日通剣道部 最新情報

男子団体戦で本社チームが優勝 女子個人戦は田島が制し3連覇

第19回国土交通大臣杯剣道大会
2019年12月15日(日)中央区立総合スポーツセンター

マッチリポート

昨年のこの大会では、団体戦決勝を日通A(本社)対日通B(首都圏支店)で戦い、日通Bが制した。女子団体戦でも塩野が優勝、図末が準優勝、瀧沢が3位と全選手が入賞し、高壮年男子を戦った西も準優勝するなど、出場全選手が好成績を残していた。今年は「追われる立場」(谷口主将)という難しい状況の一方で、前回優勝として幹事も務めており、大会主幹代表として齋藤社長が臨席し、モチベーション高く臨める大会でもあった。

【日通A(本社)】先鋒・菅原、次鋒・三浦、中堅・山田、副将・三山、大将・谷口、補欠・本間
【日通B(首都圏支店)】先鋒・馬杉、次鋒・山根、中堅・川良、副将・永松、大将・南、補欠・鈴木
【女子個人戦】田島、作山、久保
【高壮年男子個人戦】西

団体戦に出場した日通Aは1回戦の川崎汽船との試合に4-0で勝利したが、続く東海旅客鉄道との2回戦は菅原、三浦が引き分ける接戦となった。山田がドウを二本決めて有利に立つも、三山が引き分けて副将戦を終えてスコアは1-0。大勝戦までもつれたなか、谷口がメンで一本勝ちを収めて競り勝った。一転、準々決勝の東京地下鉄A戦は序盤から各選手がポイントを稼ぎ、中堅を終えて3-0として早々に勝ち上がりを決めた(最終スコアは4-1)。なお、2回戦まで次鋒を務めた三浦に代わり、準々決勝から本間が出場した。

準決勝では鹿島建設Aと対戦。中堅を終えてスコアは1勝1分け1敗の五分だったが、技数では二本対三本で劣勢だった。しかし、混戦のなか登場した三山が次々に技を繰り出す積極的な剣道でリズムを掴み、そのままの勢いでメンを二本決めて勝利した。すると、谷口も身体が大きい相手をスピードで圧倒し、いずれも「始め」の直後にメンを二本決め、試合時間10秒ほどで快勝した。

決勝で戦ったトールエクスプレスジャパンAは準決勝で日通Bに勝利した難敵で、勢いに乗っていた。日通Aは受けて立つのではなく、それを上回る勢い、強い気持ちで攻撃を仕掛けた。菅原がメン二本を決めて幸先よいスタートを切り、本間もメンで一本勝ちを収める。勝てば優勝が決まる中堅戦で山田は先にドウを奪われたが、慌てることなく冷静に反撃を仕掛け、まずはメンを奪う。相手も動きにキレがあり、攻守が目まぐるしく変わるなか、最後は山田がドウを打ち込み、日通Aの優勝が決定した。山田は5戦5勝で一本勝ちが1試合だけという安定した戦いをみせ、大会最優秀選手に選ばれた。

日通Bも1回戦4-1鹿島建設B、2回戦5-0若築建設、準々決勝4-0ランテックと危なげなく勝ち進んだ。3戦15試合を終えて奪われた技はわずか一本で、勢いと安定感のバランスがよく、各選手が自分の剣道に集中し、しっかりとポイントを奪えていた。しかし、準決勝のトールエクスプレスジャパンAとの対戦では相手の圧力に押され、終始劣勢を強いられた。各選手が流れを変えようとするが、逆に相手の勢いが増していく。結局、0-4のスコアで敗れ、決勝を目前に敗退した。

女子個人戦では作山が準々決勝で敗れるなか、田島、久保が勝ち上がり、準決勝では両者が対戦した。練習でも地稽古をあまりやったことがないという2人の一戦はお互いに決定的な一本が入らずに延長戦までもつれたが、最後は田島がメンを決めて勝利した。この日、田島は初戦で先にメンを奪われる苦しいスタートだったが、延長戦を制して勝ち上がり、粘り強さを発揮しての決勝進出だった。敗れた久保もこの試合を含めて3試合の延長戦を戦っており、接戦で高い集中力を発揮。チームメイトの田島に敗れたが、3位で大会を終えた。

