日本通運 日本通運

  1. 日本通運トップ  >  サービス・ソリューション  >  国内輸送  >  鉄道輸送  >  鉄道コンテナNAVI(webRACS)  >  お客さまの声  >  第2回 クリモトロジスティクス株式会社

第2回 クリモトロジスティクス株式会社

お客さまの声

第2回 クリモトロジスティクス株式会社物流部長 伊藤善郎 様
物流部 配送課 堺営業所長 大原一浩 様
物流部 配送課 久保美典 様

クリモトロジスティクス株式会社様は、業界大手である株式会社栗本鐵工所の鉄管製品の輸送を担当する専門会社です。上下水道をはじめとした社会インフラ、プラント設備など、広く私たちの社会生活や産業に用いられる栗本鐵工所の鉄管製品輸送を長年にわたって手がけており、NXの鉄道コンテナは1985(昭和60)年ごろよりご利用いただいています。安全・確実な輸送のためのノウハウや、輸送コスト低減、環境配慮などについて、興味深いお話を伺いました。

人びとの生活と産業を支える鉄管・バルブ

伊藤様: 当社は2009年4月に栗本物流とクリモト・トレーディングという2社が合併してできた会社ですが、その源流は1960(昭和35)年創立の栗栄(りつえい)運輸という会社にさかのぼります。栗栄運輸が2001(平成13)年に栗本鐵工所100パーセント出資の栗本物流になり、現在のクリモトロジスティクスになる、そうした長い年月をかけて、さまざまな輸送を手がけてきました。

当社が主に輸送を担当するのは、栗本鐵工所が生産する鉄管(非常に柔軟性がある材質の鉄管で、ダクタイル鋳鉄管と呼ばれる)やバルブ類です。上下水道、浄水場、農業用水、各種のプラントや非常時の耐震性貯水槽などにも利用されるもので、生活や産業を支える高度な品質が求められる製品です。

それだけに、その品質を輸送面からも十分に維持できるようさまざまなノウハウを注ぎ込みながら、一方で輸送効率を高めたり、環境保全に配慮した取り組みを行っています。

鉄道コンテナ輸送の導入

伊藤様: 1985(昭和60)年ごろ、東北の拠点への輸送についてコスト低減や積載効率アップが必要になってきたことから、当時の国鉄(現JR貨物)さんとNXさんの協力のもと、 まず20フィート・コンテナによる輸送を決めたのが、当社の鉄道コンテナ輸送の始まりです。その後すぐに24フィート・コンテナも導入し、4メートルと5メートルの直管(まっすぐの鉄管)と、 その空きスペースに異形管やバルブを積んで、効率よく輸送できるようにしました。

伊藤様伊藤様
荷崩れを防ぐ独自のノウハウがある荷崩れを防ぐ
独自のノウハウがある

輸送を担当する者の責任として、商品を傷つけないことはもちろん、そのケースに傷があってもいけないので、トータルな品質を維持して最終的にお客さまにお届けすることを最も重視しています。

コンテナ輸送では、鉄管を特殊な仕分け器具で何本かを配置してから上に積み上げて、コンテナに積み込みます。それをワイヤーで固定するときのフックの位置、とめ方などに独自のノウハウがあります。導入当初はNXさんが作業場にコンテナを持ち込み、当社が現物を使いながら積み方、結び方をお教えして、両社で研究、テストを繰り返しました。長時間の輸送テストの後、終着点で確認しても荷物のズレや荷崩れは一切ありませんでした。

荷物の積み下ろしの作業も含め事故がなく、大きな問題も出ていないことに、とても満足しています。そのためには日頃から乗務員、作業者への指導や情報の水平展開がとても重要です。NXさんにはそうした細かな部分について協力いただいています。営業さんに何でもすぐに相談できるところが心強いですね。

31フィート・コンテナで大きなコストメリット

伊藤様: 現在は大きな31フィート・コンテナを導入し、かなりのコストメリットを出しています。栗本鐵工所の堺工場で生産された製品は、苫小牧・仙台・千葉・北九州の4つの物流センターに運び込まれ、そこから全国のお客さまに向けて出荷されます。当社では主にその4拠点までの輸送を担当していますが、昨年度は、鉄管を運ぶのに最も大きな31フィート・コンテナを年間370個、小さな12フィート・コンテナ(5トン)を313個使用しました。これとは別にバルブ類は31フィート・コンテナで52個使いましたので、それらの合計は年間735個になります。これを12フィート・コンテナに換算すると年間1579個分を運んだことになります。

