日通剣道部 最新情報

若手の台頭で全員に活気、Bチームがベスト8進出を果たす

第18回 毎日レディース剣道大会
2018年12月9日(日)東京・日野市市民の森ふれあいホール

マッチリポート

全国から女性剣士が集うオープン参加の団体戦「第18回毎日レディース剣道大会」が東京都日野市で開催された。日通からは3チーム・9選手が梅の部(30歳未満)にエントリー、うち2選手は来年度の内定者が含まれている。各チームの構成は以下のとおり。

【日通A】先鋒・瀧沢、中堅・東野、大将・斉藤
【日通B】先鋒・河野(内定者)、中堅・塩野、大将・田島
【日通C】先鋒・楢木(内定者)、中堅・作山、大将・図末

先陣を切ったのは1回戦から登場の日通Bで、先鋒・河野がメンによる一本勝ちを収める幸先の良いスタート。続く中堅・塩野、大将・田島も危なげなく勝利し、純剣会を3-0で退けた。2回戦の相手は錬心会。河野が一本負けしたが、塩野、田島が慌てることなく二本を奪って逆転した。3回戦では立川拘置所に対し、河野が積極的に攻撃を仕掛ける剣道でメン、ドウを決めると、塩野も自身3連勝を目指したが、ほぼ同時に打ち合ったメンに対して相手の旗が上がり、惜しくも一本負け。しかし1-1の状況で登場した田島が大将の貫祿を発揮し、メン、メンで勝利して、2-1で競り勝って次戦にコマを進めた。
4回戦で対戦したのは警視庁剣道部C。先鋒戦は一進一退の攻防となったが、メンを決められて河野は惜敗。中堅戦もまた混戦となり、お互いにメンを奪って引き分けに。この一戦では塩野が場外の反則を一度取られ、もう一度同じ反則を取られると敗れるところだったが、それを狙った相手の“圧”を軽快なフットワークでかわしつつ戦い、引き分けとした。そして、1分け1敗で迎えた大将戦で田島が見事な役割を果たした。対戦相手が上段に構えて距離を取るなか、勝利が必要なためリスクをかけて攻撃を仕掛ける。攻守のバランスが難しい一戦となったが、一瞬のチャンスを見逃さずに真っ直ぐに繰り出したツキが決まった。これを守って一本勝ちを収め、日通は1-1の代表戦に持ち込むと、了戒監督は田島を代表戦に送り出す。すると、ここでまたしても大将の田島が大仕事をやってのけた。会心のドウに旗が1本しか上がらない不運をはねのけ、積極的な姿勢で攻め続けてコテを奪い、ベスト8進出を果たした。
準々決勝では星明会に0-1で競り負けたが、1回戦で快勝したことで勢いに乗り、各試合で好勝負をみせた。この一戦も、落とした先鋒戦は一本負けであり、あと一歩のところでベスト4という健闘だった。

日通Aは2回戦から登場。初戦は日通商事との戦いで先鋒・瀧沢が一本負けというスタートになったが、中堅・東野が引き分け、大将・斉藤が一本勝ちし、代表戦に持ち込む。ここで登場したのが東野で、機敏な動きで次々に技を繰り出し、メンを決めて勝利を確定させた。続く3回戦では晴和会と対戦し、先鋒戦、中堅戦を終えて1分け1敗の状態。大将戦では斉藤がコテを決めてリードを奪ったが、すぐさまメンを許して接戦に。しかし、精神力の強さを発揮した斉藤がふたたびコテを決めて勝利し、勝負の行方は1回戦に続いて代表戦へともつれた。ここでの代表戦には斉藤が出場したが、メンを許して惜しくも敗戦となった。

日通Cは先鋒に楢木、中堅には、これまで先鋒を務めていた作山、大将に図末という構成で臨み、1回戦で東京拘置所と対戦した。楢木は積極性があり、審判の「はじめ」の合図とともに勢いよく攻撃を仕掛けた。アジリティにも優れ、機敏な動きで相手を翻弄。ドウを決めて一本勝ちし、チームに良い流れをもたらした。作山もメンによる一本勝ちを収め、2-0として早々と次戦進出を決めた(大将の図末は引き分け)。2回戦の相手は警視庁剣道部Aで、先鋒戦、中堅戦、大将戦のいずれも白熱した攻防となり、「決まったか」と思われた場面もあったが一度も旗は上がらず、3戦とも引き分けとなった。代表戦に出場したのは図末で、粘り強く戦ったものの一瞬の隙を突かれてドウを許し、悔しい敗戦を喫した。

