日本通運

MATCH REPORT

試合結果詳細

第91回
都市対抗野球南関東2次予選2020.10.02~07

埼玉県営大宮公園野球場

澤村新監督のもと新人とベテランが融合 第二代表で都市対抗へ

1回戦 VS.君津市・日本製鉄かずさマジック

2020年10月3日(土)埼玉県営大宮公園野球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
さいたま市・日本通運 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
君津市・日本製鉄かずさマジック 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

投手

さいたま市・
日本通運
相馬
君津市・
日本製鉄かずさマジック
西村-松尾

第1代表決定戦 VS.狭山市・Honda

2020年10月5日(月)埼玉県営大宮公園野球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
さいたま市・日本通運 0 1 0 0 0 1 1 2 0 5
狭山市・HondaH 0 0 1 0 0 2 0 3 × 6

投手

さいたま市・
日本通運
釘宮-庄司-池田
狭山市
Honda
朝山-小野-福島

本塁打

さいたま市・
日本通運
北川(6回ソロ)
狭山市
Honda
井上(6回2ラン)

第2代表決定戦 VS.柏市・YBC柏

2020年10月6日(火)埼玉県営大宮公園野球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
柏市・YBC柏Y 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
さいたま市・日本通運 1 0 0 0 2 6 2 0 × 11

投手

柏市・
YBC柏
岩田-佐藤
さいたま市・
日本通運
池田-庄司

本塁打

さいたま市・
日本通運
北川(6回満塁)

※さいたま市・日本通運 6年連続45度目の本大会出場

マッチリポート

澤村幸明監督をはじめコーチ陣を一新、有望な新人7名が加わり、今シーズンの日通は新たなスタートを切った。コロナ禍によってチームとして活動できない期間があったが、選手が自主練などで調整を進めてきた。しかしJABA(日本野球連盟)主催の地方大会が中止になるなど公式戦が少なく、例年とは違った難しいシーズンになった。

迎えた都市対抗野球南関東2次予選は、出場6チームに対して3チームに出場権が与えられる。初戦の相手は日本製鉄かずさマジック(君津市)で、先発は左腕の相馬。試合は緊迫した投手戦となったが、相馬は無四球の安定したピッチングで相手スコアボードに0を並べ、9回を4安打に抑えて3塁を踏ませない完璧な投球を見せた。相馬を援護したい打線だったが、相手投手も好調でなかなかチャンスを作れない。それでも、3回表に先頭打者・DH添田(新人)がレフトへのヒットで出塁し、2番・諸見里の送りバント、4番・北川のレフト前ヒットでチャンスを広げ、相手投手の暴投で1点を奪い、これが決勝点となって1-0で勝利した。

第一代表決定戦の相手は長年の好敵手であるHonda(狭山市)。日通は「Hondaに勝って都市対抗へ」という意気込みで臨んだ。先発は2年目の右腕・釘宮。両チームが序盤の1点を守る均衡した試合、日通は6回表、4番・北川の右翼席に飛び込むソロホームランで先制したが、その裏に2ランホームランで逆転される一進一退の展開に。7回表、日通は8番・木南のレフト前ヒット、8回表には7番・森松、9番・高橋のいずれもレフトへのヒットで追加点を奪い、一時は5-3とリードした。しかし、その裏に落とし穴が待ち受けていた。釘宮から2番手の左腕・庄司、右の池田と継投で逃げ切りを試みたが、Hondaの勢いを止められず。3点を許して逆転され、5-6とされてHondaに第一代表の座を譲った。

気持ちを切り替えて臨んだ第二代表決定戦は、柏市・YBC柏との対戦。先発は前日も登板した経験豊富な池田で、初回に1点を失ったがその後は冷静な投球を続け、6回を5安打1失点で投げ抜いた。7回からは庄司がマウンドに上がり、9回1死からランナーを出すものの、次打者をダブルプレーに打ち取って試合を終わらた。攻撃陣も奮起し、1番・添田が3安打2四球で全打席出塁を果たせば、4番・北川は6回裏に満塁ホームランを放つなど、終わってみれば9安打11得点。投打が噛み合った快勝で、都市対抗本大会への出場権を獲得した。

この試合に先発した池田望投手が、大会優秀選手賞を受賞した。日通の都市対抗野球の出場は6年連続45回目。今後は目標である日本一に向けて、準備を進めていくことになる。

