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アパレル業界の商品は、インテリア用品や雑貨などのアイテムと異なり、在庫管理において業界独自の取り扱いが必要なカテゴリのひとつです。
日本通運では、物流センターの在庫管理において、アパレル業界の多くのお客様の商品を取り扱ってきたノウハウや、独自に構築した情報管理システムを活用し、入荷から保管、そして出荷に至るまでスピーディーかつ正確なロジスティクスサービスを提供しています。
今回は、アパレル業界のビジネスに特化したソリューションについて、”店舗や卸向けの事例”と、”EC向けの事例”の2種類に分けて紹介します。
アパレル商品は、季節の変動要素が大きなアイテムになります。特に日本の場合は、春、夏、秋、冬、と四季によって販売する商品がそれぞれ異なることから、短い頻度で商品の入れ替わりが発生します。この際、季節ごとの主力アイテムのカテゴリが変わるだけでなく、例えばTシャツやセーター、ポロシャツやコートなどでは、商品ごとの大きさや容積も大きく異なってきます。
そのため、在庫の状況を常に把握した上で適正な管理を行わないと、目的の商品がどこにどれだけ保管されているのか、分からなくなってしまいます。
また、10年程前までは、アパレル商品といえば店舗販売が主体でしたが、近年ではECでの販売も増加しています。店舗販売とEC販売では、出荷時のボリュームや、受注から配送までのプロセスに違いがあるため、それぞれの状況に見合った対応をしなければなりません。
このような事情から、アパレル商品は、効率的な保管や在庫の管理が比較的難しいカテゴリのひとつ言われているのです。
それでは、上記のような特徴があるアパレル商品において、日本通運の物流センターではどのような仕組みで在庫管理を行い、お客様の課題に向けたソリューションを提供しているのでしょうか?
”店舗や卸向け”と”EC向け”の2つの種類に分けて、それぞれの事例をみていきましょう。
アパレルの店舗や卸向けに出荷されるお客様の場合、季節ごとに在庫商品の大きな入替え作業が発生します。またその作業は、四季の移り変わりによる販売機会を逃さないよう、スピーディーに対応しなければなりません。加えて、納品先に向けて一度に多くの数量を発送することもあり、日々の在庫管理の中で色やサイズ違いまで考慮したSKUごとの在庫数量を正確に把握しておく必要もあります。
しかしながら、アイテムの中には商品情報のデータが整備されていなかったり、サイズやカラーの違いが分かりにくかったりするなど、精度の高い在庫管理が困難になることや、出荷作業が煩雑になることも少なくありません。
このような課題をどのように解決したのか、具体的な対応施策を2つご紹介します。
日本通運では、専用のバーコードラベルで商品を管理することが可能な情報システムを導入しています。そのため、入荷された商品を確実に管理しつつスピーディーに出荷できるよう、情報を独自に整理して対応しています。
あるお客様の場合、サイズ違いなど見た目で判断しにくいものや、色違いによって種類が多数存在するアイテムを数多く取り扱われていました。そのため、保管している棚から商品を取り出す際に、目視のみでは誤った商品を選んで、そのまま発送してしまうというリスクが存在していました。
この課題に対応するため、情報システムで商品1点1点を独自に管理しつつ、オペレーションにおいても専用機器を活用し、ミスのない作業を実現させていきました。また、商品の履歴データを基に最適な保管レイアウトへと変更することで、ミスそのものを誘発させないような仕組みへ改善していきました
これらの対応は、管理上の精度を高めるだけでなく、オペレーションの効率を上げて、より短時間で作業を完了させることにもつなげられています
アパレル商品は直接肌に触れるものも多いことから、在庫管理の精度やオペレーションのスピード化だけではなく、保管時における安全性の確認も必要になります。
特に子供服や幼児向けのアイテムなどを取り扱うお客様の場合は、商品に対して特に細かい配慮が必要になるため、安全第一を意識し、検針のチェックや異物混入の検査を行っています。効率を追及するだけでなく、商品の安全性を確保することも当たり前の業務とすることで、アパレル商品において付加価値ある物流センターの仕組みを提供しています。
ECのアパレルサイトを運営されるお客様の場合、個人の購入者の方へ少数の商品を発送することになるため、カートン梱包や明細書の個別封入など、店舗や卸し向けとは出荷形態が異なってきます。一方で、曜日やキャンペーンなどによって受注ボリュームの波が発生するため、臨機応変に対応しつつもスピーディーかつミスのない対応が求められます。
また、実物を目で見て試着することができないECの場合、サイト訪問者に対して着用のイメージを訴求したり、店頭のように細かい要望に応えたりすることも、EC売上を上げるための重要な要素になってきています。
このようなEC特有の課題に対して、日本通運の物流センターでどのような対応を行っているのか、2つの事例を紹介させていただきます。
あるお客様の場合、取り扱いのアイテム数や1日のオーダー数が多いことに加えて、ECサイトでの”受注の締め切り時刻”から”出荷までのタイミング”を短くして欲しいとの依頼をいただきました。
この場合、物流センター内に保管されている数あるアイテムの中から、いかに正しい商品を選び、それを素早くカートンに入れて宅配業者に引き渡すか、という正確性とスピードの両面が必要になります。
そのため、アパレルEC用の情報システムを構築し、お客様のオーダー情報と連携することによって、受注データが正しく物流センターと共有されるようにしました。また、出荷オペレーションの工程においても、1つ1つの作業が正しくスピーディーに実行できるよう、専用機器を用いて効率的に運用できるようにしました。
ECの発送においては、商品が購入された方の手元に届いた時、正しい注文のアイテムがきちんと梱包されているかどうかが、そのサイト自体の満足度を左右することにも繋がりかねません。そのため、情報システムには、今まで実施した当社の経験やノウハウを凝縮させるとともに、お客様の要望をヒアリングしながら、正確かつスピーディーなオペレーションが実施できる仕組みも実装させています。
アパレルを取り扱うECサイトにおいて、着用イメージの写真は購入意欲を高めるための重要な要素になります。
あるお客様の場合、商品の入荷からタイムラグを発生させることなく写真を撮影し、サイトに掲載したいとの要望がありました。そこで、物流センター内に専用の撮影スタジオを用意し、その場で商品を着用して撮影が可能になる仕組みをサポートさせていただきました。
また最近では、アパレルECならではのサービスとして、オーダーに合わせて裾上げを受け付けているサイトもあります。このような場合も、物流センター内に専用のスタッフを配置し、出荷オーダーの都度対応することで、必要以上の日数やコストをかけることなく発送にまで繋げられるサービスを提供しています。
今回ご紹介した事例も含めて、アパレルを対象にした在庫管理のオペレーションは、日本通運の様々な物流センターで実施しています。
物流センターの内部では、大きな温度変化を抑えることのできる空調設備をあらかじめ整え、オペレーションに慣れたスタッフを多数配置していますが、これらに対するイニシャルのコストは特に必要ありません。また、ランニングコストの面においても、賃料や作業コストが安価であると評価をいただいております。
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日本通運㈱関東甲信越ブロックロジスティクスビジネスユニット営業開発部