日本通運

MATCH REPORT

試合結果詳細

第61回
全日本実業団相撲選手権大会2019.09.16

堺市大浜公園相撲場

団体で3年連続決勝進出 個人でも全選手が16強入り・小山内、古川が8強へ

マッチリポート

団体戦2連覇中の日通相撲部が目指すのは、もちろん3連覇だった。しかし、全日本実業団は文字どおり日本一を決める大会で、全国から猛者が集結する。各チームが“打倒・日通”で連覇阻止に挑んでくるなか、各選手が冷静な取り組みをみせて順当に勝ち上がったが、決勝戦で敗れて3連覇をなし遂げることができなかった。

日通のチーム編成は優勝した東日本実業団大会(7月7日)から先鋒、中堅の順番を入れ替え、先鋒・古川晴貴、中堅・小山内力也、大将・寺田貴博となった。すると、チームワークの良さが予選から発揮され、第1戦アイシン軽金属、第2戦東洋大学職員と続いた強敵との戦いにいずれも2-1で競り勝った。摂津倉庫との第3戦にも3-0で勝利し、3勝7点で決勝トーナメントに進出した。

その後に行われた組分け抽選の結果、準々決勝でまたも摂津倉庫と対戦。連戦による難しさがあるなか、古川が寄り切りで勝利すると、小山内も前に出る相撲で突き出し、連勝で勝ち上がりを決めた(寺田も寄り切りで勝利)。準決勝の相手は凸版印刷で、勢い乗る日通はここでも各選手が安定した相撲を披露し、3-0と力の差をみせた。

決勝戦は東日本実業団大会と同じく、アイシン精機との対戦になった。両チームとも同メンバーだったが、日通の先鋒、中堅の順番が入れ替わったため、前回とは対戦相手が違った。そうしたなか、古川が押し出しで敗れたものの、小山内が一進一退の大相撲の末に寄り倒しで競り勝ち、1勝1敗とした。これも東日本実業団大会の決勝戦と同じで、優勝の行方は大将・寺田に委ねられることに。対戦相手も同じ吉田圭佑選手で、お互いに取り口がわかっているなか、この一戦も目まぐるしく攻守が入れ替わる激しい相撲となった。どちらが勝ってもおかしくなかったが、最後は寺田が2本差し込まれて土俵際に追い込まれ、踏ん張りきれずに寄り倒された。全国3連覇まであと一歩に迫ったが、1-2で敗れて準優勝に終わった。しかし、3年連続の決勝進出は“日通相撲部の強さ”の印象を残した大会となった。

団体戦に続いて行われた個人戦でも各選手が充実した取り組みをみせた。今大会でベスト8に進出すると12月に開催される全日本選手権(国技館)の出場権を得られる規定で、ベスト16でもポイントを加算できるため、そこが目標となっていた。そうしたなか、日通は出場した小山内、寺田、濱田、古川の全選手がベスト16入り。さらに、小山内、古川はベスト8に勝ち上がった。この結果により、東日本実業団大会の個人戦で優勝し、すでに出場権を得ていた古川に続いて、小山内も出場権を獲得。さらに、国民体育大会(9月29日~10月1日)でポイントを加算し、より多くの選手が全日本選手権出場を目指すことになった。

コメント

矢島健一監督

(団体戦について)優勝はできませんでしたが、個々の相撲内容は決して悪くなかったです。準優勝で満足してはいけませんが、選手たちはよくやってくれました。決勝戦は東日本実業団大会と同じアイシン精機との対戦になり、今回はやり返されました。ここでもう一度勝ちきる力をつけることが、今後への課題として残りました。チームワークに関してはお互いにフォローすることができていたので、個々の勝負強さ、力強さを磨いていくことが必要です。

(個人戦について)全員がベスト16に進出してポイントを獲得できたので、最低限の結果は残せました。ただ、誰も入賞(3位以内)には届かず、悔しさが残りました。12月に国技館で開催される全日本選手権にひとりでも多くの選手を出場させるべく、国民体育大会でもポイントを獲得できるように頑張っていきますので、引き続きご声援をよろしくお願いします。

寺田貴博選手(大将)主将

団体戦3連覇を目標にしていたので、悔しい気持ちです。一方で、ケガを抱えている選手もいて決して万全ではなかったので、もっと厳しい結果になるかもしれないと思っていました。そう考えると、決勝戦までいけたのは地力がついてきた証拠なのかもしれません。最後は東日本実業団大会の決勝戦と同じ1勝1敗の状況で大将の私に順番が回ってきました。もちろん勝ちたかったですが、今日は力の差がありました。立ち合いは自分の流れでいけたのですが、その後に課題である脇の甘さが出て、差し込まれてしまいました。個人戦の4回戦で負けた試合も同じで、両手を差し込まれて状態を起こされています。私は押し相撲なので差されてはいけないのですが、脇の甘さが出てしまいました。社内のみなさんに応援していただくなか、今回は目標に掲げていた団体戦3連覇をなし遂げることができず、申し訳なく思っています。この悔しさをバネに、また来年、優勝旗を取り返したいと思います。

