日本通運の導入事例:「AGAVE」活用で海外人事を効率化
NX海外赴任ワンストップサービスでは、海外赴任管理システム「AGAVE」を利用しています。
AGAVEは、海外赴任者の労務管理に必要な各種手続きを一元化し、海外人事の課題解決を支援するクラウドサービスです。
多くの海外拠点を持ち、海外赴任者も多い弊社では、海外赴任者の給与計算や労務管理などの関連業務をAGAVEで集約・効率化してきました。
弊社自身がAGAVEの導入を通じて得られた効果などを活かして、ワンストップサービスの一つとなるAGAVEの導入支援を行っています。
AGAVE導入の背景
日本通運は世界各地に常時約450名の駐在員・トレーニーを抱え、海外給与計算をはじめとした海外人事管理業務の複雑さに直面していました。メールを中心とした分散管理や、長年Excelで管理してきた給与計算における複雑なロジックや属人化、さらに海外赴任者の健康管理強化も大きな課題となっていました。
こうした状況を受け、弊社は既存システムのサポート終了を契機に海外赴任管理システム「AGAVE」を導入。海外人事業務の構造改革へと舵を切りました。AGAVEの導入によって業務はどのように変化し、現場の声を重視した運用設計と、導入後の業務効率化はどのように実現されたのでしょうか。海外人事業務を担当する三名にお話を伺いました。
海外人事業務を一元管理。健康フォローまで可能なAGAVEを選定
ー数あるシステムの中からAGAVEを選んだ理由を教えてください。
いくつかのシステムを比較検討しましたが、私たちの課題を総合的に解決できると感じたのがAGAVEでした。
申請ワークフローの代替という観点だけであれば、選択肢は多くありました。しかし、私たちが求めていたのはそれだけではありません。海外赴任者の情報管理を軸に、赴任から帰任までの状況を一元的に把握できること、さらに給与関連業務も含めて海外人事全体を支えられる仕組みであることが前提でした。
加えて、健康管理の面も大きなポイントでした。海外勤務中の健康診断受診状況を可視化し、継続的にフォローできる仕組みを備えている点に強く惹かれました。業務効率化だけでなく、リスク管理の強化にもつながると感じたことが決め手の一つです。
海外人事業務を部分的にではなく構造的に立て直せる、そう判断し、AGAVEの導入を決定しました。
導入後から現在に至るまでは、円貨支給額変更や口座情報変更といった海外社員からの申請手続き、年末調整書類の集約など、段階的にAGAVEの活用範囲を広げています。
横打さん
業務の課題とAGAVE導入による効果:「労務管理」編
日本通運株式会社 人財戦略部
横打さん
導入前の課題
- 海外赴任者約450名の手続き状況把握に多大なコミュニケーション負荷が発生していた
- 海外赴任中の社員健康管理が不十分で、健康診断受診状況の把握や予防・未病への対応が課題となっていた
- 海外赴任者情報が複数媒体に散在し、必要な情報の検索・抽出、リアルタイム管理に多大な手間が生じていた
成果・効果
- 「プロジェクト管理機能」でタスク・進捗を可視化し、赴任者手続きのコミュニケーション負荷を大幅に削減した
- 「提出依頼機能」で健康管理情報を効率的に収集できるようになり、予防・未病対応の幅が広がった
- 「ユーザ管理機能」で海外赴任者情報の一元管理ができ、海外人事担当者が確認する手間と時間を大幅に削減できた
課題
メール中心の分散管理が海外人事業務の大きな負担に
ーAGAVE導入前、海外人事業務でどんな課題を抱えていましたか?