田島は決勝戦で鳴戸彩七選手(トールエクスプレスジャパン)と対戦。過去に戦ったことがない相手で冷静に出方を伺うなか、試合なかばに一瞬のスキを突いてメンを打ち込む。これがポイントとなって一本勝ちを収め、瀧沢(第17回大会)、塩野(第18回大会)に続く優勝を飾り、日通女子が3連覇を達成した。

高壮年男子に出場した西は1回戦で阿達雅志選手(国土交通省)にメン二本で勝利したが、続く2回戦で実力者である田口浩平選手(清水建設/今大会優勝)と対戦。「ひとつのヤマ場だと思っていました」(西)という相手と一進一退の攻防を繰り広げたが、メンを決められて一本負けし、敗退となった。

コメント

野村隆行(男子監督)

Aチームは勝ち上がる過程で少し苦しい場面がありました。次鋒の三浦が体調不良で離脱し、どうかなると思いましたが、本間が代役を果たしてくれて、最後までチームとしてまとまって戦うことができました。団体戦は前が勝つチームが強いです。今日は先鋒の菅原が好調で、決勝戦でも勝って流れを作ってくれました。トールエクスプレスジャパンAには準決勝でBチームが負けていたので、Aチームが借りを返すことができてよかったです。

前回優勝し、今回は大会の幹事となったので、齋藤社長の前で優勝したいと思っていました。今日の結果、次の大会も幹事を務めますので、剣道部の強化も含めて、またしっかりと準備を進めていきます。今大会に向けて国土交通省との打ち合わせを重ねてきた天方、髙橋(聡)の両幹事。審判を務めていただいた大岡師範、田中先輩、磯野先輩。設営をともにしていただいた日通商事。すべての方々にお礼を言いたいです。今回は本当にありがとうございました。

了戒明宏(女子監督)

今年は選手全員が飛躍した1年で、先週の毎日レディースから試合が続くなか選手たちは昇り調子でした。今日の出場は3人でしたが、12人の部員全員で戦うことができました。田島、久保は予想どおりに勝ち上がってくれて、先週から少し体調を崩していた作山もできる限りの力を発揮してくれました。田島はこれまで個人戦でなかなか勝てていなかったところ、今日も1回戦で先に一本を取られました。しかし、この大会にかける意気込みが強かったのだと思います。しっかりと修正して勝ち上がり、優勝してくれました。久保は、この1年でもっとも伸びた選手ではないかと思います。これまでは雰囲気に飲まれる面がありましたが、毎日レディース、今日の試合を見る限り、良いイメージを持って戦えています。来年は6人の新人が入ってきます。3月の全日本実業団に向けて、また稽古を積み重ねていきます。

今大会に向けて、幹事として半年以上も前から国土交通省の方々と打ち合わせを重ねてきました。本日も役員の方々をはじめ、非常に多くの方々に応援にきていただきました。協力をしていただいたすべてのみなさまにお礼を申し上げます。

谷口賢人(日通A・大将 剣道部主将)

去年が日通同士の決勝だったので、今年は追われる立場のプレッシャーがみんなにあったと思います。優勝しなければという使命感から、序盤戦は固かったです。徐々にほぐれていき、決勝ではいい戦いができました。よく勝ち負けにこだわらずに試合をしようといいますが、今回は「勝ちにこだわってやっていこうと」と伝えていました。ここで次に繋がる剣道をしないと、関東実業団や全日本実業団では勝ち上がれないので、決勝の前には「攻撃8割、守備2割でいい」とも話しました。トールエクスプレスジャパンAは勢いがあり、その相手に勝つためには攻撃力が必要でしたが、各選手がそれを実行してくれました。来年は部員が増えます。一人一人が取り組むべきことに取り組むことが、部全体のボトムアップに繋がります。後輩たちが意識を高く持って稽古に臨める環境を整えることが、日本一に繋がるのだと思っています。今日は齋藤社長、高原部長をはじめ、職場の方々が応援に駆けつけてくださり、非常にありがたかったです。普段から仕事にしっかり取り組んでいないと信頼を得られないと思うので、剣道を通じて社会人としてのスキルを高めていき、みなさんにもっと結果で恩返しできるように頑張っていきます。

山田誠大(日通A・中堅)

