日本通運

MATCH REPORT

試合結果詳細

第18回 国土交通大臣杯剣道大会2018.10.27

中央区立総合体育館

8年ぶりに日通チーム同士で男子団体決勝 女子個人戦も1~3位入賞を果たす

マッチリポート

男子団体戦は本社と首都圏の2チームが、日通A、Bとして出場。女子個人戦は、10月14日に行われたお通杯 宮本武蔵顕彰女子剣道大会で準々決勝まで進んだ図末、昨年の女子個人戦で優勝した瀧沢、お通杯で4回戦まで勝ち進んだ塩野の3選手、高壮年男子個人戦には西選手が出場した。

男子団体戦に先駆けて始まった女子個人戦では、3人とも初戦を二本勝ちし、気迫のこもった剣道を見せた。勝ち上がった瀧沢と塩野は準決勝で対戦。先手を取ったのは塩野。鮮やかな引きコテを決めたが、前回覇者の瀧沢もすぐにメンを奪い返す。しかし、つばぜりからの塩野の引きメンに旗が3本上がり、決勝に進んだ。図末は決勝までの4試合を、すべてメン二本勝ち。同期でもあり、お互いに手の内を知る塩野と図末の決勝。互いの良さを消し合う剣道で、緊張感に満ちた試合は延長戦へ入る。勝負を決めたのは塩野のメン。稽古では勝てなかったという図末からの勝利で、塩野が優勝を遂げた。出場3選手が優勝、準優勝、3位で表彰台に上がるという、見事な結果を残した。

男子団体戦では、両チームとも初戦からアクセル全開で、ともに5-0と相手を圧倒。Aチームは2回戦も5-0(全員二本勝ち)で準々決勝に進む。相手は西日本鉄道。先鋒・天方がポイントを失うが、次鋒・紺野、中堅・柴田がポイントを奪い返し、流れを引き戻す。副将・谷口と、大将・志賀が引き分けて2-1で準決勝へ。準決勝の相手はトールエクスプレスジャパンB。先鋒がポイントを奪われ、次鋒は引き分け。中堅、副将でポイントを奪い返して2-1。大将・志賀はコテを先取するものの、二本取られて2-2となり代表戦へ。代表戦に名乗りを上げた柴田は、相手・大将との合いメンを制して、Aチームを決勝へと導いた。
Bチームは順当に勝ち進み、昨年の優勝チームであり、今年の全日本実業団3位となったトールエクスプレスジャパンAと準決勝で対戦。先鋒・菅原は相手のポイントゲッターから鮮やかなメンを奪いチームに勢いをつける。次鋒・川良は引き分けてリードを守ると、中堅・本間もメンを奪い2-0とする。あとがない相手の副将は前がかりな剣道で攻めに出るが、副将・永松は受けに回ることなく、間隙をついて値千金のメンを奪った。これで3-0としたBチームは、Aチームが待つ決勝に進んだ。
日通同士となった決勝、先鋒のB菅原とA天方は同期対決。まず天方が引きメンを奪うと、すかさず菅原もメンを取り返して、一歩も引かない攻防の末、引き分け。23歳のB川良と36歳のA紺野の対戦では、勢いに乗った川良がメンを二本決めてBチームがリード。ポイントを五分に戻したいAの中堅・柴田はリーチを生かしてメンを奪うものの、B本間もつばぜりから引きメンを奪って引き分け。手に汗握る展開が続くなか、B永松は試合巧者のA谷口の技を封じて引き分け、1-0のリードを守ったまま大将・南へつなぐ。南は、攻めるしかなくなったA志賀から二本のコテを奪って快勝。Aチームを圧倒する内容で、Bチームが優勝を決めた。

高壮年男子個人戦では、初出場の西選手が、準々決勝で強豪選手との対戦を制し、勢いに乗って決勝まで進んだものの、決勝戦の延長でメンを奪われ、惜しくも準優勝となった。

コメント

野村隆行監督(男子)

全日本実業団では各チームとも前3人で試合を決めようというプランで臨みましたが、今回は、考え方をリセットして、全員勝ちにこだわる剣道をしようと話し合いました。全日本実業団の悔しさを残したままではシーズンを終えられないという思いが、発奮材料になったと思います。各選手、攻めの意識を前面に出してくれました。Aチーム(本社チーム)はBチーム(首都圏チーム)に負けてしまいましたが、近来稀にみる、内容の濃い決勝戦だったと思います。男子団体で優勝、準優勝。女子個人戦も出場した3人が優勝、準優勝、3位の表彰台に上がりました。高壮年男子個人戦も準優勝。大会結果に、胸をなでおろしています。

