日本通運

MATCH REPORT

試合結果詳細

第57回
東日本実業団相撲選手権大会2019.07.07

埼玉県立武道館相撲場

団体戦で2年ぶり23度目の優勝 個人戦も古川が制す

マッチリポート

大会前に内山がじん帯を損傷するケガによって戦線離脱。小山内もケガを抱えるなか準備を進めてきた。いろいろな選択肢があるなか、矢島監督が組んだ団体戦のオーダーは、先鋒・小山内、中堅・古川、大将・寺田となった。

一回戦の南部町役場戦は小山内、古川が連勝し、アッという間にモノにした。ただ、寺田が敗れて2-1での勝利となった。二回戦で戦った盛岡市役所は個人戦3連覇中の五十嵐選手が中堅を務めており、対戦した古川が粘ったものの寄り倒しで敗れた。しかし、小山内、寺田がしっかりと勝利し、またも2-1とした。三研ソイルと対戦した三戦目は小山内、古川が自分の力を出し切って連勝し、寺田は引き落としで敗れたが、この試合も2-1とした。

団体戦は文字どおり“団体”で勝負するもの。誰かが敗れても、他のメンバーで取り返す。日通はチームワークの良さを発揮し、予選を3勝6点で決勝トーナメントに進出した。

準々決勝では老後を幸せにする会と対戦。小山内が前に出る相撲で寄り切って勝利すると、古川は相手の出足を食い止め、はたき込みで勝利。寺田も相手に付け入るスキを与えず寄り切り、3勝で勝ち上がった。準決勝の相手は予選一回戦と同じ南部町役場。先鋒戦は攻守が激しく入れ替わるスピーディーな展開となったが、小山内が引き落としでモノにした。しかし、続く古川が相手の勢いに押されて寄り倒しで敗れ、勝負の行方は大将戦に委ねられた。すると、寺田は冷静な立ち上がりで有利な態勢を作り、そのまま前に出て突き出しで勝利した。

決勝戦の相手はアイシン精機。ここまで全勝の小山内は土俵際まで追い込まれたが、相手の右側に素早く回り込み、突き落としで逆転勝利を収めた。勝てば優勝という一番だった中堅戦は一進一退の攻防に。古川にも勝機があったが、相手の巧みなかいな捻りで敗れ、1-1となった。会場には多くの日通関係者が応援にかけつけており、盛り上がりが最高潮となるなか、土俵にあがった寺田はここでも冷静だった。立ち合いから低い姿勢をキープし、ジワジワと相手を土俵際へ追い込むと、最後は寄り倒しで勝利。終始チームワークの良さを発揮していたこの日を象徴するように2-1で競り勝ち、2年ぶり23度目の団体戦一部優勝となった。

個人戦では古川が奮起し、平成13年第39回大会を制した矢島(現監督)以来の優勝を飾った。濱田も準々決勝まで進出。小山内、寺田は2回戦で敗退となった。

コメント

矢島健一監督

昨年出場した内山がケガをしたため、今大会はキャプテンの寺田を大将として臨みました。寺田も力がある選手なので、全員が普段どおりの戦いができれば良いところまで勝ち上がれると思っていました。最初の南部町役場との試合をみて、「今日は戦える」とその思いをさらに強くしました。とはいえ、優勝できる、できないは紙一重のところでした。各選手が力を出し尽くしてくれたことが優勝に繋がりました。個人戦で優勝した古川は、以前から十分にその力があったので、やっと優勝してくれたなという気持ちです。
相撲部が狙う次なるビッグタイトルは全日本実業団相撲選手権大会ですが、団体戦3連覇を必ず達成し、なおかつ個人戦でも各選手が入賞できるように指導していきます。こうして充実した活動ができるのは、会社の理解、職場の方々の声援があってこそです。みなさんの協力なくして、今回の優勝はありませんでした。この場を借りて、感謝を申し上げます。今後も良い報告ができるように、引き続き相撲部として頑張っていきます。

小山内力樹選手(先鋒)

内山とともに私もケガをしていて、個人的には十分に稽古ができていませんでした。みんなと同じ場所で別メニューをこなすなど、チーム一丸となって戦うことを心掛けてきました。日頃から「自分たちの相撲を取れれば優勝できる」と話し合っていました。他チームのことを気にするのではなく、自分たちの相撲を取ることが大事でした。そういう意味では、みんな調子が良かったと思います。誰かが負けても、誰かがカバーすることができました。職場の方々、社員のみなさんのサポートのおかげで私たちは相撲を取ることができています。感謝すると同時に、全日本実業団でも団体戦、個人戦の完全制覇を目指すので、これからも応援よろしくお願いします。