前回優勝ということで幹事を務め、大勢の方々が関わっている大会でした。感謝の気持ちを表すためにも、絶対に優勝しなければなりませんでした。チーム全員でその意識を共有していたので、実現できたことが嬉しいです。プレッシャーもありましたが、一試合一試合、目の前の相手に集中して戦えました。関西から来て1年目で慣れない環境だったのですが、先輩方をはじめいろいろな方が助けてくれました。今日の優勝で自分なりに良いカタチで初年度を終えることができました。今年1年を通じて、自分のことだけを考えていたらチームは成長しない、協調性が大事だと学びました。社会人2年目となる来年は後輩が入ってきますし、職場にももっと慣れないといけないです。思い切ってやるだけではなく、まわりの方々、チームのために動ける人間になっていけたらいいなと思っています。(最優秀選手に)自分が選ばれましたが、チーム全員が最優秀選手です。みんなのおかげで頑張れたので、感謝の気持ちでいっぱいです。今日も朝早くからたくさんの方が応援に来てくれました。ありがとうございました。優勝はしましたが、これで仕事が疎かになったらダメなので、また気持ちを引き締めて日々を過ごしていきます。

田島侑里

幹事としていろいろな方が携わっていたので、負けられない気持ちが強く、絶対に優勝しなければならないと思っていました。この2年間、個人戦では1回戦、2回戦負けが続いていたので、どこかで心を決めないといけない。心を強く持たないといけないと考えていました。そうしたなか、初戦で先に一本を取られました。あのときは、思わず周りのみなさんを見ました。高原博剣道部長の顔もチラッと確認できて、「あぁ、ヤバイな」と思いました。一方で、「またか」と思われないように冷静にならないといけないとも思えて、焦らずに、落ち着いて取り返すことができました。追い付き、延長戦でツキを決めて初戦に勝てたことで、気持ちが楽になりました。準決勝で対戦した久保とは日頃の地稽古でもやったことがありませんでしたが、引いて打つのがすごくうまいタイプなので、どうしようかな…と悩みながら試合を迎えました。長い試合、延長戦も覚悟していたので、焦って前に出ることなくじっくりと戦えました。最後に決めたメンは身体が勝手に反応したもので、私の良いところが出た一本だったと思います。最終的に優勝で終われていまは本当にホッとしています。体調を案じて声をかけていただくなど、いつも会社の方々にサポートしていただいていて、ありがたい環境のなかで剣道ができていると日々感じています。今回、結果というカタチで恩返しができてよかったです。

西 貴義

1回戦は相手の出方をじっくり見て、動きを見極めてうまく打つことができました。2回戦の相手とは去年の準々決勝でも対戦し、勝利していました。実力者なのでひとつのヤマ場でしたが、引き技でメンを取られてしまいました。もし勝利していれば、優勝までいけたかもしれません…。私には中学2年生(学校で剣道部部長)と小学5年生の子どもがいて、下の子が通う道場へ週に一度は一緒に行くようにしています。稽古と試合は違うので、試合勘を落とさないようにするためです。しかし、今日はそのあたりをもっと意識して稽古に励まないといけないと痛感しました。剣道には「打って反省、打たれて感謝」という言葉があります。なぜ一本を取れたのか、なぜ一本を取られたのか。常に勉強なので一度も満足したことがありません。大切なのは続けることです。7歳から剣道をはじめて48歳になりましたが、年齢に応じて課題が出てきます。いま考えているのは、やはりいろいろな大会に出場して試合勘を大事にしないといけないということです。しっかりと準備をして、また来年の大会に臨めたらいいなと思います。

試合結果

本社チーム

1回戦

  日本通運(本社) 4 0 川崎汽船
先鋒 菅原 壮一郎     菊地 隆史
次鋒 三浦 和也 コテ、メン     浜田 武士
中堅 山田 誠大 メン、ドウ   メン 姥 裕彰
副将 三山 宙 メン、メン     小野 雅彦
大将 谷口 賢人 メン、コテ     宮地 崇
(代表戦)          
補欠 本間 敏光        

