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皆さんは、NXグループが野菜を作っていることをご存知ですか?
日本通運は、2016年に農業法人子会社となるNXアグリグロウ株式会社(旧社名 日通ファーム株式会社)を設立し、山梨県北杜(ほくと)市の農場で葉物野菜の生産を行っています。農業事業を実践することを通じて、物流課題や社会課題の解決にも貢献していくことを目指しています。
今回、新たな取り組みとして、地域農産品のブランド化を目指すDtoCプラットフォーム「NITTSU野菜マーケット」を開設しました。6次産業化による地域価値の向上、地域活性化への機運が高まりつつある中、地域と一体となった取り組みへと発展させていきたいと考えています。
国内では産業構造の変化に伴って、地域産業の縮小傾向が続いています。日本通運は、これまで物流を通じて地域社会と密接な関係性を構築してきましたが、今後も継続して、地域との関係性を維持・強化していくためには、自ら地域と協働・共創する機会を創出し、地域の活性化、魅力向上に寄与していくことが欠かせません。
特に、農業分野は多くの地域において重要産業であり、当社にとっても重要な顧客産業の一つですが、近年は異業種からの新規参入や販売方法・流通経路の多様化が進み、農業ビジネスの構造には顕著な変化が見られます。
当社は農業を取り巻く環境の変化を正しく把握し、必要とされるサービスの構築・提供へと適切に反映していくことを目的に、農業生産事業を行うNXアグリグロウ株式会社を設立しました。
NXアグリグロウの農場は山梨県北杜市にあります。北杜市は南アルプスの山々に囲まれ、ウィスキーの蒸留所やミネラルウォーターの取水地にも選ばれている水の郷です。また、日照時間にも非常に恵まれており、年間の日照時間は日本一とも言われています。
NXアグリグロウは、甲斐駒ヶ岳山麓に広がる標高600mの高原で、太陽光ときれいな地下水を用いた水耕栽培によりパクチー、サラダホウレン草、サラダ春菊、ルッコラといった葉物野菜の生産を行っています。
NXアグリグロウでは、地域居住者の方々の力を借りて、種まき~苗の育成~栽培~収穫~包装~納品までを一貫して行っています。
農業事業は当社にとって全くノウハウを持たない新規領域であったため、軌道に乗るまでには様々な苦労もありましたが、現在では、首都圏のスーパーを中心にサラダのための野菜「DESIGN×SALAD」シリーズとして販売をさせていただくと共に、大手企業様がサービス展開されている有機野菜や特別栽培農産物などの食材宅配ビジネスの野菜としてもご採用いただくなど、品質には高い評価を頂くまでになりました。
農業事業を行う上で、農産品の輸送には一定のコストが伴います。北杜市の一部生産者様とは首都圏向けの幹線輸送において、農産品の共同配送を実施しています。地域における農業ビジネスの収益向上に寄与すべく、今後も取り組みを拡大していきたいと考えています。
海外での日本産品に対するニーズは高まりを見せていますが、物流の観点からいえば、いかに鮮度を保ったまま輸送できるかが重要となります。輸送に伴う鮮度への影響を調査・研究し、新たな輸送商品の開発に活用すべく、NXアグリグロウで生産した野菜を実際に海外まで輸送し、海外店舗でトライアル販売する実証実験を行っています。
(左:鮮度保持コンテナを用いた鮮度保持検証、 右:シンガポールでのトライアル販売の様子)
太陽光を用いた水耕栽培を行っているため、野菜の成長速度は時期によりバラツキが発生します。収穫のピーク時に発生した余剰野菜を長期保存が可能な食品へと加工することで、フードロスの削減にも取り組んでいます。
(ドライパクチー)
新たな取り組みとして、地域農産品のブランド化を目指すDtoCプラットフォーム「NITTSU野菜マーケット」を開設しました。
農業を行う環境に適した北杜市では、当社以外にも多様な生産者様が農場をもち、ミニトマト、パプリカ、しいたけ、生きくらげ、など、様々な作物の生産を行っています。地域の農産品や農産加工品を消費者に直接お届けする環境を整備すると共に、地域の魅力を広く発信することにより、農産品に対する付加価値を造成し、地域の農産事業の活性化へと繋げていくことを目的としています。
現在掲載している商品は自社生産品のみですが、周辺生産者様の農産品の掲載・販売に向けて準備を進めているところです。多くの生産者様と連携し、地域一体となった販売サイトへと充実・発展させていくことを目指しています。
日本通運では今後もNXアグリグロウ株式会社や地域の皆様と協働することにより、農業分野に寄与できる商品・サービスの企画・開発を進めていきます。
事業開発部