日通相撲部 最新情報

5年ぶりの団体優勝 個人戦でも寺田が3位入賞

第55回東日本実業団相撲選手権大会
2017年7月9日(日)八幡平市松尾相撲場

マッチリポート

今年、日通相撲部として初めて、学生相撲の雄である日大から小山内力樹選手が入部。昨年の東日本学生相撲選手権で優勝した日大相撲部で大将を務めた実力者だ。社会人として初めて参加する今大会、団体戦の先鋒・内山と大将・濱田の間で中堅を務め、その実力を発揮できるか注目された。しかし予選1回戦の三研ソイル戦では、相手の押し出しに黒星。大将・濵田も土俵際でこらえて寄り直したかと思われたが、物言いがつき、先に濵田の左足が土俵を割っていたために、行事刺し違えとなって1-2で初戦を落とした。2回戦はアイシン精機に対し0-3と一方的な内容で敗れ、勝ち点なし。あとがなくなった3回戦の相手は凸版印刷。勝ち点だけでなく3-0のポイントがほしい日通は、内山、小山内が勝ったものの、濵田が引き落としで敗れ、万事休す。決勝トーナメントに進むチームは、2勝以上した7チームが進出を決めており、残りのひと枠を、1勝3点で同点となった日通と東光タイヤで争う8位決定戦が行われた。矢島監督のもと開き直った日通は、内山、小山内が連続で勝利し、東光タイヤを下してなんとか8位に滑り込んだ。
しかし、これで硬さの取れた日通は、準々決勝で天方産業に2-1で勝利し準決勝へ。クリエイト戦では、ここまで勝ち星のなかった濵田にも白星がつき、勢いに乗って決勝へコマを進める。決勝は、予選で0-3と完敗したアイシン精機との対戦になったが、内山が叩き込みで相手を破ると、小山内も寄り倒しで勝利し、濵田も寄り切りで3-0と、予選の借りを返し、5年ぶりの団体戦優勝を果たした。
無差別級個人戦には、団体戦での出場がなかった榎本、津島、寺田を加えた6選手が出場。全員ベスト16には残ったものの、ベスト8に進んだのは内山と寺田の2人。内山は準々決勝で姿を消したが、団体戦に出場できなかった寺田は快進撃を続けベスト4へ。準決勝でアイシン精機の岡田選手に敗れたものの、個人戦3位の結果を残した。

コメント

矢島健一監督

予選で1勝3点と負け越し、東光タイヤと8位争いになったのは予想外でしたが、いい意味でチームが開き直りました。選手には「弱気な相撲だけはせず、自分の相撲を取ることに徹しよう」と声をかけました。濵田は予選で3連敗して調子はいまいちでしたが、濵田が出た大会は優勝したことがないというジンクスがあって、私はこれを何とか打ち破りたいと考えていました。準々決勝でも濵田は敗れてしまいましたが、濵田と心中する覚悟を決めました。その気持ちが通じたのか、準決勝、決勝と濵田が勝ち、クリエイト、アイシン精機を3-0と圧倒して優勝することができました。チームのキャプテンであり大将である濵田がジンクスを破ることができて、とても意義ある優勝でした。小山内も予選では顔つきで分かるほど緊張していましたが、この大会を経験して、9月の全日本実業団では本来の力を発揮してくれると思います。

内山翔太選手

1年目は自分もこの大会で相当緊張したので、小山内が「こんなはずじゃない…」と思って相撲を取った気持ちがよくわかります。濵田さんもいつになく緊張していたように感じたので、自分は緊張することなくいつも通りの相撲を心がけることで、チームを落ち着かせようと思っていました。決勝トーナメントに入ってからは、バタバタすることもなくなって、しっかり稽古を積んだことを試合に出せたと思います。全日本では出だしからいいスタートが切れるようにしたいです。

小山内力樹選手

日大相撲部から日通相撲部に入ったのは自分が初めてだそうです。小学校のころから矢島監督の相撲にあこがれていて、高校生まではプロになりたいという気持ちもありましたが、大学に入ってからは日通相撲部に入ることを公言していました。自分にとって最高の環境で相撲ができるので、黄金時代を築けるようチームに貢献したいと思います! と思って臨んだ大会でしたが、なぜかガチガチに緊張してしまい、あまりチームに貢献できませんでした(笑)。ただ、決勝トーナメントに進んでからは相撲も落ち着き、社会人の大会の雰囲気をつかむことができたと思います。

