日本通運

MATCH REPORT

試合結果詳細

第17回お通杯 宮本武蔵顕彰女子剣道大会2018.10.13~14

宮本武蔵顕彰 武蔵武道館(岡山県美作市)

個人戦・団体戦とも上位進出を逃すも、貴重な経験の場に

マッチリポート

今大会は剣豪・宮本武蔵に縁のある岡山県美作市で開催され、日通からは団体戦に2チーム、個人戦に7選手が出場した。大会は2日間に渡って行われ、初日に合同稽古、2日目に個人戦、団体戦のスケジュールが組まれ、日通は7名全員が合同稽古から参加した。

個人戦は午前中に開催され、1回戦から出場の図末がラウンド16まで勝ち上がってベスト8入り。同じく1回戦から登場の塩野(個人戦のみ出場)、2回戦が初戦となった斉藤、田島も勝利を重ねて4回戦まで進出した。作山は3回戦、瀧沢、東野は初戦となった2回戦で敗れた。

団体戦は午後からスタート。先に出番が訪れたのは入社1年目の選手たちで結成された日通Bチーム。対戦相手はくりた剣道教室星組。了戒監督は常々「団体戦は初戦先鋒の入り方が大事」と語っているが、この言葉を裏付けるカタチとなった。先鋒・作山が審判のはじめの声と同時に仕掛けてきた相手の急襲をかわせず、メンを許して先行を許す。その後に反撃したが、防御がうまい相手を攻めきれずに一本負け。中堅・田島も一進一退の攻防のなかで決まり手を出せず、試合時間の3分間を引分けで終えて0-1という展開に。しかし、ここで大将・図末が踏ん張ってコテによる一本勝ちを収めて試合は代表戦にもつれ込む。図末はこの日、個人戦と合わせてすでに7試合を戦っており、了戒監督は疲労を考慮して作山を代表戦に送り出すことも考えたが、ここはやはり図末にすべてが託された。結果として先に一本を取られて敗戦となったが、、多くのギャラリーが見守るなか手に汗を握る熱戦だった。

若手チームの敗戦を受けて登場した日通Aチームは胸に期するものがあり、先鋒・瀧沢、中堅・東野、大将・斉藤が高い集中力を持って初戦に臨んだ。相手の一の会Bに対し、瀧沢が引き分けて繋ぎ、東野が一本勝ちしてリードを奪い、斉藤がしっかりと守り抜いて1-0で勝利、3回戦に進出した。続く相手は若手チームが敗戦を喫したくりた剣道教室の別チームである宙組。先鋒・瀧沢はメンを打たれて一本負けとなったが、中堅・東野が出足の鋭い剣道で幸先よくコテを奪う。その後、両者が積極的に攻め合う一進一退の攻防となるなか、相手のコテを許して引き分けた。勝ち上がりに望みを残すなか、大将・斉藤も積極的に仕掛けたが、どうしても一本が奪えない。じわじわと時計が進み、お互いに決まり手が出ることなく試合時間は終了し、0-1の惜敗となった。

お通杯には実業団チームに加えて、一般の剣士会や海外のチームも参加している。そのため、合同稽古や個人戦、団体戦を通じてさまざまな経験を積むことができた。2日間に渡った岡山遠征で、日通剣道部は多くのものを得たと言える。

コメント

了戒明宏監督

今回の遠征は早朝に集合して岡山県まで長距離移動し、まずは15時からの合同稽古に参加して汗を流しました。その後、宿舎までまた少し時間をかけて移動し、試合当日も5時起きで会場入りするハードスケジュールでした。また、全員が個人戦、団体戦に出場するのはこの大会しかなく、多くの選手がはじめての経験でコンディション調整が難しかったと思います。さらには、実業団のみならず、全国から優秀な選手が集まっている大会でもあります。そうしたなか、図末がベスト8に進出するなど個人戦では7名全員が力を発揮してくれました。団体戦に関しては、一番気をつけなければならないのが初戦、先鋒の一本目なのですが、今日はBチームの作山が立ち上がりにメンを打たれて一本負けし、中堅・田島、大将・図末が前がかりになって攻めました。代表戦まで持ち込めましたが、作山には良い勉強になったと思います。Aチームに関しては、先鋒・瀧沢、中堅・東野に「もっと攻めるように」と声をかけました。実際、先鋒、中堅で試合を決めるぐらいの気持ちで臨んでくれて、積極的な剣道をみせてくれました。とくに、3回戦(くりた剣道教室宙組)で中堅・東野が決めたコテは素晴らしかったです。Aチーム、Bチームともに早い段階で敗退となりましたが、悔しさが残るとともに、得るものもありました。この経験を生かして、毎日レディース剣道大会(12月9日)に向けてまた稽古していきます。

斉藤みのり選手(Aチーム・大将)