古川晴貴選手(先鋒)

3連覇できなかったのは悔しいですが、全日本実業団で準優勝は輝かしい結果だと思っています。ただ、私個人は簡単な相撲を取り続けてしまいました。飛ばされる試合が多かったので、もう少し粘る相撲を取れなかったか…。決勝戦で負けたのもそこに敗因があると思っています。我慢して勝機を見出すことができませんでした。全日本選手権では上位に進出できるように、優勝できるように、また気持ちを作っていきたいと思います。

濱田光選手

個人戦ベスト8進出の、ひとつ手前で負けてしまいました。4回戦で対戦した荒木関選手(今大会の優勝者)は強いとわかっていました。突っ張られるとイヤなので組んだほうが良いと考え、立ち上がりは作戦どおりに組むことができました。しかし、圧力を止められず土俵際に追い込まれ、なんとかうっちゃろうとしたのですが先に足が出てしまいました。3連覇をかけて臨んだ団体戦も決勝戦で負けてしまったので、結果には悔しさが残る一方で、相撲内容としてはみんな力を出せていて、素晴らしかったと思います。勝敗については時の運もあるので、今回は結果を受け入れ、また来年に日本一を奪還すべく、相撲部として稽古を重ねていきます。

成績

団体戦一部予選

予選1回戦

  日本通運 2 1 アイシン軽金属
先鋒 古川 晴貴  肩すかし   中村 淳一郎
中堅 小山内 力樹 押し出し   堀 篤史
大将 寺田 貴博   寄り倒し 黒川 宗一郎
交代選手 濱田 光      
予備選手 内山 翔太      

予選2回戦

  日本通運 2 1 東洋大学職員
先鋒 古川 晴貴    突き倒し 荒木関 賢悟
中堅 小山内 力樹 不戦勝   芳賀 翔真
大将 寺田 貴博 寄り倒し   中出 雄真
交代選手 濱田 光      
予備選手 内山 翔太      

予選3回戦

  日本通運 3 0 摂津倉庫
先鋒 古川 晴貴  寄り切り   石黒 壮児
中堅 小山内 力樹 はたき込み   沖 忠寿
大将 寺田 貴博 小手投げ   田中 大陽
交代選手 濱田 光      
予備選手 内山 翔太      

決勝トーナメント準々決勝

  日本通運 3 0 摂津倉庫
先鋒 古川 晴貴  寄り切り   石黒 壮児
中堅 小山内 力樹 突き出し   沖 忠寿
大将 寺田 貴博 寄り切り   田中 大陽
交代選手 濱田 光      
予備選手 内山 翔太      

決勝トーナメント準決勝

  日本通運 3 0 凸版印刷
先鋒 古川 晴貴  寄り切り   小山 貴雄
中堅 小山内 力樹 寄り切り   楮佐古 明輝
大将 寺田 貴博 引き落とし   久保 正博
交代選手 濱田 光      
予備選手 内山 翔太      

決勝トーナメント決勝

  日本通運 1 2 アイシン精機
先鋒 古川 晴貴      中嶋 亮介
中堅 小山内 力樹     岡田 祐輔
大将 寺田 貴博     吉田 圭佑
交代選手 濱田 光      
予備選手 内山 翔太      

個人戦 無差別級

小山内力樹選手

1回戦 不戦勝 高橋 幹成(拓殖大学職員)
2回戦 寄り切り 小山 貴雄(凸版印刷)
3回戦 突き倒し 松永 久志(日本体育大学職員)
4回戦 押し出し 藤本 仁(天方産業)
準々決勝 × 寄り倒し 吉田 圭佑(アイシン精機)

寺田貴博選手

1回戦 突き落とし 鈴木 秀輔(天方産業)
2回戦 突き出し 小林 雄矢(JA松本ハイランド)
3回戦 寄り切り 津田 虎之(クリエイト)
4回戦 × 吊り出し 黒川 宗一郎(アイシン軽金属)

濱田光選手

1回戦 不戦勝 柿谷 圭司(老後を幸せにする会)
2回戦 突き出し 中島 望(日本大学職員)
3回戦 うっちゃり 堀 篤史(アイシン軽金属)
4回戦 × 寄り倒し 荒木関 賢悟(東洋大学職員)

古川晴貴選手

2回戦 押し出し 工藤 豪人(日本大学職員)
3回戦 突き出し 久保 裕(南部町役場)
4回戦 上手投げ 中村 淳一郎(アイシン軽金属)
準々決勝 × 突き出し 三輪 隼人(ソディック)

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