寺田貴博選手

表彰台に上がったのは高校生以来です! 組み合わせにも恵まれたと思いますが、団体戦メンバーに選ばれなかったので、個人戦では結果を出したいと思っていました。入社以来、勝てない試合が続いていましたが、今日は墨田の職場から4人も応援に来ていただいていたので、日ごろからの職場の理解や協力に応えたいという気持ちがありました。土俵の上では榎本先輩の指示はよく聞こえていたので、試合中も冷静になれて、いい結果につながったと思います。

榎本翔太選手

ようやく後輩たちに団体戦を託せるようになりましたが、試合中はできるだけ選手に声をかけて、的確なアドバイスを送ることが自分の役割だと思っています。土俵の上で、選手たちが自分の声に耳を傾けてぎりぎりの勝負を修正してくれればと願っています。団体戦の予選では、小山内と濵田がいつになく緊張していて、予選突破が危うい状況でしたが、逆境をはねのけて優勝できたことは、彼らの反省点でもあり、逆に自信にもつながったと思います。

成績

団体戦

1回戦

  日本通運 1 2 三研ソイル
先鋒 内山翔太 押し出し   遠藤貴幸
中堅 小山内力樹   押し出し 岡田久典
大将 濵田光   寄り切り 森隆宣

2回戦

  日本通運 0 3 アイシン精機
先鋒 内山翔太   切り返し 神山達哉
中堅 小山内力樹   浴びせ倒し 岡田祐輔
大将 濵田光   寄り切り 吉田圭祐

3回戦

  日本通運 2 1 凸版印刷
先鋒 内山翔太 叩き込み   小山貴雄
中堅 小山内力樹 寄り切り   楮佐古明輝
大将 濵田光   引き落とし 光内彰敏

準々決勝

  日本通運 2 1 天方産業
先鋒 内山翔太 突き倒し   瀬戸利康
中堅 小山内力樹 突き出し   藤本仁
大将 濵田光   送り出し 山本光彦

準決勝

  日本通運 3 0 クリエイト
先鋒 内山翔太 突き落とし   水野裕士
中堅 小山内力樹 寄り切り   濁川太宏
大将 濵田光 うっちゃり   岩本拓也

決勝

  日本通運 3 0 アイシン精機
先鋒 内山翔太 叩き込み   神山達哉
中堅 小山内力樹 寄り倒し   岡田祐輔
大将 濵田光 寄り切り   吉田圭祐

個人戦

濵田光選手

2回戦 押し出し 岡田久典(三研ソイル)
3回戦 × 寄り切り 山本光彦(天方産業)

榎本翔太選手

1回戦 寄り切り 松野圭介(焼津市役所)
2回戦 吊り出し 工藤要(東光タイヤ工業)
3回戦 × 叩き込み 芳賀翔真(東洋大学職員)

津島竜太選手

1回戦 押し出し 久保裕(南部町役場)
2回戦 小手投げ 髙橋徹(アイシン精機)
3回戦 × 突き落とし 五十嵐敦(盛岡市役所)

内山翔太選手

1回戦 叩き込み 荒木関賢悟(東洋大学職員)
2回戦 不戦勝 山崎直人(トヨタ自動車)
3回戦 押し出し 寺元憲一郎(東光タイヤ工業)
準々決勝 × 寄り切り 岡田祐輔(アイシン精機)

小山内力樹

1回戦 不戦勝 西村達也(豊田自動織機)
2回戦 叩き込み 濁川太宏(クリエイト)
3回戦 × 引き落とし 藤本仁(天方産業)

寺田貴博

2回戦 浴びせ倒し 太田愉基(深谷組)
3回戦 寄り倒し 宮野健人(南部町役場)
準々決勝 寄り切り 藤本仁(天方産業)
準決勝 × 下手投げ 岡田祐輔(アイシン精機)

ギャラリー

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