コメント

澤村幸明監督のコメント

[10月3日・日本製鉄かずさマジック戦後]
監督に就任し、まず選手をよく観察しました。技術に加えて、性格なども把握し、新しいコーチングスタッフでいろいろと話し合いながらチーム作りを進めています。1年目で難しいところもありますが、逆に思い切ってできている部分もあります。今年は地方大会がなく、公式戦が少ないので、心の持ち方が難しいシーズンですが、泥臭く、相手よりも1点でも多く取って勝つ野球をしようと伝えています。今日はそれが実現できました。ベンチから声も出ていて、勝利をモノにするんだという気持ちが出ていました。先発の相馬がとにかくよく投げてくれました。攻撃陣がなかなか点を取れないなか、チャンスを潰したあとの先頭打者をしっかりと抑えるなど、我慢強く投げてくれました。無四球、今年一番のナイスピッチングでした。

[10月5日・第一代表決定戦のHonda戦後]
点を取って、取られてという展開になりました。勝ちきれなかったのは私の責任です。継投の部分で少しバタバタさせてしまったかもしれません。しかしすぐに次戦があるので、気持ちを切り替えていきます。先発した釘宮が一生懸命に投げ、粘り強い守りができていたので、うちの展開になっていました。打者も思い切ってバットを振れているので、敗れはしましたが、次につながると思います。

[10月6日・第二代表決定戦のYBC柏戦後]
池田は経験豊富で試合を作ることができるので、信頼して先発を任せました。初回に1点を失いましたが、落ち着いて投げてくれました。攻撃陣がすぐに同点としましたが、次の1点がなかなか取れなかったです。簡単にいかないのが予選で、相手投手の出来がよく、思っていたよりも打者がつまらされていました。ただ、足を使った攻撃を意識させたので、初回に4連続盗塁するなど選手たちが積極的な姿勢を見せてくれました。Honda戦後に「気持ちを切り替えてYBC柏戦に臨もう」と意思統一しましたが、今日は自分たちの野球ができたと思います。日通は日本一を目指さないといけないチームで、まずはそのための権利を獲得しました。東京ドームでは5連勝を目指します。

相馬和磨投手(日本製鉄かずさマジック戦、4安打完封勝利)

もともとコントロールには自信がありましたが、今日はその出来が良かったことが好投できたいちばんの理由です。相手の中軸打者に気をつけて、最初のストライクを取ることを大切に、スライダー、シュート、2種類のカーブなど持ち球をうまく生かすことができました。特にカウントを取るためのスローカーブや、右打者に対するスプリットが有効でした。自分の課題はこうした変化球の精度を上げていくことで、今シーズンもそれに取り組んできたので、結果が出せてよかったです。南関東大会の初戦を任せていただいた監督の期待に応えたい気持ちで投げました。やはり緊張しましたが、不安はありませんでした。社会人になって完封勝利は初めてです。同世代・同期入社にいい投手がたくさんいるので、いい意味で競争して、これからも頑張っていきたいです。

添田真海内野手(新人、俊足好打の1番DHとして通算6安打で勝利に貢献)

大学リーグはDHがなかったので、あまりバッティングだけを意識しすぎないように、慌てないように準備を進めてきました。守備でエラーすると気持ちがへこむので、それがないうちは伸び伸びやろうと思っています。すべてが初めての経験なので日々緊張していますが、先輩方が声をかけてくれて助けていただいています。打席ではインコースをケアしつつ、追い込まれたら逆方向へという意識を持っています。ボールのラインにバットを運んでいく──。例えば変化球は上からくるので、下から合わせる。ボールの軌道に対して、きれいに打ち返すイメージです。高校生のときからずっとそういうバッティングをしてきました。監督からそうしたバッティングが認められてDHに起用されていると思うので、期待に応えないといけないです。1年目から試合に使っていただいているので、声をかけていただいた日通の力になれるよう頑張っていきます。

釘宮光希投手(Honda戦に先発、7回1/3を3失点に抑える)

今年初登板だったのですが、いつもどおり投げることができました。野球を始めてからこれだけ公式戦がなかったのは過去に経験がなかったので、負けはしましたが、やはり緊張感があって、やり甲斐がありました。ピンチを迎えるといつもはギアを上げるのですが、今日は「こういう感じだったな」という感覚になり、自然にできていたことが意識しないとできていませんでした。去年の京セラドーム(第45回社会人野球日本選手権大会)で「ピンチのときはこうだったよな」と思い出しながら投げるような感覚でした。ストレートで追い込み、三振を取る変化球をいくつか持っているのですが、今日は変化球のキレが悪かったです。三振は少なかったですが、ストレートで押し込むことはできました。