古川晴貴選手(中堅)

内山さん、小山内さんのケガがあってチームとして万全の状態ではなかったので、だからこそ元気に、声を出して盛り上げていこうという意識がみんなにありました。これが良い方向に働き、チームとして優勝することができました。ただ、私自身は団体戦の準決勝、決勝で負けてしまい、良いとこを見せられませんでした。そうした流れだったので、気持ちを切り替えて個人戦に臨みました。私の上司も含めて、会場に多くの日通の方々が応援に来てくれていたので、勝つ姿をみせることができて良かったです。会社の協力があって今回も練習に集中することができました。優勝に向けてしっかりと稽古を積み、悔いが残らないように準備するという部分において、日通は他チームに負けないように努力しています。今日の結果に満足することなく、全日本実業団でも団体戦、個人戦で優勝を目指します。自信を持って実業団横綱を狙います。職場の方々には日頃から心身ともに気をかけていただいているので、結果で恩を返すことができて良かったです。

寺田貴博選手(大将)主将

キャプテンになってはじめての東日本実業団選手権だったので、プレッシャーもあって少し不安がありました。いまは一安心と言うか、ホッとした感じです。私は予選で2試合に負けていましたが、準備段階で矢島監督から「お前とともに戦う」と言われていたので、期待に応えなければならない気持ちでした。監督はもちろん、練習しやすい環境を作ってくださった会社の方々のおかげで優勝することができました。みなさんのおかげという気持ちでいっぱいなので、少しは恩返しができたのかなと思います。秋に開催される全日本実業団は2連覇しています。夏場に合宿を行い、チーム全体の力を高めて3連覇を目指します。

成績

団体戦一部・予選

1回戦

  日本通運 2 1 南部町役場
先鋒 小山内 力樹 押し出し   久保 裕
中堅 古川 晴貴 押し倒し   斉藤 学
大将 寺田 貴博   突き出し 宮野 健人
選手 濱田 光      
予備登録 津島 竜太      

2回戦

  日本通運 2 1 盛岡市役所
先鋒 小山内 力樹 押し出し   横澤 徹
中堅 古川 晴貴   寄り倒し 五十嵐 敦
大将 寺田 貴博 突き出し   藤原 拓哉
選手 濱田 光      
予備登録 津島 竜太      

3回戦

  日本通運 2 1  三研ソイル
先鋒 小山内 力樹 押し出し   遠藤 貴幸
中堅 古川 晴貴 寄り倒し   遠藤 翔太
大将 寺田 貴博   引き落とし 岡田 久典
選手 濱田 光      
予備登録 津島 竜太      

準々決勝

  日本通運 3 0 老後を幸せにする会
先鋒 小山内 力樹 寄り切り   柿谷 圭司
中堅 古川 晴貴 はたき込み   藤田 克裕
大将 寺田 貴博 寄り切り   杉崎 樹
選手 濱田 光      
予備登録 津島 竜太      

準決勝

  日本通運 2 1  南部町役場
先鋒 小山内 力樹 引き落とし   久保 裕
中堅 古川 晴貴   寄り倒し 斉藤 学
大将 寺田 貴博 突き出し   宮野 健人
選手 濱田 光      
予備登録 津島 竜太      

決勝

  日本通運 2 1 アイシン精機
先鋒 小山内 力樹 突き落とし   中嶋 亮介
中堅 古川 晴貴   かいな捻り 岡田 祐輔
大将 寺田 貴博 寄り倒し   吉田 圭佑
選手 濱田 光      
予備登録 津島 竜太      

個人戦 無差別級

小山内力樹選手

1回戦 寄り切り 松原 康太(凸版印刷)
2回戦 × 押し出し 久保 裕(南部町役場)

濵田光選手

2回戦 突き出し 楮佐古 明輝(凸版印刷) 
3回戦 押し出し 中嶋 亮介(アイシン精機)
準々決勝 × 寄り切り 黒川 宏次郎(拓殖大学教職員)

古川晴貴選手

1回戦 押し出し 小山 貴雄(凸版印刷)
2回戦 寄り切り 宮野 健人(南部町役場)
3回戦 すくい投げ 岡田 祐輔(アイシン精機)
準々決勝 引き落とし 中島 望(日本大学職員)
準決勝 押し出し 吉田 圭佑(アイシン精機)
決勝 はたき込み 久保 裕(南部町役場)

寺田貴博選手

1回戦 寄り倒し 久保 正博(凸版印刷)
2回戦 × 寄り切り 吉田 圭佑(アイシン精機)

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