横打さん
そうした中で、1990年代から使用していた海外人事システムのサポート終了が決まりました。これを単なるシステムの入れ替えとするのではなく、分散管理や健康管理の課題を根本から見直し、運用そのものを改善できる仕組みを導入したいと考えるようになりました。
導入効果
手続き進捗の“見える化”で業務の標準化と効率化を実現
ー導入後、どのような効果を実感していますか?
最も大きな変化は、手続きの進捗管理が“見える化”されたことです。赴任時・帰任時の手続きにプロジェクト管理機能を活用することで、各部門担当者と海外赴任者それぞれのタスク内容や進捗状況を一覧で把握できるようになりました。問い合わせ対応の面でも変化がありました。特定の赴任者の進捗を確認する際、以前は担当者へ都度照会する必要がありましたが、現在は本人・ご家族の基本情報から手続き状況、提出データまでが一元管理されているため、確認のためのやり取りが大幅に減少しました。赴任者側からも、「対応すべきタスクが明確になった」「関連資料にアクセスしやすい」といった声が上がっています。
また、業務の標準化も進みました。以前は、各手配担当者がメールベースで個別に案内を行い、期限管理や手順は担当者の経験に依存する部分がありました。現在は一連の手続きをシステム上で整理・可視化し、期限を設定することで、属人化の解消と業務の平準化が実現できています。
赴任者の健康管理の点では、申請の「提出依頼」機能に大いに助けられています。全赴任者、あるいは特定条件に該当する対象者へ、必要な情報を必要なタイミングで収集できるようになり、健康診断受診状況の管理・フォローがより確実に行えるようになりました。今ではリスク管理部門と連携し、海外渡航後、一定期間が経過した赴任者へ安全に関する動画を配信し、アンケートを回収するなど、活用の幅も広がっています。業務効率化にとどまらず、健康管理やリスクマネジメントの強化にもつながっている点が、導入後の大きな成果だと感じています。
横打さん
関係各社を巻き込む移行プロジェクト。伴走支援でスムーズな導入を実現
ーシステムの切り替えに不安はありませんでしたか?

横打さん
弊社では赴任・帰任手続きをグループ会社と協力して進めており、さらに海外現地法人との連携も不可欠です。複数の関係各社・担当窓口が関わる中で、スムーズに切り替えられるのかという点は正直なところ懸念していました。
また、利用者側への負担を最小限に抑えられるかも重要なポイントでした。実際に使用する海外赴任者が無理なく移行できるかどうかは、運用の定着に直結するからです。
その点、社内のAGAVE導入チームが要件整理の段階から関係各社との打ち合わせに入り、データ移行から運用が安定するまで一貫して伴走してくださいました。実装までのスケジュールや課題を丁寧に整理していただけたことで、プロジェクトが進むにつれて不安は徐々に解消されていきました。
実際の利用面でも、インターフェイスが直感的に操作できるデザインになっているため、海外赴任者側も比較的スムーズに新しい仕組みに慣れていきました。大きな混乱もなく導入を完了できたのは、その点も大きかったと感じています。
業務効率化で生まれた時間を、より付加価値の高い業務へ
ーどんな悩みを持つ方に、AGAVEを勧めたいですか?

横打さん
海外赴任手続きには多くの関係者が関わります。海外人事の労務管理全般に課題を持っている企業様、進捗の見える化や情報の集約に課題を感じている企業様には、ぜひ一度検討していただきたいと思います。
業務の課題とAGAVE導入による効果:「給与計算」編
日本通運株式会社 人財戦略部
(左)梅山さん (右)小林さん
導入前の課題
- Excelを複数人で共有するため、書式や計算式が意図せず変更されるヒューマンエラーが多発していた
- 複数のExcelやシートを用いた長年の運用により計算式が複雑化し、担当者以外の内容把握が困難だった
- 海外赴任者の増加に伴って個別対応に多くの工数が発生し、管理側の対応負荷が増大していた
成果・効果
- システム上での一元管理により、正確性と業務効率が大幅に向上し、人的ミスが大きく減少
- 複雑な計算ロジックを紐解いてシステムに組み込むことで、ブラックボックス化と属人化を解消
- 海外赴任者別の計算結果や履歴を即時に確認できるようになり、問い合わせ対応のスピードと精度が向上
課題
ー従来、海外赴任者の給与管理はどのように行っていたのでしょうか。
給与計算は、1990年代から長らくExcel上で行ってきました。各々の従業員や計算月によってデータが分かれており、複数のファイルやシートを行き来しながら手作業で関数を組んで計算していたのです。これが毎月発生するため、給与計算には相当な工数がかかっていました。
給与明細に変更が生じた場合には、印刷して、海外への連絡便で送付していたと聞いています。急ぎの場合はメールで個別に送ることもあったため、対象者が増えるにつれて対応負荷が大きくなっていました。
梅山さん
複雑なロジックとヒューマンエラーのリスクが課題
ーExcel管理には、どんな課題がありましたか。