了戒明宏監督(女子)

瀧沢選手、図末選手、塩野選手の初戦を見て、3人とも間違いなく表彰台に上がると確信しました。瀧沢選手は昨年の個人戦で優勝しているので、挑戦者の塩野選手の方が気持ちが楽だったかもしれません。塩野選手は縁を切ってしまう(攻守が途切れてしまう)クセがあったのですが、今月中旬に行われたお通杯の前後から、稽古の取り組みの成果が表れてきて、縁を切らない剣道ができるようになってきました。4人の同期の選手から、ひとり控えに回った悔しさもあったと思いますし、準決勝で瀧沢選手に勝ち、決勝では同期の図末選手に延長戦の末に勝って優勝できて、大きな自信になったのではないでしょうか。来年のこの大会は、今年出場しなかった作山選手と田島選手の2人に、優勝・準優勝してほしいです。

川良渉選手(日通B・次鋒)

大学時代は試合前に考えすぎて結果を残すことができず、それを何度も繰り返してきた反省がありました。今日は同じ失敗を繰り返すことはやめようと、雑念にとらわれず、自分の剣道を出し切る気持ちで臨みました。旗が上がったのは全部メンでした。その半分ぐらいは得意の引きメンを決めることができましたし、自分の剣道ができたことは、本当にうれしいです。4勝1分けでだったので、大会MVPは自分かな、とちょっと期待しました(笑)。

永松秀介選手(日通B・副将)

2回戦(大成建設)では二本負けしているのにMVPをもらってしまってすみません(笑)。ただ、準決勝の副将戦は、組み合わせを見たときからこの大会のポイントだと思っていました。相手の安藤選手はとても強く、返し技のスピードが半端なく速いので、受け身になったら絶対にやられると思っていました。先をかけ続ける、自分の粘りがまさり、狙い通りの剣道ができました。

柴田優貴選手(日通A・中堅)

去年の国交杯からずっと公式戦では負けていなかったので、準決勝の代表戦は「自分が行きます」と言いました。この1年で引きメン、引きドウのタイミングをつかんでから、負けない剣道から、勝てる剣道を意識できるようになりました。大事な局面で勝ちきれない課題が、改善されてきた気がします。

塩野あゆみ選手

大学時代は、自分は引き技が得意だと思っていましたが、最近になって引き技のタイミングをさらに深くつかむことができるようになってきました。準決勝・決勝は、手の内を知り尽くした同じチームメイトとの試合でしたから、勝ち負けよりも、思い切り剣道をすることだけを考えていました。決勝の図末選手には、稽古の時もほとんど触らせてもらえず(笑)、下がったところを狙い打たれていたので、絶対に下がらないって決めていました。この個人戦優勝は、本当にうれしいです!

西貴義選手

準々決勝の相手は、この大会の壁でした。去年は高壮年個人戦で準優勝、その前は2連覇という相手でしたが、去年、野村先輩との決勝戦を見ていて、試合のイメージは持っていました。打とうとすると左右に動く選手ですから、自分が打ちたい方向に相手を動かして、動く先を狙って、メンを打ちました。二本目はドンピシャでした。でも、いかんせん決勝戦までは、体力がもちませんでした(笑)。

試合結果

日通A 成績

1回戦

  日本通運A 5 0 大林組
先鋒 天方 孝輔 メン、メン     原田 博之
次鋒 紺野 剛 メン、ドウ     國井 太陽
中堅 柴田 優貴 コテ、ドウ     森山 陽太郎
副将 谷口 賢人 メン、メン     藤嶋 幸平
大将 志賀 隆史 メン、メン   コテ 田北 博司
(代表戦)          
補欠 高橋 聡        

2回戦

  日本通運A 5 0 日本郵船
先鋒 天方 孝輔 メン、メン     森本 祐樹
次鋒 紺野 剛 メン、メン   ドウ 山本 良輔
中堅 柴田 優貴 メン、メン     村澤 賢幸
副将 谷口 賢人 コテ、メン     玉井
大将 志賀 隆史 メン、コテ     前原 章浩
(代表戦)          
補欠 高橋 聡        