森松裕次郎内野手(Honda戦で4打数4安打の活躍)

4安打は珍しいですね。第1打席はストレートをうまく振り抜けて、レフトフェンス直撃でした。少しつまりましたね。もう少し芯に近ければ超えていたかもしれません。第2打席はボール気味の球をうまくセンター前に運べました。3打席目は1塁にランナーがいてランエンドヒットの形でしたがセンター前に打ち返し、ランナーを3塁に進めることができました。4打席目はまたレフト前と、もともと広角に打つことを理想としているので、その意味でも今日は自分らしいスイングができたと思います。今日は負けましたが、チームの雰囲気はいいです。自分から声を出して、いい顔をして試合に臨もうと言い合っているので、次の試合でもその気持ちで戦っていきたいと思います。

池田 望投手(大会優秀選手賞、Honda戦にリリーフ、YBC柏戦に先発し6回を5安打1失点に抑える)

この試合の先発は前から言い渡されていました。その前の試合もいつでも行けるように準備はしていましたが、昨日のHonda戦は、8回のリリーフで最初の打者に四球を出して失点を招いたので、今日はその点も意識して投げました。初回、先頭打者にカウントを取りに行った初球のストレートをヒットされ、後の打者にもヒットを許して失点につながりましたが、その裏にすぐに追いついてくれたので、その後は味方の援護を待ちながら緊張感をもって投げることができました。どの球種も良かったですが、特に左打者に外から入るスライダーが有効でした。今日、都市対抗出場を決めることができたので、東京ドームでもチームに貢献できるよう、いい準備をしていきたいです。

庄司拓哉投手(Honda戦、YBC柏戦にリリーフ)

今日のYBC柏戦は7回からの登板で、自分のピッチングができました。ストレートとスライダーを軸に、強いボールでファイルを打たせてカウントを有利にしていくのが自分のスタイルです。うまくゴロを打たせて野手のみなさんにがっちり守ってもらうカタチが理想で、最終回もランナーを出しましたがダブルプレーに打ち取ることができました。日通は投手陣が充実しているので、チーム内でもいい競争意識があると思います。自分も4年目で、相馬や和田といった同世代の投手と切磋琢磨しながら成長していると思います。自分はリリーフとして、しびれる場面でマウンドに上がって結果を出すことが役割だと思っているので、東京ドームでもその役割を果たしてチームの勝利に貢献したいと思います。

北川利生外野手(4番打者として3試合通算12打数5安打・2本塁打の活躍)

2試合続けてライトに大きなホームランを打つことができました。監督からも課題として言われてきた右中間への打球がよくなってきたので、この3試合は結果を出せてよかったです。夏場は調子が上がらなくて苦しんできました。練習ではいいのですが、試合になると結果が出ないので、監督、コーチとも話し合いながら、自分らしいスイングができるよう取り組んできました。監督は野球知識が豊富で、常に全体を見ながら細かいところにも適切なアドバイスをくれる方です。自分のバッティングにとっても大きな助けになっています。今年、優秀な新人が入ってチーム全体が底上げされて、誰がレギュラーになってもおかしくない状態だと思います。都市対抗の目標は優勝ですけど、そんな甘いものじゃありません。まずは初戦突破。これに向けて頑張ります。

浦部剛史内野手(3試合フル出場。チーム最年長となった主将)

監督が変わり、コーチングスタッスも新しくなりました。しかしコロナ禍で全体練習ができない期間がありました。難しい状況のなか制限はありましたが、野球をやらせてもらえるのはありがたかったです。先が見えないことでモチベーションが上がらない選手もいましたが、それに気づいても、あえて言葉ではなく、やるべきことに黙々と取り組む姿を見せるよう心掛けました。キャプテンになって6年目ですが、いつも勉強させてもらっています。この方法で良いのか…と考えるときもあります。正解がないので、難しいです。まずは自分が強い気持ちを持って、とにかくチームをよい雰囲気にする。そのために、ときには厳しい言葉をかけるときもあります。チーム全体を見ながら、一人ひとりの性格を見ながら、チームがよい方向に進んでいくことを心掛けています。
東京ドームでの目標は、5試合を勝ち抜くことです。応援してくださるみなさんにスタンドで観戦していただけるかまだわかりませんが、都市対抗はインターネットでライブ中継されます。たとえモニター越しであっても自分たちの気持ちを伝えることはできると思うので、みなさんに元気になってもらえるようなプレーをしてきます。

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