日通柔道部 最新情報

初出場の81キロ級・手塚海 前半大健闘も後半力尽き初戦敗退

平成29年度講道館杯
全日本柔道体重別選手権大会
2017年11月11日(土) 千葉ポートアリーナ

マッチリポート

11月11日、12日の2日間にわたり、千葉ポートアリーナで開催された平成29年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会は、文字通り男女各7階級の日本一を決める大会である。だが、昭和51年に国際試合強化選手選考会として始まった歴史を持つだけに、平成29年度後期の全日本強化選手の選考、12月2日からのグランドスラム東京の代表選手選考、そして、アゼルバイジャンの首都バクーで2018年9月に開催される世界選手権大会の日本代表選手第1次選考会を兼ねている。
今大会に日通が送り出したのは、手塚海。この春入社したばかりの23歳で、その成長がおおいに期待されている。8月の全日本柔道個人選手権大会でベスト8入りを果たし、出場資格決定戦を僅差で制して、初出場の切符を手に入れた。階級は81kg級。井上康生全日本男子監督は「ここ数年は層が薄い階級」と見ているようだが、それでも発表された組み合わせ表の34選手の中には、前回大会同級の1、2、3位の4名(1位の渡邉勇人選手はけがで欠場)や、ロンドン五輪73kg級銀メダリストの中矢力(階級を上げての出場)選手など、強敵、難敵がずらりと並ぶ。
手塚の初戦の相手は、昨年大会に準優勝、一昨年3位。国士舘大学時代にも3度出場し、準優勝2回、3位1回という実力者、春山友紀選手(26歳・自衛隊体育学校)。手塚は大会前から「力的には一番下と思っているので、しっかりと戦うだけ」と語っていたように、試合開始直後から相手の強烈な圧力にもひるまず応戦。7面ある試合場すべてで試合が行われている中、観客席からも「あの畳(第7試合場)、思ったよりいい試合してるね」との声が聞かれたほど注目される戦いぶりだった。開始1分半におこった組み手争いでの接触による鼻出血が止まらないままの不利はあったが、相手の背負い等の攻めを何度もしのぎ、2分過ぎまでは双方に指導が1ずつ付く互角の展開。しかしそこから、傍目にも手塚選手の息が上がりだしたのがわかる状態になってきた3分になろうかという時間帯、ついに背負いから崩され技ありを取られてしまう。以後、手塚も背負いなどの技をくりだし積極的に反撃を試みるが、試合巧者の相手に要所要所でうまくかわされ、もう1ずつ指導を取られたところで、試合時間の4分が終了。無念の1回戦敗退となってしまった。その春山選手でさえ、2回戦で姿を消しベスト8に進めないという、大激戦の81kg級だった。

コメント

山脇悟監督

1手塚が8月の個人戦でこの大会の出場権を取ったあと、会社のバックアップがあり、1カ月間の強化練習の機会をいただきました。この間をいわゆる出稽古に費やし、私の母校である流通経済大のほか、天理大、近畿大とまわって、大変お世話になりました。今日の対戦相手である春山選手は右組みでしたが、誰と戦うかは10月末にならないとわかりませんから、右組み左組みどちらの選手にも対応できるようにしておかないといけません。それに誰が相手となっても恐らく初めての対戦ですので、全然知らないところで同じ階級の知らない選手と練習をすることが重要でした。稽古稽古で、いい準備はできたと思います。
春山選手は、やはり強いです。組み合わせが決まってから多くの映像を見たりして研究しました。右組みであり、力が強く、寝技にも長けているなど細かく分析しましたが、やはり足りませんでしたね。2分くらいまでは何とか組めたのですが、それから先が落ちてしまいました。しかし、前評判ではもっと差があったはずです。バランスのいい手塚だからこそ何度も相手の背負いをしのげたと思います。これだけの試合ができたのだから、今までやってきたことは間違っていなかったと本人にも言いました。それでもパワーも技もあと2段階くらい上げていかないと、このクラスでは勝てません。
他の部員も彼をサポートしながらかなり稽古を積んできて、調子は上がっています。11月23日の全日本産業別対抗(講道館)には、彼も含めて6選手が出場します。みんなやかなりやってくれるでしょう。

手塚海選手(81kg級)

前半から飛ばして、まず指導を取ろうという作戦でした。その通りに前半はうまくやりあえたんですけど・・・。後半になって筋力的な差を感じました。自分のパワーがなくなってきたのに、相手は全然落ちないのです。残り1分ちょっとのところで相手の指の治療で時計が止まったときは、助かったと思いました(笑)。組み手が持てればやれる自信はあるんですけど、すぐに切られてしまいます。そのあたりのうまさもかなりのものです。今日学んだことを生かして、しっかり力をつけて、いつかは春山選手に勝てるようになりたいです。ただ、まったく歯が立たなかったとは思いません。周囲の皆さんのたくさんのサポートもあり、すごく練習したんです。技出しの遅さも、しっかり意識して修正しました。それが、自分が仕掛けていったところを合わされ、背負われて崩されて技あり。あれだけで負けてしまった。ただただ悔しいです。また来年のこの大会に向けて、まずは予選からがんばって勝ち上がっていきます。

成績

81kg級(出場33選手)

手塚 海

1回戦   技あり 春山友紀(自衛隊体育学校)

ギャラリー

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