今大会には実業団だけではなく、全国レベルの強豪の大阪府警など、いろいろな業種や職業の方が出場しています。海外からの出場もあります。数ある大会のなかでもレベルが高いのですが、私たちは団体戦での上位入賞を目指していました。そうしたなか、簡単に負けるようなチームではない若手選手たち(日通B)が先に敗退したので、期するものがありました。とくに、3回戦(くりた剣道教室宙組)はBチームが負けた相手の別チームだったので、リベンジしようという気持ちがありました。先鋒からチームとしての繋がりは悪くなかったと思います。私が一本取れば代表戦になったのですが、狙いどころや打てる場所がなく、竹刀が当たりもしませんでした。けっこう仕掛けてきてくれたのですが、相手は引分けでも良い状態で、守りもうまかったです。勝ち上がるのが本当に大変な大会ですが、印象としては決して勝ち上がれないことはないと思います。紙一重の差で勝敗が決まるので、日々精進して勝ち上がれるチームを作っていきたいです。

図末杏菜選手(Bチーム・大将)

はじめての大会で様子がわからなかったのですが、優勝を目標にしていた団体戦で初戦負けしたのは本当に悔しいです。敗因を考えると、個人戦からの気持ちの切り替えが3人ともできていなかったのかもしれません。先鋒が一本負け、中堅が引分けでまわってきたので、私が二本勝ちして勝利を決めたかったです。なぜなら、代表戦になると強い相手が出てくるとわかっていました。山村さん(くりた剣道教室星組)には過去に国体で勝っていましたが、今日は勢いや気持ちで相手のほうが上でした。思うような結果を残せませんでしたが、なかなか来られない岡山県まで遠征をさせていただき、会社にはすごく感謝しています。常に勝ちにこだわった勝負をしているので、この敗戦をしっかりと受け止め、また次に向けて気持ちを引き締めていきます。

東野凌子選手(Aチーム・中堅)

去年は中堅として引分け以上を狙うことで受け身になっていて、個人的に納得いかない試合が続きました。いまは積極的に一本を取りにいく、勝ちにいく剣道をしていて、今日はそれが結果に繋がりました。チームとしても流れが良くなったので、そういう部分では目標を達成できました。ずっと調子が悪かったのですが、少し元に戻ってきたのかなと思います。3回戦(くりた剣道教室宙組)は相手のほうが技術では上だったので、絶対に気持ちで負けないようにしました。先にコテでリードした時点で以前の私だったら「守ってこのまま引き分けようかな」と考えていましたが、今日は攻める姿勢を忘れずに積極的に戦えました。勝ちきれませんでしたが、次に繋がる戦いができました。このような機会を与えていただき、まわりの方々には感謝の気持ちでいっぱいです。結果で恩返しをするためにも、引き続き毎日の稽古に励んでいきます。

試合結果

剣道3人制(日通A)成績

2回戦

  日本通運Aチーム 1 0 一の会B
先鋒 瀧沢 悠里 メン メン 吉田 美晴
中堅 東野 凌子 メン     清水 結子
大将 斉藤 みのり     坪内 淑子
(代表戦)          
補欠          

3回戦

  日本通運Aチーム 0 1 くりた剣道教室 宙組
先鋒 瀧沢 悠里     メン 工藤 礼佳
中堅 東野 凌子 コテ コテ 志藤 綾子
大将 斉藤 みのり     清水 千聖
(代表戦)          
補欠          

剣道3人制(日通B)成績

2回戦

  日本通運Bチーム 1 1 くりた剣道教室 星組
先鋒 作山 結香     メン 山村 貴恵
中堅 田島 侑里     本郷 利枝
大将 図末 杏菜 コテ     川﨑 和子
(代表戦) 図末 杏菜     メン 山村 貴恵
補欠 塩野 あゆみ        

個人戦

瀧沢 悠里選手

2回戦     コテ 白木原菜都子
(パナソニックES社)

東野 凌子選手

2回戦     メン 日高悠
(一の会)

斉藤 みのり選手

2回戦 判定     横山涼香
(典武館)
3回戦 コテ、メン     鍋島奈海
(田中電機工業)
4回戦     メン 岡﨑千尋
(大阪剣道協会)

作山 結香選手

2回戦 メン、メン     枡村麗
(さがみ)
3回戦 メン   コテ
(判定)
早川久美子
(三重県剣道連盟)

田島 侑里選手

2回戦 メン     杉山名菜
(上池自動車学校)
3回戦 ドウ     馬渡美奈己
(大同特殊綱)
4回戦     メン 乗田美紀
(三重県剣道協会)

図末 杏菜選手

1回戦 メン、コテ     境春菜
(京女剣)
2回戦 判定     鈴木理沙
(パナソニックES社)
3回戦 判定     澤田真衣
(キューオーエル)
4回戦 メン     山本悠加
(心技館)
ラウンド16 判定     山本瑶子
(大阪剣道協会)
準々決勝     判定 北山京佳
(一の会)

塩野 あゆみ選手

1回戦 メン、コテ     立川真衣
(大阪拘置所)
2回戦 コテ     三好玲央奈
(香川県剣道連盟)
3回戦 ドウ     小林愛美
(上池自動車学校)
4回戦     コテ、コテ 北井真結
(大阪剣道協会)

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