日通Aが3回戦、日通Cは2回戦で敗れるも、日通Bがベスト8に進出した。内定者である河野、楢木がそれぞれ持ち味を発揮するなど、来年度につながる内容だった。また、会場には男子剣道部だけではなく、多くの社員が応援にかけつけていた。試合内容からはもちろん、周囲からも日通剣道部のチームワークの良さ、雰囲気の良さが感じられる大会だった。

コメント

了戒明宏監督

2018年の総決戦となる試合だったのですが、各選手が試合の流れを読みつつ戦ってくれました。来年3月2日に全日本実業団女子・高壮年剣道大会があるので、新しく入ってくる選手も含めてまた強化に努めます。現状は平日に選手全員が集まって稽古するのは難しいのですが、女子だけで週に一度か二度は集まり、持ち味であるチームワークをより良くしていきたいと考えています。相手のある“勝負の世界”なので、勝敗に関してはその都度わかりません。大事なのは常に自分たちの力を発揮することなので、そのための稽古を続けていきます。今日に関しては「とにかく攻めよう。ひたすら攻めよう」と伝えました。その言葉のとおり、多くの本数を奪うことができました。反面、取られた本数も多かったですが、戦う姿勢としてそれで良いと思います。これからも「取りにいきなさい」と伝えたいと思います。ただ、最初に一本を取ったときは少し考える必要があるので、そこを指導していきます。

斉藤みのり選手(Aチーム・大将)

3回戦で負けてしまったので結果としてはぜんぜん良くないのですが、内容は悪くなかったと思います。Bチーム、Cチームの勢いが良かったので、私たちの励みになりました。技術的にはみんな十分にできているので、あとは気持ちです。気持ちひとつで勝敗が決まってしまう部分があるので、そこを大事にして今後も戦っていきます。今日は来年度の新入社員2人が先鋒を務め、盛り上げてくれたので、みんな良い流れで戦えました。2018年は6月の関東実業団剣道大会でCチームが3位になり、10月の国土交通大臣杯剣道大会の個人戦で塩野が1位、図末が2位、瀧沢が3位という結果を収めましたが、個人的にはすべての大会で表彰台に立てたのではないかと思います。勝敗を分けるのは本当にわずかな差で、日通剣道部は優勝できるところまで来ていると思っています。女子全体が良い雰囲気にあるので、来年3月の全日本実業団ではタイトルを狙っていきます。最後に、職場の方々には、いつも練習に行く時間を作ってくださっています。今日も会場まで応援に来てくださいました。日頃からサポートしていただき、感謝しかありません。本当にありがとうございます。

瀧沢悠里選手(Aチーム・先鋒)

自分の試合ができなかったので悔しさが残っています。先鋒として良い流れを作ろうと思いましたが、迷いが出たのか思い切りできませんでした。今年最後の大会ということで、良いカタチで終わりたいという意識が強すぎて気負ってしまいました。初戦の相手が苦手意識がある日通商事だったのも影響し、3回戦の晴和会戦でも納得のいく戦いができませんでした。いまのAチームはすごくカタチになっていて、一人一人が信頼し合えています。言いたいことを言うことができていて、私らしくのびのびと剣道をやらせてもらっているので、チームメイトには感謝しています。また、いつも稽古を優先したシフトを組んでいただくなど、職場の方にもサポートをいただいています。今日も応援に来てくれていたので、結果を出せなかったことがなおさら悔しいです。みなさんに勝利というカタチで恩返しするためにも、変わらずに頑張っていきます。

塩野あゆみ(Bチーム・中堅)

(結果と内容については)素直にうれしいです。自分たちの力をそれぞれ出し切れました。来年度の新入社員が加わったことで“新しい風”を感じることができて、新鮮な気持ちで戦えました。年下がいて、いつもとは違うメンバーだったので頑張らないといけないという感覚がありましたが、緊張することなく和気あいあいとしたなかで剣道ができました。チームメイトがすごく強いので、その刺激を受けて私自身も成長できているのかもしれません。来年3月の全日本実業団で優勝することがいまの目標なので、新入社員も含めて女子全員で団結して高めあっていければいいなと思います。日々、まわりの方々が練習に行かせてくれて、応援してくれています。そういったサポートがあったことで、今日の結果を出すことができました。これからもご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

田島侑里(Bチーム・大将)

