日本通運

MATCH REPORT

試合結果詳細

第20回全日本実業団女子・高壮年剣道大会2017.03.04

東京武道館

本社・九州ともに2回戦敗退 気持ちの弱さに課題を残す

マッチリポート

昨年大会は本社チーム、九州チームともに、初戦から強豪チームとの対戦になったこともあり、不本意な結果に終わっている。本社チームは2011年のベスト8、九州チームは2012年のベスト8以来、上位進出を果たしていないが、今大会は両チームとも表彰台を目指す。
先に試合が行われた九州チームは、先鋒・本田、中堅・高尾、大将・中尾、昨年大会と同じ布陣。2年目の本田は試合開始から動きが良く、二本勝ちで相手を圧倒しチームに勢いをつける。続く高尾も、狙いすました初太刀でメンを奪い、2回戦にコマを進める。しかしその相手は実績のある大塚家具(本社)。注目の先鋒戦、上背のある相手が圧をかけながら技を仕掛けてくるかと思われたが、予想に反して前に出ない。ポイントゲッターである本田は、攻め手を見つけられぬまま引き分け。続く中堅戦では、メンを打つと見せかけて一瞬タメを作り、まっすぐ後ろに引いた高尾に対し、タイミングを遅らせて腕を伸ばして、狙いすましたメンに旗が3本。相手の引き分け狙いかと思われた大将戦では、前がかりになった中尾に対し、一瞬のスキを見逃さず引きゴテが一閃。0-2の力負けとなった。
まずは初戦突破を目指す本社チームは、先鋒の今泉が引き分けると、続く中堅・齋藤は電光石火の引きコテを決めポイントをリード。大将・斉藤は落ち着いて試合をまとめて引き分け、1-0で2回戦へ。しかし相手は昨年の関東実業団の優勝チーム、東洋水産(本社)。港区の大会でも、本社道場の練習稽古でも顔を合わせる、互いの手の内を知り尽くした相手。先鋒・今泉はコテを奪い、試合の流れをつかむ。一本勝ちかと思われた終了間際、メンを返され、まさかの同点に。中堅・齋藤は、得意のメンを相手に意識させつつ、ドンピシャのタイミングでコテを奪い、いったん相手に行った流れを再び日通に呼び戻し、1-0で大将戦につなぐ。しかし、試合を託された斉藤は大将の重圧があったのか、相手のふた振りでコテ、ドウを奪われ、痛恨の逆転負け。3回戦進出を阻まれる結果となった。

コメント

江頭夏紀・本社チームコーチ

大将の斉藤は誰よりも稽古熱心ですし、責任感も強いので、今日の試合内容には全く納得していないと思います。前の二人は勝ちに行くのが仕事ですが、大将は、戦況に応じて勝ちにも守りにもいかなければいけないポジションなんです。聞くとやるとでは大違いというか、斉藤自身、まだ大将に慣れていないと思います。2回戦の東洋水産戦では、中堅戦が終わって1-0でリードしている状況でしたが、大将戦では守るか攻めるか、戦況を見極めなければなりません。先にコテを取られたとき、攻めに転じて1本取り返すか、最悪でも1-1のまま終わらせて代表戦に持ち込むか、大将は状況を判断して、頭の中を切り替えていかなければならないんです。斉藤にとっては、来季に向けていい勉強になったと思います。今日の試合で学んだことをきっかけに、奮起してくれると信じています。

齋藤弘美選手

今日は2戦2勝することができましたが、自分以上に稽古してきた今泉と斉藤は、悔しい思いでいっぱいだと思います。自分も勝たなければいけない剣道に縛られていた時期があって、長いトンネルをくぐってきました。2011年の関東実業団で優勝してからは、負けない剣道に徹することでチームに貢献すると、考えを切り替えることができましたが、若い二人はきっとその部分で、自分と戦っていると思います。

馬場浩喜・九州チーム監督

これまでは九州チームの選手の職場が離れていることもあって、チームとして稽古ができなかったのですが、今回は福岡で合同稽古を積んで大会に臨みました。1回戦を見ていただけばわかるように、各選手の前に出る剣道、試合に対する積極性で、持てる力を発揮してくれたと思います。しかし、2回戦の大塚家具(本社)は初戦の我々の試合をよく分析して、各選手の良さを消してきたと感じました。と同時に、しっかり稽古を積んでいけば、この全日本実業団女子剣道大会でも戦っていける手応えを選手は感じたと思います。九州チームとして、しっかり結果を残せるよう、また来年も挑戦したいと思います。

本田絵里奈選手

大会前に福岡に集まって稽古を積んできたおかげで、昨年よりもいい内容の剣道ができたと思います。自分の剣風はどちらかといえば「待ち剣」なんですが、今日は先をかけて、自分から技を出すことができました。2戦目も欲を出せば勝てた試合だったと思いますが、相手がほとんど打ってこなかったので、逆に警戒してしまいました。

高尾優希選手

2試合とも相手は上段の構えでした。1戦目の試合で、相手のメンに対してまっすぐ下がってしまうクセを見抜かれていたと思います。大塚家具(本社)は私たちの剣道をしっかり分析して、作戦を練ってきたように感じました。経験を積んだチームの戦術というものを、自分たちも学ばなければいけないと思いました。

中尾文香選手

稽古は積んできたので、前回大会よりは動けたとは思います。でも、初戦、前の二人がいい剣道をしたことで、自分も結果をほしがってしまい、気持ちが空回りしていました。2回戦の0-1で迎えた大将戦は同点にして、最悪でも代表戦に持ち込まなければならない場面でした。相手の菅原選手は名のある選手ですから、引き分けを狙ってくるかと思いましたが、ここぞというところを狙われ引きコテを取られてしまいました。相手の方が一枚上手だったと感じましたが、稽古さえすれば、自分たちもやれるという自信も持てました。

試合結果

日本通運(本社) 成績

1回戦

  日本通運(本社) 1 0 三菱東京UFJ銀行(丸の内)
先鋒 今泉 佳恵   引分け   設楽 尚未
中堅 齋藤 弘美 コテ     奥村 萌実
大将 斉藤 みのり   引分け   正保 佐知子
(代表戦)          
補欠 江頭 夏紀        

2回戦

  日本通運(本社) 1 1 東洋水産(本社)
先鋒 今泉 佳恵 コテ   メン  
中堅 齋藤 弘美 コテ      
大将 斉藤 みのり     コテ、ドウ  
(代表戦)          
補欠 江頭 夏紀        

日本通運(九州) 成績

1回戦

  日本通運(九州) 2 0 三菱電機(本社A)
先鋒 本田 絵里奈 ドウ、コテ     平田 綾
中堅 高尾 優希 メン     山本 綾美
大将 中尾 文香   引分け   鎌田 理香子
(代表戦)          
補欠 西川 里紗        

2回戦

  日本通運(九州) 0 2 大塚家具(本社)
先鋒 本田 絵里奈   引分け   平田 舞美
中堅 高尾 優希     メン 金屋 茉理奈
大将 中尾 文香     コテ 菅原 小織
(代表戦)          
補欠 西川 里紗        

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