鉄管輸送の主力「31フィート・コンテナ」 鉄管輸送の主力
「31フィート・コンテナ」

これらがほぼ毎日、休みなく運ばれていくのですから、輸送の効率を図ると全体のコストメリットは非常に大きなインパクトになります。

共同でさまざまな効率化に取り組む

当社とNXさんが協力して効率化を図った実例として、同業他社さんと、31フィート・コンテナと荷造り機材を共有したことがあります。当社が大阪から関東への輸送に使用したコンテナを、他社さんの関東から大阪への輸送に使ってもらって、往復でロスがないように効率化したのです。これはNXさんならではの調整能力だと思っています。

CO2削減の効果は年間180トン

伊藤様: クリモトでは全グループを挙げて環境経営や地球温暖化防止に取り組んでいます。輸送面を担当する当社としても、それにふさわしい体制や取り組みが必要です。

現状の生産体制やお客さまとの関係を考えると、これだけの物量を鉄道コンテナで運んでいることのCO2削減効果はかなり大きなものがあります。鉄管のトラック輸送をゼロにすることはできませんが、鉄道輸送への移行(モーダルシフト)とその推進によって、前述の輸送量をもとに計算すると、年間に180トンのCO2を削減したことになります(注:年間輸送量の合計で計算した場合の数値)。

梱包資材の工夫や再利用も推進して、無駄を出さないための地道な努力も続けています。業績のいいときは見過ごしがちだったものを掘り起こして無駄を省く、という考え方です。

これらのお陰もあって、1989(平成元)年に、社団法人鉄道貨物協会近畿支部からモーダルシフトによる環境貢献の功が認められて表彰を受けました。当社の取り組みがこういう形で評価されたことは本当に嬉しいことでした。

伊藤様はモーダルシフトへの取り組みにより表彰を受けた伊藤様はモーダルシフトへの
取り組みにより表彰を受けた 大量の鉄管が毎日出荷されるので鉄道輸送による環境貢献のインパクトも大きい 大量の鉄管が毎日出荷されるので
鉄道輸送による環境貢献のインパクトも大きい

「鉄道コンテナNAVI」で荷物の動きを随時確認できる

久保様: 2008(平成20)年11月、NXの鉄道コンテナWeb発注システムのサービス開始直後から、ご紹介を受けて導入しました。それまで、鉄道コンテナを発注する際は電話が基本で、折り返しの確認などの手間が多くかかりましたが、システム化によって、まずそうした工数を大幅に減らすことができました。依頼漏れがなくなったことも大きいです。

また、当社にとってWebシステム化の最大の利点は、貨物の進捗状況をシステム画面上で随時確認できるところです。毎日大量の鉄管類を運んでいますから、その輸送状況というのはリアルタイムで把握したいことが多々あります。

久保様久保様
大原様大原様

大原様: 発注事務は1~2名で行っています。入力項目がある程度定型化されているので、事務効率が上がりました。また画面が明るくなって見やすくなったところもいいですね。ただし、発注後に積荷の内容や発送先が変更になることもあるので、そうした場合の入力内容の変更がもっと便利になることが今後の改善希望事項です。

伊藤様: 前述した31フィート・コンテナにも、実はいくつかの種類があって、それぞれ少しずつ内寸サイズが異なります。数センチの違いで、積めるものと積めないものが違ってきますし、それによって品質を維持できたり、効率が高まったりするので、内寸の違いは非常に大きな問題です。これをあらかじめWebシステム上で確認し、使用コンテナを選ぶことができる点はとても大きなメリットです。

NXさんには今後もさまざまなご協力をいただきながら、安全・確実で環境にやさしく、しかも効率的な鉄道コンテナ輸送を行えるよう工夫していきたいと思います。

徹底した安全管理によって送り出された鉄管は「鉄道コンテナNAVI」によって随時ウォッチされている 徹底した安全管理によって送り出された鉄管は「鉄道コンテナNAVI」によって随時ウォッチされている

鉄道コンテナNAVIの関連サービス

  • モーダルシフト
    「モーダルシフト(Modal Shift)」とは、環境負荷の低い輸送手段(Modal)への転換(Shift)のことです。
  • グリーンロジスティクス
    NXのグリーンロジスティクスサービスは、総合物流企業とし幅広いビジネスフィールドの中で、輸送モード転換や輸送効率化、資材リユースによるCO2削減を目的としたサービスから、リサイクルなどの循環型サービスや産業廃棄物処理などの環境保全型関連サービスなど、多種多様なサービスをご提供しています。
  • アローBOX
    鉄道輸送用コンテナでは大きすぎる…、小ロットの貨物を輸送したいとき…、日本通運では他のBOX商品もご用意しています。

鉄道コンテナNAVI 会員登録