日通相撲部 最新情報

若手の台頭で4年ぶりに優勝旗奪還を果たす

第59回全日本実業団相撲選手権大会
2017年9月17日(日)埼玉県立武道館

マッチリポート

台風が近づく埼玉県立武道館。毎年汗ばむ残暑のなか行われるが、朝から小雨が降り続く会場は気温が低く、選手にとってはコンディションのいい大会となった。団体1部は14チームが出場。日通の予選1回戦の相手は摂津倉庫。先鋒の内山は鋭い出足で、白星スタート。中堅の小山内は星を落とすが、大将・濵田が白星を取り返し2-1で勝利。2回戦の玉田工業(今シーズン2部から昇格)には3-0で圧勝。予選3試合のうち2勝を挙げたことで、早々に決勝トーナメント進出を決めた。3回戦は昨年の準優勝チーム・強豪のアイシン精機。しかしここでも2年目の内山、新人の小山内が地力を発揮し2連勝、3勝7点で予選を2位で通過した。
決勝トーナメント1回戦の相手は、間口。勢いの止まらない内山と小山内は鋭い立ち合いから一気に勝負を決め、準決勝へとコマを進める。予選に続き、再びアイシン精機との対戦となった準決勝は、内山が土俵際の豪快な上手投げで勝利すると、小山内は寄り倒し、濵田も上手投げで、強豪を3-0で破った。いよいよ決勝、相手は2年連続で全日本実業団を制しているアイシン軽金属。絶好調の内山が寄り倒しで先勝するが、相手も地力を発揮し小山内を寄り切って、星は五分に。勝負は大将戦に委ねられたが、濵田はアイシン軽金属の大将・堀選手を押し倒しで破り、自身初となる全日本実業団相撲選手権の優勝旗を手にした。
団体戦に続いて行われた個人戦では、内山、小山内、濵田とも2回戦敗退と振るわず、団体戦に交代選手として登録していた榎本が3回戦を突破して、個人優秀16選手決勝トーナメントに進んだものの、1回戦で敗れ、個人成績はベスト16に終わった。

コメント

矢島健一監督

1週間前の刈谷大会では、チームの成績は思わしくなかったんです。この1週間の過ごし方として、まず疲労をとること。そして内山も小山内も、力むと息が上がって実力を発揮できないタイプの選手なので、リラックスして大会を迎える準備をするように伝えました。8月は私の母校である中央大学の相撲部と、二所ノ関部屋の力士(中央大学OB)と合同合宿を行い、かなりの番数をこなしてきました。なかでも内山の番数は出稽古も含め、チームの中で突出していました。実力を発揮すれば優勝できるだけの稽古は積んできたのだから自信を持って戦おう、という言葉通り、3人がそれぞれの責任を果たしての優勝だったと思います。12月の全日本相撲選手権(個人戦)には寺田以外がまだポイントが足りないので、一人でも多くの選手が出場できるよう動機づけしていきたいと思います。

内山翔太選手

大柄の体型から、突き押し相撲だと思われがちですが、意外に四つ相撲も得意です(笑)。準決勝のアイシン精機の神山選手に上手投げで勝てた試合が、今日一番納得できる相撲でした。去年は神山選手に4連敗してまったく勝てませんでしたが、今年は3連勝。苦手意識がなくなりましたし、自分の相撲が成長したのかもしれません。東日本、全日本を優勝するつもりで夏場の稽古を積んできたので、本当にうれしいです。

小山内力樹選手

東日本実業団のときは、緊張のあまりまったく自分の相撲ができなかったことを反省しました。今回は、稽古でやってきたことを土俵の上で出すだけだと開き直って、予選の2回戦以降は肩の力を抜いて、自分の相撲ができました。東日本優勝、全日本優勝の他に12月の全日本相撲選手権出場も今年の目標なので、来月の国体で(個人戦の)ポイントを取って、国技館に行きたいです。

濵田光選手

足首の怪我が完治せず、体調は万全ではなかったのですが、内山が全勝で流れを作ってくれたので、後ろ二枚のどちらかが必ず白星を取ることだけを考えていました。小山内が2つ取りこぼしたとき、自分が2戦とも勝つことができて、キャプテンとしての責任を果たせたかなと思います。入社以来、自分が出たときの東日本実業団・全日本実業団では、チームが優勝できないという不名誉なジンクスがありましたが、今年は東日本でも全日本でも優勝できて自信がつきました。

成績

団体予選

1回戦

  日本通運 2 1 摂津倉庫
先鋒 内山翔太 押し出し   田中大陽
中堅 小山内力樹   押し出し 沖忠寿
大将 濵田光 突き落とし   石黒壮児

2回戦

  日本通運 3 0 玉田工業
先鋒 内山翔太 押し出し   坂下将崇
中堅 小山内力樹 寄り切り   村上寛崇
大将 濵田光 突き出し   片桐優一

3回戦

  日本通運 2 1 アイシン精機
先鋒 内山翔太 押し出し   神山達哉
中堅 小山内力樹 突き落とし   岡田祐輔
大将 濵田光   引き落とし 吉田圭佑

団体決勝トーナメント1回戦

  日本通運 2 1 間口
先鋒 内山翔太 送り出し   濱田純平
中堅 小山内力樹 寄り切り   岩見剛也
大将 濵田光   引き落とし 中原将博

準決勝

  日本通運 3 0 アイシン精機
先鋒 内山翔太 上手投げ   神山達哉
中堅 小山内力樹 寄り倒し   岡田祐輔
大将 濵田光 上手投げ   吉田圭佑

決勝

  日本通運 2 1 アイシン精機
先鋒 内山翔太 寄り倒し   中村淳一郎
中堅 小山内力樹   寄り切り 黒川宗一郎
大将 濵田光 押し倒し   堀篤史

個人戦

内山翔太選手

1回戦 不戦勝
2回戦 × 突き落とし 楮佐古明輝(凸版印刷)

小山内力樹選手

1回戦 寄り切り 杉崎樹(老後を幸せにする会)
2回戦 × 寄り切り 冨田有輝(和歌山県庁)

濵田光選手

2回戦 × 寄り切り 吉田圭祐(アイシン精機)

榎本翔太選手

1回戦 寄り切り 三島直樹(豊田自動織機)
2回戦 きめ出し 田中宏治(管清工業)
3回戦 吊り出し 伊藤豊(つがる市消防署)
個人優秀16選手決勝トーナメント1回戦 × 寄り倒し 由留部圭佑(西予市役所)

ギャラリー

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