2回戦

  日本通運(本社) 2 0 東海旅客鉄道
先鋒 菅原 壮一郎     杉澤 高政
次鋒 三浦 和也 コテ メン 廣井 俊哉
中堅 山田 誠大 ドウ、ドウ   コテ 髙井 秀将
副将 三山 宙 コテ メン 久留宮 翔輝
大将 谷口 賢人 メン     小坂 智也
(代表戦)          
補欠 本間 敏光        

準々決勝

  日本通運(本社) 4 1 東京地下鉄A
先鋒 菅原 壮一郎 メン、メン     坂本 周也
次鋒 本間 敏光 メン、コテ     下川 智之
中堅 山田 誠大 コテ、メン     平田 智嵩
副将 三山 宙 コテ     下川 雅博
大将 谷口 賢人     メン、コテ 小林 直道
(代表戦)          
補欠          

準決勝

  日本通運(本社) 3 1 鹿島建設A
先鋒 菅原 壮一郎 コテ     加藤 剣
次鋒 本間 敏光     メン、ドウ 吉原 大始朗
中堅 山田 誠大 メン メン 森 悠晋
副将 三山 宙 メン、メン     梶原 海
大将 谷口 賢人 メン、メン     杉村 晃嗣
(代表戦)          
補欠          

決勝

  日本通運(本社) 4 0 トールエクスプレスジャパンA
先鋒 菅原 壮一郎 メン、メン     宇野 皓斗
次鋒 本間 敏光 メン     梁村 斗馬
中堅 山田 誠大 メン、ドウ   ドウ 對馬 康大
副将 三山 宙 メン コテ 糸山 泰史
大将 谷口 賢人 ドウ、メン     安藤 淳
(代表戦)          
補欠          

首都圏支店チーム

1回戦

  日本通運(首都圏) 4 1 鹿島建設B
先鋒 馬杉 翼 コテ、コテ     小口 慎司
次鋒 山根 舜平 メン、メン     福島 大介
中堅 川良 渉 メン、コテ     矢羽田 博之
副将 永松 秀介 ドウ、メン     野口 康仁
大将 南 純平     メン 柳田 哲朗
(代表戦)          
補欠 鈴木 啓介        

2回戦

  日本通運(首都圏) 5 0 若築建設
先鋒 馬杉 翼 メン、コテ     外池 真矢
次鋒 山根 舜平 コテ、メン     田崎 慶栄
中堅 川良 渉 メン、メン     東條 寿幸
副将 永松 秀介 コテ、メン     近藤 学芳
大将 南 純平 メン、メン     太田 功
(代表戦)          
補欠 鈴木 啓介        

準々決勝

  日本通運(首都圏) 4 0 ランテック
先鋒 馬杉 翼 メン     大場 開朗
次鋒 山根 舜平     安東 大貴
中堅 川良 渉 メン     島田 聖士
副将 永松 秀介 メン     境 崇志
大将 南 純平 メン     野中 雄斗
(代表戦)          
補欠 鈴木 啓介        

準決勝

  日本通運(首都圏) 0 4 トールエクスプレスジャパンA
先鋒 馬杉 翼     メン、コテ 宇野 皓斗
次鋒 山根 舜平     メン 梁村 斗馬
中堅 川良 渉     コテ 對馬 康大
副将 永松 秀介     メン 糸山 泰史
大将 南 純平 メン ドウ 安藤 淳
(代表戦)          
補欠 鈴木 啓介        

女子個人戦

作山 結香

2回戦 メン、コテ   坂田 祐希(ランテック)
準々決勝   コテ 小島 彩加(トールエクスプレスジャパン)

田島 侑里

2回戦 メン、ツキ(延長) メン 薄井 千恵(東京システム運輸ホールディングス)
準々決勝 ドウ、メン   小関 咲世(トールエクスプレスジャパン)
準決勝 メン(延長)   久保 来未(日本通運)
決勝 メン   鳴戸 彩七(トールエクスプレスジャパン)

久保 来未

1回戦 ドウ(延長)   磯橋 実里(全日本空輸)
2回戦 メン、メン   鈴木 リナ(小田急電鉄)
準々決勝 コテ(延長)   久保田 妙絵(川崎汽船)
準決勝   メン(延長) 田島 侑里

高壮年個人戦

西 貴義

1回戦 メン、メン   阿達 雅志(国土交通省)
2回戦   メン 田代 浩平(清水建設)

ギャラリー

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