梅山さん
ー海外給与計算導入にあたり、不安はありましたか。

梅山さん
そんな中、社内のAGAVE導入チームからAGAVEに海外給与計算機能が追加されるとの知らせを受けました。すでにワークフロー基盤として利用していたこともあり、同一システム上で一元管理できる点は非常に魅力的でした。従来の運用を再現できるかという懸念は残りましたが、データと業務を集約できる利便性への期待が勝り、導入を決断しました。
ー導入はどのような流れで進みましたか。

梅山さん
ミーティングを重ね、要件や運用上のニーズを一つずつ具体化していきました。駐在都市の増減管理、年1回の海外改定時に行うインデックス・レートの見直し、扶養数のカウント方法、みなし税計算の仕組みなど、海外給与計算特有の実務要件は、私たち自身も驚くほど複雑でした。こうした多様な条件を丁寧に整理し、システムへ正確に反映していくことができたので、当初抱いていた「複雑なロジックを本当に再現できるのか」という不安は徐々に薄れていきました。
日割り計算や遡及計算といった特に複雑なロジックについても、社内のAGAVE導入チームと綿密にコミュニケーションを取りながら調整を進めました。本番運用前には、ExcelとAGAVEの計算結果を照合し、整合性を一つひとつ確認。その過程で新たな想定外のケースが見つかることもありましたが、迅速かつ丁寧に対応してもらい、最終的に当初の不安を完全に払拭できる高い精度のシステムを実現できました。
導入効果
複雑な業務を解消し、シンプルでミスのない体制へ
ー導入による効果をお聞かせください。

梅山さん
変更履歴が残る点も安心材料です。Excelだと、「いつ、誰が、何を変えたのか」を後から検証するのが難しかったのですが、AGAVEは変更内容や計算根拠をシステム上で容易に確認できます。
また以前は、各現地法人へ賃金台帳データなどを個別にメールで送付していましたが、こちらについてはAGAVEの給与経費管理機能(オプション機能)という別の機能を活用することにより、現地の担当者が必要なタイミングで各自情報にアクセスできるようになりました。個別のデータ送付の手間がなくなったのは大きなメリットです。

小林さん
ーどんな企業にAGAVEの導入をおすすめしますか。

梅山さん
ー今後の展望を教えてください。

小林さん
現在、赴任・帰任のフライト情報や支給額の通貨比率変更、家族の帰国など、多様な申請情報がAGAVE上に集まっていますが、給与計算と連動させる際には手入力やクエリでの対応が必要です。今後は、ワークフロー情報をはじめ、AGAVEに集約されるさまざまな情報を給与計算機能とシームレスに連携し、より幅広く活用したいと考えています。

梅山さん
AGAVEの開発元であるサークレイスさんは顧客の声を開発に反映する姿勢が強く、私たちが要望した機能の多くも検討の上で実装してくださいました。システム間の自動連携が実現すれば、業務効率は大きく向上するはずです。AGAVEのさらなる進化と、社内のAGAVE導入チームとサークレイスさんの連携による、新たな提案を今後も期待しています。
NX海外赴任ワンストップサービスでは、日本通運がAGAVE導入時のコンサルティングやAGAVEの中での各種BPOサービスの提供を行っております。お客さまのお悩みや課題に合わせて、スムーズにシステムが運用開始できるようにサポートいたします。
詳しくはお問い合わせください!