今日のチームBは先鋒に来年度の新入社員である河野が入り、中堅の塩野と大将である私が同期という編成でした。1年前に私が負けてチームが敗退しているので、名誉挽回するという意識がありました。塩野にも同じ思いがあり、2人とも思い切った戦いができました。それだけに、あと一歩でベスト4だったので悔しさが残っています。大将にまわってくるのは追いかけるか、追われるか、すでに勝敗が決しているかの3パターンで、戦況によって組み立てが変わってきます。よくご指導をいただいているのが「相手をピースにはめる」ということです。相手をパズルのようにうまくはめる剣道をしないといけないのですが、私はどうしても自分から仕掛けてしまうので、状況に対応する稽古をしていきたいです。入社1年目だった今年を振り返ると、社会人剣道を理解しながら戦い続けた1年でした。来年はこうした経験をもとに、もっと結果にこだわってやっていきます。普段から「今日は練習?」と所属部署に関係なく声をかけていただいています。みなさんにご理解をいただいていることを、すごく感謝しています。

作山結花(Cチーム・中堅)

1回戦の東京拘置所は強い相手だとわかっていたので、いきなり油断できない試合でした。そうしたなか、来年度の新入社員である楢木がいいカタチでまわしてくれたので、気持ち的にすごく戦いやすかったです。実際に勝利できたので波に乗って2回戦の警視庁剣道部Aとの対戦に向かうことができて、内容的には全員が押し込んでいました。ただ、完璧に一本を決めないと旗を上げてもらえないのだなと改めて思いました。私は普段、先鋒を務めることが多いのですが、今日は中堅でした。先鋒の楢木が勢いよく仕掛けることで後ろがすごく戦いやすかったので、次に先鋒を務めるときはあれぐらいの気持ちでいっていいのだなと学ばせてもらいました。また、警視庁剣道部Aとの対戦は貴重な機会であり勝つチャンスでもあったので、悔しさが残ります。それでも、彼女たちの隙をみせず、逆にわずかな隙を突いてくる剣道は勉強になりました。今回の経験を生かして、私たちが隙のない戦いをすることで先行できればと思います。今年はいろいろな大会に出させていただきましたが、内容は良かったのに結果が出せなかった1年でした。だからこそ、来年は結果も出せるチームにしていきたいです。毎回そうなのですが、私が所属している課だけではなく、いろいろな方々から応援をいただいています。そういった意味でも、結果を出せていないことを申し訳なく思っています。2019年は良い結果を見せられるように頑張ります。

試合結果

日本通運Aチーム 成績

2回戦

  日本通運A 1 1 日通商事
先鋒 瀧沢 悠里     メン 下地 まりか
中堅 東野 凌子     黒木 彩代
大将 斉藤 みのり コテ     飯塚 玲加
(代表戦) 東野 凌子 メン      
補欠 久保 来未        

3回戦

  日本通運A 1 1 晴和会A
先鋒 瀧沢 悠里     コテ 石塚 稚子
中堅 東野 凌子 メン メン 髙橋 和代
大将 斉藤 みのり コテ、コテ   ドウ 昆野 さやか
(代表戦) 斉藤 みのり     メン 昆野 さやか
補欠 久保 来未        

日本通運Bチーム 成績

1回戦

  日本通運B 3 0 純剣会
先鋒 河野 里穂 メン     椎名 陸
中堅 塩野 あゆみ コテ、メン     竹田 桃子
大将 田島 侑里 コテ、メン     竹田 桜子
(代表戦)          
補欠          

2回戦

  日本通運B 2 1 錬心会
先鋒 河野 里穂     メン 富永 涼風
中堅 塩野 あゆみ コテ、メン     板橋 由美
大将 田島 侑里 反則、メン     佐藤 琴美
(代表戦)          
補欠          

3回戦

  日本通運B 2 1 立川拘置所
先鋒 河野 里穂 メン、ドウ     中村 莉子
中堅 塩野 あゆみ     メン 中村 美絵
大将 田島 侑里 メン、メン     菅野 みゆき
(代表戦)          
補欠          

4回戦

  日本通運B 1 1 警視庁剣道部C
先鋒 河野 里穂     メン 木宮 凛々子
中堅 塩野 あゆみ メン メン 江口 瑠花
大将 田島 侑里 ツキ     三木 聖代
(代表戦) 田島 侑里 コテ     木宮 凛々子
補欠          

準々決勝

  日本通運B 0 1 星明会
先鋒 河野 里穂     メン 工藤 礼佳
中堅 塩野 あゆみ     藤﨑 蕉子
大将 田島 侑里     清水 千聖
(代表戦)          
補欠          

日本通運Cチーム 成績

1回戦

  日本通運C 3 0 東京拘置所
先鋒 樽木 結以 ドウ     稲村 真琴
中堅 作山 結香 メン     亀井 麻里
大将 図末 杏菜     大場 明
(代表戦)          
補欠          

2回戦

  日本通運C 0 0 警視庁剣道部A
先鋒 樽木 結以     髙馬 涼子
中堅 作山 結香     河田 百恵
大将 図末 杏菜     柴田 結
(代表戦) 図末 杏菜     ドウ 柴田 結
補欠          

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