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PCB
<英語・別名称>Poly Chlorinated Biphenyl
PCBは、溶けにくく、沸点が高い、熱で分解しにくいなど化学的に安定した性質であることから、1950~60年代に変圧器やコンデンサなど電気機器の絶縁油、塗料・印刷インキの溶剤などさまざまな用途に利用されていました。
その一方、有害性が強く、かつ脂肪に溶けやすいため体内に取り込まれ、1968年に皮膚障害などさまざまな症状を引き起こした、いわゆるカネミ油症事件が発生。これを機に1974年に製造・輸入・使用が原則禁止され、PCBを含む電気機器は厳重に保管することが義務付けられました。
しかし、PCBの処理施設の整備が進まなかったことや、保管の長期化により環境リスクが高まり、コンデンサなどPCBが密閉された状態の製品は禁止されず、今なお使用されているのが実態です。
2001年にPCB廃棄物適正処理推進特別措置法が制定され、高濃度PCB廃棄物は(濃度が5000ppmを超えるもの)は早いところでは2018年3月末までに処分しなければなりません(最終は2023年3月末、低濃度PCBは2028年3月末まで)。
高圧変圧器・コンデンサなど高濃度PCB廃棄物は中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)で、低濃度PCB廃棄物は環境省認定の無害化処理認定施設および都道府県が許可する施設で処理を行っています。
PCBの収集運搬は、JESCOなどからの委託により物流事業者が実施しますが、発着地それぞれの自治体から収集運搬許可を受ける必要があり、作業員もPCB収集運搬作業従事者講習を修了するなどして、PCBの特性を理解し漏洩防止にあたる必要があります。