失点。1回戦に続く無四球でマウンドを降りた。

好投に応えたい打撃陣だったが、決定的な一打が出なかった。2回裏には四球、死球、犠打で1アウト2、3塁の好機を得たが、8番・高橋俊がスクイズを決められず、9番・木南了もセンターフライに倒れた。5回裏にも木南のツーベースからチャンスを広げて2アウト1、3塁としたが、4番・北川利生はセカンドフライに倒れ、先制点を奪うことができなかった。

拮抗した投手戦が動いたのは8回表、3番手でマウンドに上がった相馬和磨が先頭打者を出し、直後に盗塁されてしまう。さらに犠打が内野安打となってノーアウト1、3塁に。ここで3番・中野選手にタイムリーを許し、1点を失った。

リードを奪ったことで相手は8回裏から抑えの神原投手を送り込み、日通は厳しい状況に追い込まれた。しかし最後まで勝負を諦めず、9回裏に粘りをみせた。1アウト後、代打・藤嶋宏俊がレフト前ヒットで出塁し、代走は鎌田雅大。バッターは9番・木南で、ここで藪宏明監督が盗塁のサインを出し、鎌田が走る。ストライクが来たことで木南が強振すると、センター前ヒット。このランエンドヒットが見事に決まり、1アウト1、3塁とチャンスを広げた。

迎えるバッターは1番・手銭竜汰で、打席に入る前に藪監督は「とにかく、前に打球を飛ばせ」と声をかけたという。俊足の手銭であればダブルプレー崩れでも1点が入る状況だからだ。実際に手銭が捉えた打球はセカンドゴロとなったが、相手がダブルプレーを取れない間に鎌田がホームインし、土壇場で1-1に追いついた。さらにツーアウト2塁とサヨナラ勝ちのチャンスだったが、続く2番・諸見里匠はサードゴロに倒れて試合は延長戦に突入した。

延長戦からは日通が試合の流れを掴み、12回裏には最大の勝機が訪れた。この回から大会規定によりタイブレーク(ノーアウト2、3塁で開始)方式の開始となり、8回途中から好投を続ける池田望は12回表も3人でピシャリと抑えていた。日通は先頭打者の9番・木南が犠打を成功させ、続く1番・手銭が申告敬遠となる。1アウト満塁で2番・諸見里、3番・大谷昇吾と続く絶好の打順を迎えた。

結果的に、ここで勝負を決められなかったのが痛かった。諸見里が2-2のカウントから外に沈む変化球で三振を取られ、大谷が捉えた打球もライトフライとなり、最大の勝機を逸してしまった。すると、13回表に痛恨の2失点を喫し、1-3に。このビハインドを跳ね返すことができず、あと一歩のところで準決勝進出はならなかった。

敗れたとはいえ、この日登板した5人の投手はいずれも無四球と安定していた。日通投手陣は1回戦、2回戦も無四球で、3試合連続31イニング無四球を達成した。打撃陣も沈黙したわけではなく、大会を通じてしっかりとバットが振れていた。しかし、結果は競り負けてのベスト8敗退。今シーズンの公式戦が終わった。この悔しさを胸に、また来シーズンに挑むことになる。

コメント

藪宏明監督

優勝するためには、今日のような接戦をモノにできないといけない。ただ、選手たちは本当によくやってくれました。三菱自動車岡崎さんが強かったです。5回裏の2アウト1、3塁をはじめ、いくつかのチャンスを生かせなかった結果が負けにつながってしまいました。ほとんどの選手が出場し、投手も故障者を含めて2人くらいしか残っていませんでした。まさに総力戦で臨んでの結果です。

9回裏はランナーが出たときに、じっとしていても何も起こらないと思い、走らせました。「自分の判断で動いていい」というサインを出して、結果、ランエンドヒットのカタチになりました。その後、手銭には「とにかく、前に飛ばせ」と言いました。フライではなく前に飛ばせと。彼は足があるので、相手も打たれるのが嫌だったと思います。13回表は、タイブレークから送りバントを決められたあと、池田から渡辺(圭)への継投が頭をよぎりました。ただ、池田がよく投げてくれていたので、続投を決断しました。結果的に、少し引っ張りすぎたのかもしれません。

来シーズンに関しては、勝負どころで打てるかどうかですね。今日のタイブレークもそうでしたが、負けたときはいつも“ここで1本が出ていれば”という展開になります。

今日も多くの方々に応援していただき、本当にありがたいです。目指しているのは優勝なので負けは悔しいですが、選手たちはよくやってくれました。引き続き、応援をよろしくお願いいたします。

釘宮光希投手(被安打6、7奪三振で無失点 1回戦に続く無四球)

今日も初戦と同じように落ち着いて投げることができました。スライダー、カットボール、チェンジアップのコントロールが良かったです。初戦の反省から、最初からペースを上げずに、飛ばしすぎないように気をつけました。3回、6回に二度ピンチがありましたが、そのときも落ち着いて三振をとれたので、自分のピッチングができたと思います。今日のように0-0のまま試合が進むときも、初戦のように序盤で得点してくれるようなときも、自分は味方の攻撃をあまり細かく見ません。あくまで自分のピッチングに集中するように、次の回に向けて備えています。

自分の課題はストレートです。ストレートをもっと力強くして、カウントも取りたいです。今日負けたのは悔しく、残念ですが、冬に鍛え直して、来シーズンもチームに貢献できるよう頑張っていきます。

木南了捕手(4打数2安打 チーム唯一の複数安打)

こういう接戦に勝利しないと勝ち上がれません。それは全員がわかっているので、勝ち越せなかったのはすごく悔しいです。勝敗は紙一重の差だったと思います。だからこそ、勝利をもぎ取れなかったのは本当に悔しい。両チームが粘るなか、どちらが1本を出すかという展開になり、先に取られました。しかし、9回裏にしっかりと追いつくことができました。最後は相手の粘りでした。

5試合に勝って優勝することが目標でした。1回戦、2回戦を良いカタチで勝ちましたが、3回戦から苦しくなることはわかっていました。そのとおりの展開になり、勝利に向けて戦いましたが結果が出ませんでした。接戦をモノにできるかどうかは、最後は個々の強さだと思います。チームとして立ち向かっていくことはできているので、あとは個々の力で逆境を打開する、“その場”を迎えた選手が結果を出していく、自分を含めそれができないといけないと感じています。このような接戦に競り勝ち、さらにあと2つ勝利して優勝できるようなチームにしていきたいです。

自分の所属する部署もそうですが、社員の方々にすごく応援していただきました。本当にありがたいことで、感謝の気持ちしかないです。みなさんに優勝する姿を見ていただけるように、これからも取り組んでいきます。今日の悔しさを忘れずに、自分も含めて個々の選手がレベルアップして来シーズンに向かっていきます。

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