準々決勝

  日本通運A 2 1 西日本鉄道
先鋒 天方 孝輔 コテ   メン、ドウ 富永 祐生
次鋒 紺野 剛 コテ     草野 順也
中堅 柴田 優貴 メン、ドウ     外山 佑次
副将 谷口 賢人     山田 拓雄
大将 志賀 隆史 メン コテ 栗原 伸行
(代表戦)          
補欠 高橋 聡        

準決勝

  日本通運A 2 2 トールエクスプレスジャパンB
先鋒 天方 孝輔     コテ 野島 翔平
次鋒 紺野 剛     石上 佳祐
中堅 柴田 優貴 ドウ     富田 幸輔
副将 谷口 賢人 メン     谷村 将樹
大将 志賀 隆史 コテ   メン、コテ 梁村 斗馬
(代表戦) 柴田 優貴 メン     梁村 斗馬
補欠 高橋 聡        

日通B 成績

1回戦

  日本通運B 5 0 若築建設
先鋒 菅原 壮一郎 メン     外池 真矢
次鋒 川良 渉 メン、メン     田崎 慶栄
中堅 本間 敏光 メン、メン     阿部 聡
副将 永松 秀介 コテ、コテ     近藤 学芳
大将 南 淳平 メン、メン     太田 功
(代表戦)          
補欠 山根 舜平        

2回戦

  日本通運B 3 1 大成建設
先鋒 菅原 壮一郎 メン、メン     市川
次鋒 川良 渉 メン、メン     永野 真教
中堅 本間 敏光 コテ、コテ     千葉 敏
副将 永松 秀介     ドウ、コテ 根本 健太郎
大将 南 淳平     西野 宏幸
(代表戦)          
補欠 山根 舜平        

準々決勝

  日本通運B 5 0 清水建設
先鋒 菅原 壮一郎 メン、メン     田久保 竜馬
次鋒 川良 渉 メン     田中 啓喜
中堅 本間 敏光 メン     鍛治 貴義
副将 永松 秀介 メン、メン   メン 冨山 聡志
大将 南 淳平 メン     阿部 公揮
(代表戦)          
補欠 山根 舜平        

準決勝

  日本通運B 3 0 トールエクスプレスジャパンA
先鋒 菅原 壮一郎 メン     糸山 泰史
次鋒 川良 渉     對馬 康大
中堅 本間 敏光 メン     吉田 真佐義
副将 永松 秀介 メン     安藤 淳
大将 南 淳平     石井 秀平
(代表戦)          
補欠 山根 舜平        

決勝

  日本通運B 2 0 日本通運A
先鋒 菅原 壮一郎 メン メン 天方 孝輔
次鋒 川良 渉 メン、メン     紺野 剛
中堅 本間 敏光 メン メン 柴田 優貴
副将 永松 秀介     谷口 賢人
大将 南 淳平 メン、コテ     志賀 隆史
(代表戦)          
補欠 山根 舜平       高橋 聡

女子個人戦

瀧沢 悠里選手

2回戦 メン、メン   菅原 菜奈美
(トールエクスプレスジャパン)
準々決勝 メン、コテ   山崎 真弓
(川崎汽船)
準決勝 メン   塩野 あゆみ
(日本通運)

塩野 あゆみ選手

1回戦 メン、ドウ   手塚 友希子
(小田急電鉄)
2回戦 メン、メン   石川 史子
(NIPPO)
準々決勝 ドウ   竹下 美帆
(東日本旅客鉄道)
準決勝 コテ、メン メン 瀧沢 悠里
(日本通運)
決勝 メン   図末 杏菜
(日本通運)

図末 杏菜選手

1回戦 メン、メン メン 五十嵐 友莉花
(東京急行電鉄)
2回戦 メン、メン   栗原 幸美
(東京地下鉄)
準々決勝 メン、メン   重松 華子
(若築建築)
準決勝 メン、メン   高間 佳奈子
(トールエクスプレスジャパン)
決勝   メン 塩野 あゆみ
(日本通運)

高壮年男子個人戦

西 貴義選手

1回戦 メン、メン   後藤 智春
(国土交通省)
準々決勝 メン、メン   田代 浩平
(清水建設)
準決勝 コテ、コテ   飛松 幸敏
(西日本鉄道)
決勝   メン 北口 伊佐夫
(トールエクスプレスジャパン)

ギャラリー

戻る